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キャベツ

来暦
結球性のキャベツは、1世紀に入って南ヨーロッパ成立し、現在のキャベツはこれよりも北方に伝わって品種分化した。12世紀にはすでにヨーロッパ諸国に知られており、16世紀以降イギリス、フランス北部、デンマーク、オランダ等で品種の第1次分化が見られた。さらに、アメリカに伝わって多彩な品種分化をとげた。
日本への導入
結球性のキャベツの導入は、安政年間、外国人居留地においてであった。その後明治初年に品種導入、配布されたが普及せず、明治末期〜大正初め頃から一般の消費として普及した。
キャベツは本来、冷涼性の野菜で、ヨーロッパ、アメリカでは春まきが主体であるが、日本では春夏季は高温多湿で、栽培が困難なため秋まき・春〜初夏どりが栽培の主体となり、現在の周年栽培の体系ができた。
キャベツはまさに薬よりクスリ!
キャベツはギリシャ、ローマ時代から薬用や保健食として利用されるほど薬効に富んだ野菜です。キャベツに含まれる栄養成分は、ビタミンA・B1・B2・C・E・K・U・ナイアシン。ミネラルとしてカルシウム・リン・鉄・カリウム・マグネシウムその他、各種アミノ酸・クエン酸・リンゴ酸・コハク酸・葉緑素・食物繊維等を含みます。
また、ビタミンUは潰傷を治す働きの他、胃壁の粘膜を丈夫にしたり、胃壁が荒れたり、ただれた時にそれを治す働きがあります。その他、クロロフィル(葉緑素)は貧血を予防し、繊維分は便秘の予防に効果があります。
このようにキャベツは生命力を高め、自然治癒力を促して、老化とともに現れる各種の成人病を予防し、胃、十二指腸潰傷、肝臓病、心臓病、腎臓病、糖尿病などに効果的なまさに、薬よりクスリの野菜です。
栽培のワンポイント
夏秋まきキャベツのトウ立ちはどうして起こる?
キャベツの苗が一定の大きさになった時に、15℃以下の低温にある一定期間遭うと、花芽ができ結球せずにトウ立ちが起こります。品種によって適期のタネまき時期を守り、適切な大きさの苗で越冬させましょう。
20ml種子粒数は約3,000〜4,000粒です。(注:品種によって差があります)
苗を軟弱にしないポイントは?
光と風を利用します。光と風は苗の硬化のためだけでなく、病害防除にも重要です。
高温期の育苗では、温度が上がりすぎないよう、遮光する必要があります。その場合、特に高温になる時間帯(例えば11〜14時の間)に限って遮光し、できる限り光に当ててやります。
雨よけハウスのサイドやツマ面をサンサンネットなどで被服し、通気を図ります。また、扇風機を用いて、ハウス内に対流を起こすことも効果的です。
外葉形成期に注意する点と実際の肥培管理のポイントは?
外葉形成期(定植〜結球開始期まで)は茎葉の生育が進み、結球開始期以降は外葉の生育は落ち着き、玉の生育が進みます。早生種では、外葉の分化スピードが早く、結球開始期が早期におとずれ、晩生種では結球開始までに長い期間が必要となります。したがって、早生種は外葉形成期の生育が重要で、初期生育がスムーズでないと収量が上がりません。逆に、晩生種の初期生育が旺盛だと、外葉が大きくできすぎて玉とのバランスを崩し、収穫期が遅れたり、大玉になりすぎて玉じまりが不足するなど作柄が不安定になります。
秋(10〜11月)どり
早生品種を栽培するこの作型では、早期活着と初期生育がポイントです。施肥は元肥主力で、追肥も活着後早めに施し、結球開始期までに株を十分に作ることが基本です。
年内〜冬どり
初期生育を進めすぎると、作柄が不安定となります。収穫期まで途切れさせず、肥効をムラなく持続することが上作のポイントです。全量のうち、元肥に半量を施し、追肥には残りのできない栽培方法では、元肥の緩効性肥料の割合を増やして対応します。収穫期に近づいてからの肥料切れは、アントシアンの着色や耐寒性の低下を招き、品質を落としてしまいます。
春どり
厳寒期の生育はほとんど進まず、春の気温上昇とともに一気に生育を進めるこの作型は、早生種に近い考え方で管理します。年内に根張りを十分に確保し、春先のスタートダッシュに備えます。2月以降の気温上昇とともに肥効が高まるよう、速効性肥料を追肥し、結球態勢に入るまでに株を大きく作ることがこの作型のポイントです。