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ほうれんそう

ほうれんそうの栽培要点と作型による品種の選択
発芽適温 15〜20℃
低温では4℃以上で発芽するが、高温25℃以上では極端に発芽は低下する。
生育適温 15〜20℃
低温には強く、0℃でも生育する。-10℃では生育は停止するが、薬害を受けることは少ない。高温では25℃以上になると生育不良になる。
花芽分化 発芽後15〜30日で花芽分化すると言われている。
(日長の長短の影響は少ない)
抽苔 抽苔温度は、長日条件下では15〜21℃が最も早く、短日条件下では5〜10℃程度で抽苔の誘起を促し、東洋種では12〜13時間、西洋種では14〜16時間で起こるとみられている。東洋x西洋では品種によって異なる。また、光の強さ0.7〜10ルックスの弱光線でも長時間照明されると抽苔するので、街灯のような終夜照らされている畑での栽培は注意する必要がある。
春まき栽培 1〜2月まき。トンネル+マルチ、マルチ露地栽培と続くが、生育が進むにつれて気温が上昇し、日照時間も長くなるので当然のことながら晩抽性品種で、しかも生育もそこそこ早い品種が望まれる。特にネーキッド種子は低温での発芽が早く、しかも一斉発芽するのでよい。
ワーグナー、エムディ、サンダー
夏まき栽培 栽培期間中最も気温が高く、日照も長いため抽苔しやすく、病害の発生も多く、最も作りにくい時期であるので土壌消毒、雨除け栽培の必要がある。また、プラグやペーパポット育苗した物を移植すると、土壌病害を軽減できる。
5月まき・・・ミレイ、フォルテ、ジーワン
6月まき・・・ミレイ
7月まき・・・フォルテ、ジーワン、ミレイ
8月まき・・・フォルテ、ジーワン、ワーグナー、エムディ、あきばれ
秋まき栽培 ほうれんそうの生育に最も適した時期の栽培で、播種期の巾も広い。しかし、低温に向かっての栽培のため生育日数が長くなる。
9月まき(年内収穫)・・・エムディ、ジーワン、ネーキッド次郎丸
9月下旬〜10月上旬まき(年内収穫)・・・あきばれ、ワーグナー、エムディ
10月中旬以降まき(越年どり)・・・あきばれ、ワーグナー、エムディ
ネーキッド種子とUPSEED種子の使い分け
ネーキッド種子は、発芽で問題となるほうれんそうの外皮を取り除いていますので、一斉発芽を求められる水耕栽培やプラグ苗・ペーパーポットを利用する、移植栽培および地温の低い晩秋〜早春にかけて保温資材を利用して栽培する場合は、発芽が均一でよくそろいますので作業の効率が上がります。
UPSEED種子は、ほうれんそうの外皮の一部に発芽促進のために割れ目を入れ、病害予防用のフィルムコートをしたプライミング処理種子ですので発芽が早く、均一でよくそろいます。シーダーテープ、各種播種機の利用により効果的になり、間引きの手間が省略できます。また、高温期の発芽も安定してますので春〜夏まきの雨除け栽培、移植栽培に適します。
播種量はネーキッド種子が1g/10e、UPSEED種子が3g/10eを標準とします。
新しくほうれんそうのアパッチコートを作っておりますが、まだ一般の販売はしておりません。使用御希望の場合は御連絡下さい。使用方法は、UPSEEDと同じ使い方ができます。
栽培のワンポイント
ほうれんそうに適する圃場とは?
ほうれんそうは直根性で根が深く伸びるため、耕土が深く、膨軟な土壌を好みます。そのため、畑の準備の際はよく深耕することが大切です。また、ほかの軟弱野菜と比較して、土壌水分に敏感に反応するため、圃場の水分管理がポイントになります。具体的には排水性のよい圃場では鎮圧で保水力を高めてやり、地下水位の高い圃場では心土破砕や高畝などの排水対策が必要です。
施肥管理
施肥量はチッソ・リン酸・カリそれぞれ10a当たり15〜20kgが目安ですが、計画的に完熟堆肥を施用し、地力チッソを蓄えることが大切です。その効果としては、
@ほうれんそうは硝酸態チッソを優先的に吸収するが、地力チッソと併用することで肥効が緩やかになり、株ががっちり仕上がる。
A生育後半の肥切れによる葉色の低下を防ぐ。

などが挙げられます。
ただし、堆肥の過剰施用は塩類障害の原因になりますので注意が必要です。
夏場の上手な作り方は?
まず発芽を揃えることが第一です。ほうれんそうは25℃以上で発芽率が低下するため、地温が30℃を超える夏場は注意が必要です。播種は地温が下がる夕方に行い、予め催芽処理しておくことをおすすめします。また、夏場は立枯病が増えるため、播種は薄めに行い、発芽後の過温に注意してください。