農薬情報>除草剤>水稲用


特長
■種類名:ピリミノバックメチル・ベンタゾン粒剤
■有効成分
:ピリミノバックメチル・・・0.40%
:ベンタゾンナトリウム塩・・・11.0%
■性状:淡灰色細粒
■人畜毒性:普通物
急性経口毒性 ラット LD50 ♀>2500mg/kg
急性経皮毒性 ラット LD50 ♂♀>2000mg/kg
皮膚刺激性 ウサギ 軽度の刺激性
眼刺激性 ウサギ 中度の刺激性
皮膚感作性 モルモット 感作性なし
コイ LC50(96時間) >1000ppm
ミジンコ EC50(48時間) >1000ppm
藻類 EbC50(0-72時間) >1000ppm
■有効年限:5年
■包装:3kg×8袋
■作用機構分類
HRAC B[ピリミノバックメチル]
HRAC C3(6)[ベンタゾンナトリウム塩]

 ヒエクリーンバサグラン粒剤(試験名:KUH-031)は、移植水稲栽培における初期除草剤・初中期一発剤などによる前期防除でとりこぼした雑草や、後次発生する雑草を防除する目的で開発された3キロ粒剤タイプの水稲用中・後期除草剤です。本剤は、ノビエに対して選択殺草性を有する ピリミノバックメチル(KUH-983:クミアイ化学工業梶jと、ノビエ以外の幅広い雑草に殺草性を有するベンタゾン(BAS 3510 H:BASF社)を有効成分にもつ新規の除草剤です。
 ヒエクリーンバサグラン粒剤は、平成15年から(財)日本植物調節剤研究協会を通じ、都道府県立農業試験場をはじめとする公的試験研究機関で水稲への適用性検討が開始され、試験の結果、ノビエをはじめとする水田一年生雑草および多年生雑草に優れた除草効果を示すことが確認されました。
各有効成分の特性
  1. ピリミノバックメチル
    • 高葉齢ノビエにも卓効を示します。
    • 水稲への高い安全性を有します。
ピリミノバックメチルは雑草の根部、茎葉基部及び茎葉部から吸収され、雑草体内に取り込まれます。雑草体内で分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の生合成に関与するアセト乳酸合成酵素(ALS)を制御することにより、生長に不可欠な分岐鎖アミノ酸の生成量が低下するとともに、体内のアミノ酸バランスが変動して雑草は生育を停止し、枯死に至ります。なお、ALSは動物体内には存在しませんので、これがピリミノバックメチルの動物に対する毒性が低い理由と考えられています。また、ピリミノバックメチルのイネ・ヒエ間の優れた選択性は、それぞれの植物体内での分解・解毒速度の違いによるものと推定されています。

  1. ベンタゾン
    • ノビエ以外の広い草種に卓効を示します。
    • 水稲への高い安全性を有します。
    • 市場での長年にわたる使用実績により高い評価を得ています。
ベンダゾンはノビエ以外の一年生広葉雑草から多年生雑草や、オモダカ等の難防除雑草までの水田雑草に優れた効果を示します。土壌表面に処理されたベンダゾンは、土中を雑草の根圏まで移動・到達し、根部から容易に吸収され主に蒸散流とともに上方の茎葉部へ移動します。
ベンダゾンの主な作用機作はHill反応阻害による光合成阻害であることが明らかにされています。光合成が阻害されることにより、雑草は生育を停止し、枯死に至ります。この効果は明条件下の方がより早く、かつ強く発現します。ベンダゾンはイネ体内では速やかに無毒の抱合体に代謝されるため、イネへの優れた選択性が認められます。


