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すいか

太陽の光と高温が甘さのもと
甘くてさっぱりした後味のよいおいしさが魅力で、利尿作用もあり、じん臓によいといわれます。すいかは高温を好む植物で、野菜の中で最も強い太陽光を必要とします。
大量にお店に出回る露地ものは6月、7月の2ヶ月の気象条件でその年の作柄が決まります。降水量が400ミリ以下で日照時間が300時間以上なら豊作です。日照の豊富な南日本では、冬でも施設でつくられています。
すいかの産地は北海道から、九州・沖縄まで全国にわたり、リレーで出荷されています。
夏ならでは味覚が他の季節にも広がってきています。
すいかの品種には、早生で甘みの強い小玉すいかもあります。
すいかの上手な利用法
選び方
切ったすいかを買うときは、切り口がすっとなめらかなものを選びます。種が周囲に広がってきているものはよく成長しているので甘いのです。
保存法
すいかを収穫してから日数がたつにしたがって、肉質が劣化し、しっかりした歯ざわりが消えていきます。買ってきたら冷蔵庫に入れ、冷えたらすぐに食べるのが一番おいしい食べ方です。とくに切ったものを買ってきたら、味が落ちるのが早いので、なるべく早く食べましょう。
それでももう少し冷蔵庫に入れておこうというなら、10℃くらいで保存します。5℃以下で冷蔵を続けたり、冷凍にしたりすると、味も悪くなり、いやなにおいがするようになります。
栽培のワンポイント
収穫適期の判定は、着果節の巻ひげの枯れ込みなどを参考に行いますが、試しに1個玉を割って中身を確認するのが確実です。
およその目安として、「夏武輝」では5月開花で交配後約48日、6月開花で約43日、7月開花で約40日くらいです。
「紅まるこ」はこれより5〜7日早く成熟します。
20mlの種子粒数は約160〜200粒です。(注:品種によって差があります)
すいかの仕立て方(例)
本葉5枚のころに親づるを摘芯して子づるを4〜5本伸ばし、大玉では1株2果、小玉では1株5玉収穫を目指しましょう。
すいか栽培のいろいろ
病気に強い苗を接ぎ木で育てる
すいかの接ぎ木作業をしています。苗の90%以上が接ぎ木をしたものです。病気に強いゆうがお(かんぴょう)を台木に使うことで丈夫な苗が育っていきます。
接ぎ木された苗。下の双葉がゆうがお、上の双葉がすいか。
玉直し(玉回し)
果実の大きさが6〜7センチくらいになったら、敷きものの上に正座をさせて、変形のない丸いすいかに育てます。収穫が近づいてくると、地面に接した黄色い部分にも光が当たるように玉を回して、全体がむらなく緑色になるようにします。
ミツバチによる授粉
すいかの花は、雌花と雄花に分かれています。着果し肥大させるには、雌花への花粉の交配が必要です。雄花をとって花びらを取り除き、雌花の柱頭に花粉をつける作業をすることになります。かつては手作業だったものが、いまではミツバチを放して授粉をしているところが増えています。蜜のほかに花粉を集めるミツバチの習性を利用して、雄花の花粉を雌花の柱頭に運んでもらいます。
雌花 雄花
吊るして栽培
果実を吊るして栽培する方法もあります。株を立ち上げることで、果実が葉の陰になる部分が少なくなり、全体によく太陽光が当たるようになります。腰をかがめて玉直し(玉回し)をする作業もなくなります。
甘みが強い小玉すいか
小玉すいかは、甘みが強く、重さは1.5〜2キロと小型なので、切らずにそのまま冷蔵庫に入れることもできます。また、家族の人数が少なくなったことや買い物で重い荷物にならないことなどで人気が出ています。
おもな産地は茨城県や群馬県、千葉県です。出荷が多いのは、5月から7月。出荷のピークは6月で、真夏の大玉すいかが盛んに出回る時期より少し前になります。
光センサーで糖度を測る
すいかはポンとたたいた音で甘さが判断できるといわれますが、そう簡単なことではありません。いま、産地では光センサーを利用して、すいかを割らずに糖度を測る装置の導入が進んでいます。糖分が近赤外線を吸収することを利用したものです。甘くておいしいすいかを当たりはずれなく消費者のもとに届けるシステムが作られつつあります。