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エスマルクDFの上手な使い方(試験成績抜粋)
オオタバコガ防除/レタス、野菜
オオタバコガはレタスをはじめトマト、ピーマン、ナス、花卉類など多くの作物を加害する広食性の害虫で、平成6年(1994)の夏以降全国各地で多発し、被害が深刻化しています。オオタバコガは、近似種タバコガとともに古くから国内に生息していた害虫ですが、現在各地で問題とされている本種は、各種薬剤に対する感受性が低く、抵抗性系統の中国からの飛来が原因とも言われています。
本種の卵は植物体上に1卵ずつ産み付けられ、2〜4日でふ化します。ふ化幼虫は若齢期は植物体上にとどまり食害を加えますが、中齢期以降は結球部や果実内に食入します。1頭の幼虫が結球部や果実を異動しながら次々と加害していくため、幼虫密度が低くとも被害は大きくなります。また、本種は各種殺虫剤に対して抵抗性を発達させているため、有効な薬剤は少なく、薬剤での防除は困難とされています。
しかしながら、BT剤は本種にも有効であり、中でもエスマルクDFは高い効果を示し、果菜類を中心に広くオオタバコガの登録を有しています。エスマルクDFでは、ふ化幼虫から若齢幼虫期を狙った的確な散布を実施すれば、本種に対しても高い防除効果が得られることが実証されています。
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レタスにおける散布タイミングと防除効果の関係 |
実証試験例:レタス寄生オオタバコガに対する圃場試験
(長野県営農技術センター) |
試験1(定植日:1997/7/22) |
供試薬剤名 |
希釈倍数(倍) |
散布時期(定植後日数) |
被害度 |
防除率(%) |
10日後 |
17日後 |
24日後 |
エスマルクDF |
1000 |
● |
● |
● |
4.7 |
89.8 |
● |
● |
− |
16.0 |
65.2 |
● |
− |
− |
47.3 |
0.0 |
ハクサップ水和剤 |
1000 |
● |
● |
● |
0.0 |
100.0 |
● |
● |
− |
15.7 |
65.9 |
● |
− |
− |
48.3 |
0.0 |
無処理区 |
− |
− |
− |
− |
46.0 |
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供試作物:レタス(アサマグリーン) |
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定植17日後:最も有効、24日後:有効 |
試験2(定植日:1998/7/23) |
供試薬剤名 |
希釈倍数(倍) |
散布時期
(定植後日数) |
被害度 |
防除率(%) |
14日後 |
21日後 |
28日後 |
エスマルクDF |
1000 |
● |
● |
● |
0.8 |
96.9 |
● |
− |
− |
7.5 |
70.9 |
無処理区 |
− |
− |
− |
− |
25.8 |
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供試作物:レタス(パオリオット) |
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定植14日後:最も有効、21日後・28日後:有効 |
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(被害大の株数x3+被害中の株数x2+被害小の株数) |
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被害度= |
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x100 |
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調査株数x3 |
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(無処理区の被害度−処理区の被害度) |
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防除率(%)= |
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x100 |
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無処理区の被害度 |
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使用薬剤 |
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オオタバコガの各発育ステージ |
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オオタバコガ防除のポイント |
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成虫の発生最盛期を中心に果実の肥大初期から7〜10日間隔で連続散布。 |
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結球初期〜中期に7〜10日間隔で連続散布。 |
- 7月下旬〜9月の多発生時期の重点防除に、他の有効薬剤との体系で使用してください。
- 幼虫が結球部、果実に食入してしまうと防除困難となるため、ふ化直後から若齢幼虫期が散布適期です。
- エスマルクDFは、若齢幼虫には優れた殺虫活性を、老齢幼虫には高い摂食阻害活性を示します。
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試験成績 |
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ナス寄生オオタバコガに対する殺虫効果 |
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- 供試虫:オオタバコガ2,3,4齢幼虫
- 供試作物:なす(千両2号)
- 試験実施:大阪府立農林技術センター
- 処理日:1997/9/3
- 試験方法:室内接種試験
ハンドスプレーによりなす苗に十分量を散布し、散布風乾後供試虫(8頭/区)を接種した。処理2日後および4日後に供試虫の生死を調査した。(各齢につき1区制、死虫率は3齢期3区の総数で算出)
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トマト寄生オオタバコガに対する殺虫効果 |
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- 供試虫:オオタバコガ3齢幼虫
- 供試作物:ミニトマト(ペペ)
- 試験実施:住友化学
- 試験方法:果実散布試験(50ml/10果、展着剤加用)
散布風乾後、果実1果とともに供試虫1頭をプラスチックカップに放飼し、放虫3日後および7日後に供試虫の生死を調査した。(10反復)
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オクラ寄生オオタバコガに対する殺虫効果 |
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- 供試虫:オオタバコガ(成虫放虫試験)
- 供試作物:オクラ(アーリーファイプ)
- 試験場所:宮城県宮城郡佐土原町
- 試験実施:宮城県総合農業試験場
- 処理日:1999/9/19日、26日
- 区制/反復:10株/区、2反復
- 処理方法:圃場内に30ペアの成虫を放飼し、その3日後および10日後に肩掛噴霧器にて展着剤を加えた各希釈液を十分量散布した。
- 観察:各散布の直前、および2回目散布7日後に全果実の食害を調査した。
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レタス寄生オオタバコガに対する防除効果 |
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【10株あたりの被害株数】 |
- 供試虫:オオタバコガ(自然発生)
- 供試作物:レタス(パトリオット)
- 定植日:7/23
- 処理日:3回散布(8/6、13.20)、1回散布(8/6)
- 試験方法:圃場試験
背負式動力噴霧器で200L/10a散布
8/27に被害株数を調査
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【防除率(%)】 |
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