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なす

来暦
なすは、字のごとく中国から日本に渡来したものですが、原産地はインド東部と思われます。ここからビルマ等を経て中国に入り、今から1500年前には中国でかなり広く栽培されていました。
日本には、天平勝宝2年(750年)の正倉院文書に茄子の言葉が出てきますので、このころ伝わったものと思われます。茄子と書いて「なす」と呼ぶのは「為す」、すなわち「よくなる」という意味があるようです。
なすは人に例えれば
"目立たないが、誰からも好かれ、頼りになる人"
なすの栄養分は他に比べて特に優れているというものはありません。味、香りもそうですが、このことがかえってどんな料理にも使えるというメリットがあります。「焼いて良し、煮て良し、漬けて良し」中華料理、西洋料理、日本料理すべてに使われています。
なすに含まれているカリウムは、ぬか漬けにすると成分が倍の400mg/100gにもなります。カリウムは塩分(ナトリウム)を調整して血圧を下げる効果があります。しかし、漬物は塩分も多くなるので食べすぎに注意して下さい。
なすの基礎知識
(1)発芽温度
発芽適温―25〜30℃、変温処理―30℃、16時間
20℃8時間にすると発芽がよくなる。
播種前、ジベレリン100PPM液に12時間浸漬後、変温処理するとさらに発芽がよくなる。
(2)開花結実の条件
日中の温度が20℃以上〜30℃以下の日が続くと正常開花する。
35℃以上になると結実障害が起こる。
乾燥日照不足、養水分不足・過多は、短花柱花(柱頭が雌しべの中にかくれる)
となり、着果不良や落花が多くなる。
(3)播種
播種量 :穂木40ml/10e
:台木40ml(トルバム10〜20ml)
播種時期 :温度の高い時:台木・穂木同時播種
:温度低い時:台木播種より7〜10日後、穂木播種
(4)茄子果実の障害と原因
石なす :開花前後の低温や高温
ボケ(つやなし) :水分のバランスがくずれた時
舌出しなす :生育初期の低温、栄養不足
栽培のワンポイント
水切れに注意
2番果が肥大を始めることから追肥を始め、生育状態を見て少量づつ、何回にも分けて与えるようにし、コンスタントに肥料を効かせます。
また、畝の水分を安定させるために敷きわら・水やりをします。
昔から「なすは水でつくる」というように、乾燥させるとなすの色艶が悪くなります。畝の水分安定に努め、追肥は液肥を潅水代わりに与えるようにすると、良品質のなすが収穫できます。
20mlの種子粒数は約2,000〜2,400粒です。(注:品種によって差があります)
枝の整枝の誘引(例)
主枝の8〜9筋目に1番果がつきます。その下から出る強い枝3本を残し、ほかの枝は取り、主枝とともに4本伸ばします。本支柱を立て、枝を2本ずつ左右に振り分け、誘引します。