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さといも

縄文から続く伝統野菜の代表格
インド東部からインドシナ半島にかけての熱帯・亜熱帯が原産とされ、生育には多日照で高温多湿が適しています。
日本では稲よりも前から栽培されていて、山に生えている「やまいも」に対し、里で作られるので「さといも」と呼ばれました。
品種は、子いもを食べるもの、親いもを食べるもの、子も親も食べるものの3つに大別されます。
広く栽培されている石川早生(わせ)や土垂(どだれ)は、子いもを食べます。たけのこいもは主に親いもを食べ、八つ頭(やつかしら)は子いも・親いもの両方を食べます。
でんぷんが主成分で、カリウムや腸の調子を整える植物繊維も豊富に含まれます。

関東 主な産地:千葉、埼玉、栃木
千葉県では収穫量全国1位です。産地の八街市では、8、9月に促成ものの石川早生を掘り取り、棒で茎のつけねをたたいて、いもをはずして出荷しています。10、11月には主力の土垂の収穫となります。
埼玉県では主に土垂という中玉の品種が栽培されています。10〜12月に収穫して写真のように土中に貯蔵します。これを1月から順次掘り出して出荷することになります。
九州 主な産地:宮崎、鹿児島
冬でも温暖な宮崎県では、1、2月に石川早生を植え付けし、トンネルで初期の生育を促進します。暖かくなってトンネルを外し、葉が背丈より高くなる6、7月に収穫します。
東京市場月別入荷量と産地(1998年)

さといものいろいろ
子いもを食べる品種
石川早生
小ぶりな品種で粘りがあり、煮物だけでなく、「きぬかつぎ」にもします。
土垂(どだれ)
中玉の品種で、粘りがあって煮物によく用いられます。
親いもと子いもを食べる品種
八つ頭(やつかしら)
大型の品種で、煮物やおせち料理に用いられます。
唐芋(とうのいも)
土寄せを繰り返して、土の重さで唐芋をえびの形に曲げたものを「えびいも」と呼び、京料理では棒鱈(ぼうだら)と炊き合わせた「いも棒」にも使います。
セレベス
インドネシアのセレベス(スラウェシ)島からきたもので、大吉(だいきち)とも呼ばれています。ほくほくしていて煮物に向きます。
親いもを食べる品種
たけのこいも
京いもとも呼ばれ、ほっこりして煮物に使われます。
種いも
・・・充実したいもを選んで種いもにします。これを畑に植え付けます。
土の中のさといもを見ると・・・
芽を出し葉を広げる
いもが貯えた養分を使って土から芽を出し葉を広げます。
土を寄せえ子いもを大きくする
根もとに土を寄せて養分を吸収しやすくしたり、茎が倒れにくくします。また、土を耕すことで新しい根を育て、子いもを大きくするのです。
土寄席せ
子いもができてきた
種いもは小さくしぼみ、親いものまわりに子いもができてきています。
子いも・孫いもが大きくなった
子いも・孫いもがたくさんついてきました。これを収穫します。
中央の大きなものが親いもです。そのまわりに子いもができ、さらに子いものまわりに孫いもができてきています。
子いもと孫いもが合わせて29個も収穫できました。
さといもの上手な利用法
選び方
日もちがよいのは泥つきのもの。料理にあわせて、粘りのあるタイプ、ほくほくするタイプなど、品種を選びましょう。
保存法
泥つきのものなら、新聞紙に包んで湿り気を保ち、常温に置きます。皮をむいて売っているものはすぐに食べましょう。
使い方
手に塩をつけておけば、皮むきで手がかゆくなりません。ぬめりを取るには、塩を少量入れて下ゆでします。