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ねぎ

料理の味を引き立て彩りをそえる
ねぎはもともと冬の野菜で、寒さにあたると風味を増します。原産地の中国では「体を温め、疲労を回復する薬用植物」とされてきました。ねぎ特有のにおいのもとである酸化アリル類には、ビタミンB1の吸収を助ける役目をするものもあります。また、肉や魚のくさみもとってくれます。冬は鍋、夏は麺類の薬味などに用いられ、食欲増進や料理に彩りをそえる役目もします。
ねぎは白ねぎ、青ねぎに大きく分かれます。東日本では白く長い白ねぎ(根深ねぎ)が、西日本では緑の葉の青ねぎ(葉ねぎ)が好まれてきました。最近は、東日本で青ねぎの仲間の小ねぎの消費も増え、西日本で白ねぎの消費も増えて、東日本、西日本の好みの差も次第になりなりつつあります。
白ねぎ 秋・冬(10〜3月) 主な産地:千葉、埼玉、群馬
千葉県におけるねぎの収穫の様子。東日本を中心として白ねぎ(根深ねぎ)が広く栽培されています。千葉県は収穫量全国1位のねぎの生産県です。
白ねぎ 夏(7〜9月) 主な産地:茨城、北海道、千葉
茨城県南西部の農業地帯ではねぎの栽培が盛んで、夏ねぎもたくさん出荷されます。
青ねぎ(葉ねぎ) 周年 主な産地:大阪、徳島、高知
ねぎは水はけのよい土を好みます。徳島市の吉野川の川口近くでは、川砂を使って水はけのよい畑をつくり、そこで青ねぎ(葉ねぎ)を栽培しています。鮮度のよいものを出荷するため、早朝に収穫しています。
東京市場月別入荷量と産地(1997年)
チェーンポットで根付け
ねぎ苗を手で1本ずつ植える作業はたくさんの手間と時間がかかります。いまでは作業の軽減のため機械を使って植える方法が普及しています。チェーンポットを利用する方法もその一つです。長い紙テープを使って作られたたくさんの仕切りの中に種をまき、育てた苗を簡単な機械を使って畑に植える方法で、テープがチェーンのように伸びて等間隔に苗が植わっていきます。

Aタネをまく

B育った苗
@テープで仕切
りをしたところに
土を入れる
C育てた苗を移
植機にセットする
D後ろにさがりながら植え付ける
白ねぎは土寄せする
白いところが長い白ねぎ(根深ねぎともいう)は、土寄せして、太陽の光をさえぎり葉緑素ができないようにして成長させたものです。ねぎを溝の中に植え、伸びるにしたがって溝を土で生めていき、溝よりもねぎが高くなると、今度は土を盛り上げて寄せていきます。こうして白くやわらかいねぎになるのです。
白ねぎ、青ねぎ(葉ねぎ)、小ねぎは、作り方もちがう
青ねぎ(葉ねぎ)はそのまま葉を伸ばす
葉の緑の部分が多いものは青ねぎ(葉ねぎ)と呼ばれ、葉肉がやわらかく、白ねぎのような土寄せはしません。
小ねぎは若いうちに収穫
青ねぎ(葉ねぎ)の中で若くて細くやわらかいうちに出荷されるものを小ねぎと呼びます。土栽培と水耕栽培があります。 小ねぎの
水耕栽培
小ねぎの出荷
小ねぎは出荷の途上でも上に向かって伸びていきます。横にしたままだと小ねぎは曲がって伸びてしまうので、立てて出荷しています。
ねぎの上手な利用法
選び方
表面がなめらかでみずみずしく、よくしまっているものを選びます。
白ねぎは、緑の葉の部分と、白い部分との境がはっきりしていて、緑の部分は濃く、白い部分が鮮やかなものを選びます。
青ねぎ(葉ねぎ)は、葉の先まで鮮やかな緑色でしゃんとしているものを選びます。
保存法
残ったねぎはポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存します(青ねぎは早く食べるようにします)。
冬に束になった泥つきねぎを買ったら土に活けます。土がなければ、新聞紙にくるんで葉先だけ出して空気を取り入れられるようにし、くずがこのような入れ物に立てておきます。
栽培のワンポイント
雨よけハウスの小ねぎ栽培での連作障害対策は?
ねぎは比較的連作可能な作物ですが、近年過度の連作により、収量性の低下や病気の多発など品質悪化が目立ってきました。そのため土壌診断の実施、適切な肥料設計が不可欠です。
除塩とpH調整
ハウス栽培ではEC値(電気伝導率)が上がりやすく、連作により作りにくくなります。年に一度は屋根ビニールを降ろして雨にさらすと除塩効果も高く、長く健全な栽培を続けることが可能です。
土質の改善
完熟堆肥の計画適施用や深耕ロータリー、客土などが土質改善に有効です。またソルゴーなどの緑肥作物の栽培は、物理性の改善や除塩対策に効果的です。ねぎ類は強酸性土壌では著しく生育が悪くなるため、石灰を投入するなどし、pH値を6.5程度に矯正します。
病害防除
太陽熱消毒などが環境にやさしく有効的です。ただすべての菌を殺すのではなく、今後は善玉菌・悪玉菌といかに共存していくかが重要です。