【臭化メチル出荷量の推移】
表1:臭化メチルの用途別国内向け出荷数量 |
用途 |
1991
基準年 |
1998 |
1999 |
2000 |
2001 |
土壌用 |
6,269 |
5,336 |
4,391 |
3,884 |
3,016 |
検疫用 |
2,848 |
1,679 |
1,876 |
1,591 |
1,480 |
その他 |
219 |
269 |
517 |
589 |
613 |
合計 |
9,336 |
7,284 |
6,784 |
6,064 |
5,109 |
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注1: |
生産資材課調べ |
注2: |
年は暦年 |
注3: |
「その他」には工業用原料、文化財等のくん蒸用等を含む |
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臭化メチル剤は、線虫、害虫、ウイルスなど多種類の病害虫及び雑草に対して安定した効果を発揮する優れた薬剤であるが、1992年のモントリオール議定書締約国会合においてオゾン層破壊物質に指定され、検疫用途などを除き、1991年の生産量を基準値として2001年に50%の削減、2003年には70%の削減が行われるとともに、2005年に全廃することが決定された。
臭化メチルの削減の情報は表1のとおりで、土壌用の臭化メチル出荷量は2001年には3016トンになっている。2003年には70%の削減を迎えるので、さらに減少し、1800トン程度になることが予想される。また、景気の低迷などにより木材の輸入量が減少しており、検疫用の臭化メチルの出荷量も減少傾向にある。
PMMV及びCGMVなどの土壌伝染性ウイルス病については、引き続き代替技術の確立を強力に推進する必要がある。
【代替薬剤の出荷量・技術とコスト】
土壌処理に使用される主な土壌処理剤の出荷量の推移は下図のとおりである。
臭化メチルが削減スケジュールに従って、段階的に減少しているのに対し、他の代替薬剤はD-D剤を除いてほぼ横這い傾向で安定している。
代替薬剤はクロルピクリンが主流であるが、ホスチアゼート剤やダゾメット剤など、処理時に刺激臭がなく、作業しやすいものが歓迎されている傾向もあるようだ。
また、臭化メチルが主に使われてきた作物・対象病害虫に対する各代替薬剤・技術、及びそれらの臭化メチルに対するコスト比は表2のとおりである。
臭化メチルの代替薬剤・技術はこの表に挙げたもの以外にもあり、それぞれ代替薬剤・技術への転換が着実に進んでいる。コストについては、地域によって変動する可能性も含めると、代替技術は臭化メチルと同等程度のコストと考えられる。 |