ヒエクリーンバサグランは
各有効成分の長所をかけ合せた性能を有します。

  • 殺草スペクトラムが極めて広く、難防除雑草にも有効
    ノビエに対し優れた効果を示すヒエクリーンと、ノビエ以外の一年生広葉雑草や多年生雑草、オモダカ等の難防除雑草までの水田雑草に優れた効果を示すバサグランをひとつにした水稲用中・後期除草剤です。
  • SU抵抗性雑草にも高い効果
    近年、問題になっているSU剤に抵抗性を示す一年生広葉雑草(アゼナ、ミゾハコベ等)、コナギ、ホタルイ等に対しても高い除草効果を発揮します。また、多年生難防除雑草でSU抵抗性が確認されているオモダカに対しても優れた効果を示します。
  • 広い殺草適期幅
    本剤の使用時期は移植後15〜35日(ノビエ4葉期まで、九州は3葉期まで)です。初期剤および一発処理除草剤の散布後の体系処理においてゆとりを持って散布することができます。
  • 3キロ剤で効果安定
    本剤は3キロ粒剤のため、単位面積当たりの粒数も多く、より均一に散布することが可能です。したがって、落水条件下でも除草効果を安定させることができます。
  • イネに対し高い安全性
    本剤の有効成分ピリミノバックメチルとベンダゾンは、移植水稲と雑草間に優れた選択性を示します。したがって適正な使用では水稲への影響はありません。また、土壌中及び稲体中での残留の心配や後作への影響の少ない薬剤です。人畜、魚介類に対しても毒性が低く、安全性の高い水稲用除草剤です。
適用雑草及び使用方法
作物名 雑草 使用量 使用方法 使用時期 適用土壌 本剤の使用回数 適用地帯
移植水稲 水田一年生雑草 3kg/10a ごく浅く湛水して散布 移植後15日〜ノビエ4葉期(但し、収穫60日前まで) 砂壌土〜埴土 1回 全域の普通期及び早期栽培地帯
ウリカワ
オモダカ
クログワイ(北海道、北陸を除く)
シズイ(東北)
ヘラオモダカ(北海道、東北)
ホタルイ
マツバイ
ミズガヤツリ(北海道を除く)
直播水稲 水田一年生雑草 イネ3葉期〜ノビエ4葉期(但し、収穫60日前まで) 全域
ホタルイ
マツバイ
ピリミノバックメチルを含む農薬の総使用回数 ベンタゾンを含む農薬の総使用回数
2回以内 2回以内
殺草スペクトラム

1年生雑草 多年生雑草
雑草名 ノビエ カヤツリグサ科 コナギ アゼナ マツバイ ホタルイ ウリカワ ミズガヤツリ ヘラオモダカ ユウキヤガラ シズイ エゾノサヤヌカグサ オモダカ クログワイ
処理時期
移植後15〜35日
(ノビエ4葉期まで
九州は3葉期まで)
(移植前後の初期除草
剤との体系で使用)
◎北海道を除く ◎北海道・東北 ◎|○ ◎東北 ◎|○
は、2007年2月現在未登録ですが、効果が期待される草種です。
【注1】 除草効果・・・◎:卓効、○:有効、△:やや不十分、X:不十分
【注2】 クログワイ、オモダカ、コウキヤガラ等の難防除雑草については、本剤の1回使用では完全枯殺できない場合があるのでこれらの雑草に有効な剤との組み合わせで使用してください。
試験成績
効果とその持続

