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トマトのIPM防除プログラム

病害の防除


  1. 灰色かび病の防除
  2. 疫病の防除
  3. 葉かび病の防除
  4. トマト葉かび病防除剤一覧

  1. 灰色かび病の防除
    1. 輪番使用による防除
      作用性の異なる薬剤を組合わせて、輪番で使用して下さい。
      セイビアーフロアブル20
      ポリオキシンAL水溶剤
      ベンレート水和剤
      スミレックス水和剤又はロブラール水和剤
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    2. 生物及び化学農薬の花房処理による防除とその効果−化学農薬の使用量を減らす。
      トマト栽培において灰色かび病は難防除病害の一つであり、その防除には大量の化学農薬が使用されている現状があります。最近、この灰色かび病防除用の生物農薬(ボトキラー水和材)が登録され、注目されています。また、灰色かび病の発生生態から花房への農薬散布による防除が有効であると考えられます。そこで、減化学農薬を目的として生物農薬と現在灰色かび病に効果の高い化学農薬の花房散布による防除効果を検討しています。
      • 花房処理の効果
        灰色かび病菌はまず、トマトの花に足場を築いて、果実への侵入をうかがいます。その後、枯れた花の上で増殖して果実を犯します。
        花房に生物農薬を散布することで、バチルス属細菌を花の上に定着させます。あるいは、化学農薬の花房散布で表面を覆ってしまうことで灰色かび病菌の果実への侵入の足場を築けなくさせることで果実の発病を防ぐことが出来ます。
        表に各種農薬を花房散布した場合と通常の散布(全体散布)をした場合の防除価を示しました。
        花房散布した場合は、農薬量が通常散布の1/20以下で済みます。
        生物農薬及び化学農薬の花房散布によるトマト灰色かび病の防除効果
        薬剤名 全体散布 花房散布
        通常の散布 花への散布 果実への散布
        生物農薬 ボトキラー水和剤 48 65 10
        化学農薬 ロブラール水和剤 71 64 0
        ユーパレン水和剤 90 91 63
        ベルクート水和剤 88 97 48
        フルピカフロアブル 70 90 44
        カリグリーン 72 63 1
        数値は防除価: 無処理の場合の発病をもとにどのくらい防除できたかを示す。
        0は無処理と同様の発病があったことを示し、100は発病が認められないことを示す。
        注意: 花房散布は花・がくに十分量がかかるように行う。
  2. 疫病の防除
    病害の発生が見られたら、早めに次の薬剤を散布して下さい。
    リドミルMZ水和剤、Zボルドー、オードサイド水和剤80、ダコニール1000
  3. 葉かび病の防除
    病害の発生が見られたら、早めに次の薬剤を散布して下さい。
    トリフミン水和剤、ダコニール1000
  4. トマト葉かび病防除剤一覧