栽培の手引き／植物総合管理＞作物別環境保全型農業栽培の手引き＞キャベツ

	【資料提供：平成16年3月、神奈川県環境農政部農業振興課】
1．	栽培品種
	品種名 特性一覧 備考 早晩性 球重 球形 肉質 耐寒性 耐暑性 萎黄病 しずはま1号 早 1.5 扁円球 中 - 強 ○ いろどり 早 1.5 扁円球 中 中 やや強 ○ YR春系305 早 1.5 扁円球 柔 強 強 ○ YR若大将 早 1.5 扁円球 中 強 ○
2．	栽培暦と施肥、病害虫防除時期（夏まき冬どり、栽培様式 56cmｘ33cm、5400株／10a）
	凡例 ◎：重点防除（省略できない）、○：通常防除（通常は実施。発生状況により省略可能）、 △：必要に応じて防除、←→：発生時期
3．	施肥の環境保全型農業への移行例（化学肥料39％減）　N 17.8→10.8kg
	施肥期 慣行施肥 資材名 施用量 （kg） 成分量（kg） 環境保全型 代替資材名 施用量 （kg） 成分量（kg） 備考 N P2O5 K2O CaO MgO N P2O5 K2O CaO MgO 育苗床 燐加安44号 2 0.28 0.34 0.26 乾燥鶏ふん 15 0.32 0.23 0.33 1.17 0.18 元肥 （植付の10〜7日前） 牛ふん堆肥 1,500 3.3 13.1 19.7 31.5 9.8 牛ふん堆肥 1,500 3.3 13.1 19.7 31.5 9.8 堆肥は完熟したものを使用する。 元肥は定植の1週間以上前に施肥し耕耘する。 燐加安44号 50 7.0 8.5 6.5 乾燥鶏ふん 100 2.1 1.5 2.2 7.8 1.2 ハイマグB重焼燐 20 7.0 2.8 2.0 なたね油粕 100 3.9 2.2 1.3 0.9 0.9 顆粒タイニー 100 34.0 17.0 ハイマグB重焼燐 20 7.0 2.8 2.0 顆粒タイニー 70 22.4 11.9 小計 10.3 28.6 26.2 68.3 28.8 9.3 23.8 23.2 65.4 25.8 追肥 NK化成2号 30 5.4 5.4 NK化成2号 30 5.4 5.4 30 5.4 5.4 30 5.4 5.4 合計 21.1 28.6 37.0 68.3 28.8 20.1 23.8 34.0 65.4 25.8
4．	防除の環境保全型農業への移行例（農薬62％減）　21→8成分・回
	時期 主な対象病害虫 慣行防除の 使用薬剤と濃度 環境保全型代替技術 備考 苗床 は種1ヶ月前 6月上〜中旬 根杤ち病 苗立枯病 購入種子（種子消毒済み） カスタード微粒剤 20〜30g/10a 処理後に散水し、被覆する。7〜14日処理後、2〜3回耕耘してガス抜きを行う。 購入種子（種子消毒済み） 太陽熱消毒 施肥後育苗床をビニールで20日以上密閉被覆し、播種直前にビニールをとり、播種する。 地温の上昇が足りない時は被覆期間を長くする。被覆処理前に散水する。 は種後 7月中〜8月中旬 べと病 ジマンダイセン水和剤 400〜600倍 害虫の発生が多い場合、早期の防除に心がける。 コナガ、ヨトウムシ ネキリトン 1〜3kg/10a 寒冷紗のトンネル被覆を行う。 ハイマダラノメイガ ランネート45水和剤 1000〜2000倍 アブラムシ オルトラン水和剤 1000〜2000倍 定植前8月下〜9月上旬 黒腐病、べと病 ジマンダイセン水和剤 400〜600倍 病害虫の発生に注意し、本畑に持ち込まない。 コナガ、ヨトウムシ、ハイマダラノメイガ、アブラムシ トアロー水和剤CT 1000倍 エルサン乳剤 1000倍
	時期 主な対象病害虫 慣行防除の 使用薬剤と濃度 環境保全型代替技術 備考 本畑 定植前（耕耘時） ネキリムシ フォース粒剤 4kg/10a フォース粒剤 4kg/10a 病害虫発生予察情報に基づき、初期防除を行う。 害虫： 天敵に影響の少ない薬剤の使用を心がけ、在来天敵の活用を図る（BT剤、脱皮阻害剤）。 病気： 降雨の多い年には特に注意し、圃場の排水対策に心がけ、発生前の予防に心がける。こまめに土寄せを行うことで雑草を防除し、通気を良くする。 