浅水処理での殺草効果(ノビエ3葉期処理)
2006年BASFアグロ(株)田原研究所
処理 6月1日
水深 1cm
調査 6月22日

効果の持続(ノビエ4葉期処理)
2003年クミアイ化学工業(株)生物科学研究所
処理 5月27日
水深 2cm

薬害

水稲に対する処理時期別薬害】・・・水稲に対する高い安全性を示します。
平成16〜18年日植調委託試験成績累計

除草効果

ノビエに対する除草効果】・・・4葉期のノビエに対しても優れた効果を発揮します。
平成16〜18年日植調委託試験成績累計

一年生広葉に対する除草効果】・・・コナギ、アゼナ、ミゾハコベ等の一年生広葉雑草も一掃します。

ホタルイに対する除草効果】・・・難防除のホタルイも抑えます。初期剤との体系処理がより一層効果的です。
上手な使い方
  1. 散布の前に
    1. 田面の土壌表面がなるべく均一になるようにていねいに砕土・代かきし、均平となるように整地してください。
    2. 漏水の多い水田、極端な浅植えの水田、浮き苗の多い水田、植穴の戻りが悪い水田では使用を避けてください。
  2. 天候
    1. 散布後に晴天が続くと効果の発現が早く安定します。
    2. 散布後2日以内に大量の降雨があると効果が十分発揮されないことがあります。晴天が続く条件を選んで散布してください。
  3. 水管理と散布
    1. 止め水をしっかり:しっかり止め水してください。
    2. 雑草が、水面上に出る状態の浅水にしてください。
    3. 10アール当り3kgを均一に散布します。手散布や動力散布機などで散布してください。
    4. 散布後は水口・水尻を止めたまま、少なくとも2〜3日間は放置し、その後、入水し、通常の湛水状態を保ってください。散布後、7日間は落水・かけ流しはしないでください。
      以上の水管理を行う理由
      ベンタゾンは水溶性が高いため、通常の湛水状態で処理された場合は、有効成分が水田水中に拡散してしまい湛水中および土壌中の成分が希薄状態となります。逆に雑草の一部が水面上に出ていると、ベンタゾンの吸収が速くなります。
      一方ピリミノバックメチルは、ヒエの根部および茎葉部から吸収されます。再度湛水することでヒエへの吸収が促進され、以後長い残効性を示します。
      このためヒエクリーンバサグラン粒剤の使用に当たっては、確実な効果を発揮させるために、ごく浅水で散布し、少なくとも2日間そのままの状態を保ち、以後通常の湛水状態としてください。
  4. 散布適期
    1. 移植前後の初期剤ないし一発処理除草剤の散布後の体系処理剤として散布してください。
    2. ノビエについては4葉期(九州は3葉期)までの適用がありますが、気象条件や圃場条件により、ノビエの発生時期やスピードが異なる場合がありますので、目安として移植後15〜35日までの散布適期に散布してください。
    3. ノビエ以外の雑草の散布適期は下記の通りです。
      • ホタルイ、ミズガヤツリ・・・4葉期まで(東北、北陸は3葉期まで)
      • ヘラオモダカ・・・4葉期まで(北海道は3葉期まで)
      • ウリカワ・・・4葉期まで(東北、近畿・中国・四国は3葉期まで)
      • オモダカ・・・草丈30cmまで
    4. 使用方法・・・下図を参照に散布してください。
使用上の注意事項
効果・薬害などの注意
  • 使用量に合わせ秤量し、使いきってください。
  • 本剤はノビエの発生前から4葉期に有効であり、イネ科以外の雑草には生育期に有効であるので時期を失しないように散布してください。なお、多年生雑草は生育段階によって効果にフレが出るので、必ず適期に散布してください。ホタルイ、ミズガヤツリ(東北、北陸は3葉期まで)、ヘラオモダカ(北海道は3葉期まで)、ウリカワ(東北、近畿・中国・四国は3葉期まで)は4葉期まで、オモダカは矢尻葉抽出期まで、クログワイは草丈15cm前後、シズイは草丈30cmまでが本剤の散布適期です。
  • オモダカ、クログワイ、シズイは発生期間が長く、遅い発生のものまでは十分な効果を示さないので、有効な前処理剤と組み合わせて使用してください。
  • 苗の植付けが均一となるように、代かきおよび植付作業はていねいに行ってください。未熟有機物を使用した場合は、特にていねいに行ってください。
  • 散布の際は、本剤は水の移動に伴う移行性が大きいので、水の出入りを止めてごく浅水状態(雑草が水面上に出る状態)にして田面に均一に散布し、少なくとも2日間はそのままの状態を保ち、散布後7日間は落水、かけ流しはしないでください。深水にすると効果が劣るので注意してください。
  • 処理後2日以内に降雨があると効果が不十分になるおそれがあるので、晴天の持続する時を選んで使用してください。万が一散布後に降雨があった場合は、落水させずそのままの状態を保ってください。
  • 以下のような条件下では薬害の生じるおそれがあるので使用をさけてください。
    1. 砂質土壌の水田、漏水田(減水深2cm/日以上)
    2. 軟弱苗を移植した水田
    3. 極端な浅植えの水田および浮き苗の多い水田
  • 散布後の数日間に著しい高温が続く場合、初期生育が抑制されることがあるが、一過性のもので次第に回復し、その後の生育に対する影響は認められていない。
  • 本剤を散布した水田の田面水を他の作物に潅水しないでください。
  • 河川、湖沼、地下水等を汚染しないよう、落水、かけ流しはしないでください。
  • 本剤はその殺草特性からくわい、せりなどの生育を阻害するおそれがあるので、これら作物の生育期に隣接田で使用する場合は十分に注意してください。
  • 本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合や異常気象の場合には、病害虫防除所等関係機関の指導を受けてください。
安全使用・保管上の注意
  • 誤食などのないように注意してください。
  • 本剤は眼に対して刺激性があるので、眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受けてください。
  • かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。
  • 保管
    直射日光をさけ、なるべく低温で乾燥した場所に密封して保管してください。
製造・販売:BASFアグロ(株)