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ブロッコリー

来暦
キャベツの仲間ですが、キャベツは葉が結球したもので、ブロッコリーは花芽が大きくなったものです。ブロッコリーは、カリフラワーの系統から緑色で葉脈からいくつもの多肉な枝を生ずるもののことをいい、カリフラワーは、花蕾が発達しなくなり、花梗や小花梗が肥厚し、大きな一個の花蕾を形成するもののことをいうようになりました。
野性のキャベツで花茎の肥厚するものが地中海の東部から小アジア地域に古くから知られていました。それがイタリアやフランスで発達し、次第にヨーロッパ中部から北部へと伝播され、19世紀にヨーロッパ諸国やインド、中国南部に伝わり、インドでカリフラワーが東南アジアで芥藍の品種分化が成立しました。
日本には明治初年に千葉県や静岡県に導入されましたが普及せず、戦後になって改良され普及していきました。ブロッコリーは昭和25年駐留軍によって栽培され、栄養価の高いことから急速に普及しました。
ブロッコリーは強い女性の味方です
ブロッコリーは緑黄色野菜の中でも群を抜いて栄養の高い野菜ですが、中でも注目したいのはビタミンA、C、K、それにカリウムです。
ビタミンAは、400IU/100g(成人1日必要量1800IU)含まれ、1日必要量の1/4も含んでいます。ビタミンAは粘膜や皮膚を強化する働きがあります。そのためガン細胞の発生を阻止したり、鉄分の吸収を促し、女性に多い鉄分欠乏性の貧血を予防します。ブロッコリーに含まれるビタミンAは根に栄養を与え、充血を防いだり、眼の疲労回復に効果があり、眼の周りの小じわも取り除いてくれます。
ビタミンCは、160mg/100g(成人1日必要量50mg)と十分に含んでいます。ビタミンCはお肌をすべすべと美しくし、ストレスや疲労回復に効果があります。
ビタミンKは、かぶらの葉に次いで多く含まれています。ビタミンKは摂取が難しいカルシウムの代謝を促し、骨への吸着率を高めます。カルシウムを効率よく摂取し、女性に多い骨粗しょう症の予防に欠かせない栄養素です。
カリウムは、530mg/100g含んでいます。カリウムは塩分に含んでいるナトリウムを排泄する作用があるので高血圧症の人に是非取っていただきたい栄養素です。
最近、ブロッコリーに含まれる化学物質(サルフォラファイン)に発ガン抑制作用があるとアメリカで発表されました。
栽培のワンポイント
しまった苗を作るポイントは?
水管理、追肥、順化の3点です。高温期の育苗では、苗の軟弱徒長が起こりやすいので、トレイを適湿管理することが大切です。特に、曇雨天時や夕刻の潅水は極力控え、夜間は乾燥ぎみに管理します。
液肥潅水のタイミングや頻度は、育苗培土の肥料含有量、生育状況によって異なりますが、育苗後半に葉色を見て適宣行います。
土づくり、圃場選択で気をつける点は?
保水性のある有機質に富んだ肥沃な土壌が、良品多収には欠かせません。土づくりとして、10a当たり堆肥を2〜3t、苦土石灰を100kgほど全面施用し、深耕するとよいでしょう。
また、過温に弱い特性上、台風や長雨による根腐れが起こりやすいので、排水のよい圃場の選択、高畝栽培も重要となります。
元肥、追肥量の目安は?
水田裏作の標準的な施肥量(全量)は、秋〜年内どりでは速効性肥料を中心に、10a当たりチッソ25〜30kg、リン酸20〜25kg、カリ25〜30kg(成分量)とします。また、生育期間が比較的短いので、元肥、追肥の割合を2対1とし、速効性肥料を中心に用います。
栽培が長期にわたる冬どりの場合は速効性肥料も混ぜて、各成分5kg(10a当たり成分量)ほど多めに施します。元肥、追肥の割合は1対1とし、元肥には緩効性肥料を中心に、追肥には速効性肥料を用います。
低農薬で病害虫防除を確実に行うためのポイントは?
アブラナ科野菜の連作で多発する根こぶ病は土壌伝染性病害で、いったん大発生させてしまうと、防除が非常に困難です。酸性、過湿土壌で特に被害が大きいので、石灰資材による土壌酸性度の矯正(pH6.5〜7)や、排水対策を耕種的防除として必ず行います。また、他科作物との輪作による土壌微生物相の改善、おとり大根栽培による菌密度抑制も効果が高く、長期的な観点から、継続して行っていきたいものです。