雑草対策 トレファノサイド粒剤2.5 4〜6kg/10a 定植後 コナガ、アオムシ、アブラムシ アファーム乳剤 1000〜2000倍 モスピラン水溶剤 1000〜2000倍 オンコル粒剤 1〜2g/株 9月中旬 コナガ、アオムシ、オオタバコガ コテツフロアブル 2000倍 ラービンフロアブル 750〜1000倍 エスマルクDF 1000〜2000培 黒腐病 Zボルドー水和剤 500倍 Zボルドー水和剤 500倍 9月下旬 コナガ、アオムシ、オオタバコガ マッチ乳剤 2000〜3000倍 バシレックス水和剤 500倍 ガードジェット水和剤 1000倍 黒腐病 カスミンボルドー水和剤 1000倍 10月上旬 コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、オオタバコガ アファーム乳剤 1000〜2000倍 スピノエース顆粒水和剤 2500〜5000倍 アファーム乳剤 1000〜2000倍 黒腐病 カセット水和剤 1000倍 Zボルドー水和剤 500倍 10月中〜下旬 コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、オオタバコガ ゼンターリ顆粒水和剤 1000〜2000倍 ディプテレックス 800〜1000倍 ゼンターリ顆粒水和剤 1000〜2000倍 菌核病 ロブラール水和剤 1000倍 省略できる
5．	雑草対策
	作業内容 効果 作業内容 備考 中耕・土寄せ ○ 定植後2〜3回実施 日常的に雑草の防除に心がける。 除草剤 ◎ ゴーゴーサン粒剤、トレファノサイド粒剤2.5 耕耘・鍬込み △ 前作の収穫後にプラウ耕による鍬込み 凡例 ◎：効果が高い、○：比較的効果が高い、△：効果あるが不十分、Ｘ：効果なし
6．	経営的評価（10a当たりの物財費と投下労働時間の比較
	項目 慣行技術 改善議技術 備考 資材名 数量 金額（円） 資材名 数量 金額（円） 肥料費 牛ふん堆肥 1,5t 14,400 牛ふん堆肥 1.5t 14,400 燐加安44号 52kg 4,212 乾燥鶏ふん 115kg 2,990 ハイマグB重焼燐 20kg 1,920 なたね油粕 100kg 4,250 顆粒タイニー 100kg 2,500 ハイマグB重焼燐 20kg 1,920 顆粒タイニー 70kg 1,750 NK化成2号 60kg 3,960 NK化成2号 60kg 3,960 小計 26,992 小計 29,270 農薬費 カスタード微粒剤 20kg 27,040 ジマンダイセン水和剤 60g 90 ネキリトン 500g 205 フォース粒剤 4kg 3,293 ランネート45水和剤 15g 216 オンコル粒剤 6kg 7,720 オルトラン水和剤 15g 110 カルホス微粒剤 6kg 2,700 トアロー水和剤 30g 269 エスマルクDF 100g 1,182 エルサン乳剤 15g 44 Zボルドー 600g 984 フォース粒剤 4kg 3,293 ガードジェット水和剤 100g 1,420 トレファノサイド粒剤2.5 6kg 3,120 アファーム乳剤 200ml 4,408 アファーム乳剤 300ml 6,612 ゼンターリ顆粒水和剤 200ml 2,796 モスピラン水溶剤 100g 1,684 展着剤 470ml 310 コテツフロアブル 50ml 1,108 ラービンフロアブル 130ml 666 Zボルドー 200g 328 マッチ乳剤 50ml 554 バシレックス水和剤 200g 1,920 カスミンボルドー水和剤 100g 406 スピノエース顆粒水和剤 80g 4,440 カセット水和剤 200g 1,308 ゼンターリ顆粒水和剤 200g 2,796 ディプテレックス乳剤 250ml 485 ロブラール水和剤 200g 2,220 展着剤 740ml 488 資材 寒冷紗＃300 50m 2,320 5回使用 トンネル支柱 50本 1,430 5回使用 小計 59,312円 小計 25,953円 労働時間 作業名 回数 投下労働時間 作業名 回数 投下労働時間 堆肥・元肥散布 1回 5時間 堆肥・元肥散布 1回 8時間 土寄せ 2回 3 寒冷紗設置・除去 1回 1 薬剤散布 18回 16 土寄せ 4回 6 除草剤散布 1回 1 薬剤散布 10回 8 小計 25時間 小計 23時間 物財費合計(全経営) 127,930円 物財費合計(全経営) 97,549円 投下労働時間合計(全経営) 115時間 投下労働時間合計(全経営) 113時間
7．	栽培のポイント
	病害虫防除関係 病害虫は、発生に注意し、早期防除に心がける。 苗床の太陽熱消毒では、ビニール被覆前に施肥をしておく、消毒後は、周囲及び深層土との混和を避ける。 土壌肥料関係 堆肥は、完熟したものを使用する。 元肥は、有機質肥料を主体とする。