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特長
■有効成分:チリカブリダニ(ファイトセーラス・パーシミリス)成虫2000頭/瓶
■性状:淡褐色細粒
■毒性:普通物
■包装:500mlボトル
■和名:チリカブリダニ(Phytoseiulus persimilis
■分類:捕食性カブリダニ(ハダニを捕まえ、体液を吸汁する)
■特徴:体長(約0.3mm)、体型(洋なし型・脚長)、体色( オレンジ)
■捕食齢期:ハダニの全発育段階 (卵〜若齢虫〜成虫)
■成虫寿命:約1〜3週間(好適条件下)
■産卵数:約50〜60個/頭
■活動温度:11〜32℃
■適温:20〜30℃(高湿度)
ナミハダニの成虫 卵を捕食している
チリカブリダニ
いちごを栽培していると、知らない間に増えてくるハダニ類。 その原因の多くは施設に定植する際に苗と一緒に持ち込まれるハダニが増殖してくるものです。チリカブリダニは秋の定植・ビニール被覆直後と春のハダニの増殖初期に処理することによってハダニを餌として増殖し、長期間密度抑制効果を発揮します。チリカブリダニを使いこなすには、IPMの考え方に従った防除体系を組む必要があります。せっかく放飼したチリカブリダニが他の病害虫の防除で殺されないよう、使用する農薬には充分に気をつけて下さい。
登 録 内 容
作物名 適用害虫名 使用量 使用時期 使用回数 使用方法
野菜類(施設栽培) ハダニ類 3瓶(6000頭)/10a 発生初期 放飼
おうとう(施設栽培) ナミハダニ 100〜200頭/樹
ばら(施設栽培) ハダニ類 3瓶(6000頭)/10a
チ リ カ ブ リ ダ ニ を 使 い こ な す ポ イ ン ト
温度管理 チリカブリダニの増殖可能温度は11〜32℃までですが、効果を発揮できる温度は15〜30℃です。この温度幅の持続時間が効果を左右します。
低密度での導入 ハダニが多発してからの導入では、チリカブリダニがハダニを抑制する前にいちごに被害が出てしまいます。目安としてはハダニの寄生株率10%程度までが導入適用です。
害虫の侵入防止 施設内及び周辺の除草や施設の開口部にネットを張るなど、害虫の発生源を極力除去し、外部からの害虫の侵入を防いで下さい。
病害虫防除 チリカブリダニはハダニのみ捕食しますので、他の病害虫に対しては防除が必要となります。防除に使用する薬剤はチリカブリダニに影響のない薬剤を選択する必要があります。また、導入前に使用する薬剤についても注意が必要です。農薬を使用する場合は指導機関や販売店に相談して下さい。なお、硫黄の燻煙はチリカブリダニに悪影響があります。
使 用 方 法
商品が到着したらすぐ包装を開けて中身を確認して下さい。その後はボトルの上部にチリカブリダニが集まらないよう瓶を横に倒した状態で圃場に運びます。圃場で放飼の直前に瓶を横にしたままゆっくり約10回転させて、チリカブリダニとバーミキュライトを混和して下さい。
混和後、圃場内を歩きながらいちごの葉の上にバーミキュライトを少しずつふりかけて放飼して下さい。
チリカブリダニの放飼にあたっては、以下に示すようにいくつかの方法があります。自分の圃場の状況にあった方法で放飼して下さい。
圃場全面への均一放飼(密度が低く、ハダニの発生場所が特定できない場合。
この方法では10a当り3ボトル(6000頭)を放飼します。
スポット放飼+均一放飼
(ハダニの発生場所をある程度把握している場合、例年ハダニの発生場所がほぼ同じ所の場合)
この方法では10a当り3ボトル(6000頭)を放飼しますが、はじめにハダニの発生スポットに量を多めに放飼を実施し、残りを全面に均一放飼をします。
ハダニの発生スポットに確実にチリカブリダニの放飼ができます。
また、見落としている発生場所でもチリカブリダニの活動が期待できます。
スポット放飼
(補完的にハダニの発生場所に放飼する必要がある場合)
の方法で放飼した後もハダニの発生状況をよく観察し、ハダニの発生スポットが認められた場合実施します。

チリカブリダニを用いた「いちごのIPM」
〜育苗期 定植期 ビニール被覆後10月 ミツバチ導入 収穫開始12月 収穫完了6月
チリカブリダニ導入時期


薬剤の影響がなくなってから

2月下旬〜3月
薬剤防除
ハダニ類 コロマイト 粒剤処理 アドマイヤー、
オンコル、
モスピラン
スリップス類 DDVP燻煙(7日)、
マラソン(14日)

ハダニ類 オサダン(0日)
ニッソラン(0日)
アブラムシ類 DDVP・除虫菊 ハダニ類 ケルセン(14日) アブラムシ類 モスピラン
(多少影響有)
ヨトウムシ類 ノーモルト ヨトウムシ類 ノーモルト(0日) スリップス類 天敵と併用して使用できる剤はない。
合成ピレスロイド剤は使用不可
※( )内は影響日数

試験成績
チリカブリダニとナミハダニの密度消長

  • 試験場: 埼玉県園芸試験場 園芸試験場内、加温ビニールハウス
  • 害虫:ナミハダニ(少〜多発生)
  • 作物:いちご
  • 品種:女蜂
  • 定植:9月20日
  • 処理日:2月9日
  • 処理量:チリカブリダニ2頭/株
  • 考察:チリカブリダニの効果は遅効的であるが、明確な差は認められた。実用性は高い。

試験成績からもわかるように、チリカブリダニの効果発現は非常に遅効的です。放飼後ハダニの密度は無処理区とほぼ同じように上昇を続け、3〜4週間後から減少に転じます。チリカブリダニ放飼時にハダニの密度が高い場合は、効果が発現するまでにハダニの密度が被害が出る密度に達する事例が多いので、低密度時の放飼を心かけてください。
使用上の注意
効果・薬害などの注意
  • 本剤はハダニ類を捕食する天敵チリカブリダニを含有する製剤です。
  • チリカブリダニは生存日数が短いので、入手後直ちに放飼し、使いきってください。
  • 容器内でチリカブリダニが遍在していることがあるので、使用の際は容器を横にしてゆっくりと回転させて均一に混在させた後、所定量を葉の上に容器から少量分けて散布し、放飼してください。なお、おうとうでは本剤を紙片にのせ主枝または側枝の分岐点などに設置して放飼してください。
  • ハダニ類の密度が高まってからの放飼は十分な効果が得られないことがあるので天敵として有効な密度(チリカブリダニ1頭に対してハダニ類が30頭以下)を保つため、ハダニ類の発生初期から放飼してください。
  • いちごに使用する場合、1複葉に2〜3頭以下(株当り20〜30頭)のハダニ類がいる時期を目安に放飼してください。
  • 低温時にはチリカブリダニの活動が劣るので、平均気温が15℃以上での放飼をしてください。
  • 他の病害虫防除に使用する薬剤はチリカブリダニの活動に影響を及ぼさない薬剤を選択してください。また、本剤の放飼前に使用する薬剤もチリカブリダニに対する影響期間を考慮してください。
  • 本剤の使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けてください。
安全使用・保管上の注意
  • 本剤は天敵生物であり、生存日数が短いので入手後直ちに使用してください。やむを得ず貯蔵する場合は、直射日光を避け、低温(5〜8℃)で保管してください。
販売: シンジェンタ ジャパン(株)
製造: ノバルティスBCM社(英国)
チババンティング ノースアメリカ社