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臭化メチルの例外的使用

平成16年3月30日 「日本農業新聞」
締約国会合で、05年1次申請を承認
カナダで3月24日から26日の三日間開かれていたオゾン層保護のためのモントリオール議定書特別締約国会合で、日本が申請していた臭化メチルの例外的使用の一次申請分、284トンの使用が認められた(表参照)。
2005年に全廃が決まっている臭化メチルだが、申請分に限って使用できるようになった。
認められたのは、臭化メチルに代わる薬剤や防除法がない病害虫に限った「不可欠用途」だけ。
日本では、15県がメロンやスイカなどの病害虫に対して2005年分を申請していた。
会合では、昨年11月に開かれた定例会合で、各国からの「不可欠用途」申請量が承認されず、先送りされていた。
これは、米国など一部の先進国が、生産・消費量の拡大を求めていたため。
今回も米国の「不可欠用途」申請量が焦点となっていた。削減努力を求めた欧州と米国が議論を交わしたが、今後、削減に努力するとした米国の主張が通った形になった。
最終的に米国の承認量は、削減の基準年になる1991年消費量に対し、35%の8942トンが認められた。
日本は「不可欠用途」として、05年分二次申請と、06年分一次申請もしている。これは、11月に開く会合で、承認するかどうか話し合われる。
今回の決定を踏まえ、農薬メーカーは、今年12月で失効する臭化メチルの登録を承認された内容で新たに登録する必要がある。
表:日本の臭化メチル2005年不可欠用途一次申請分
申請県 対象作物 対象病害虫 申請数量(キロ)
秋田、茨城、千葉、新潟、石川、福井、岐阜、愛知、鳥取、島根、愛媛、長崎、熊本、大分、宮崎 メロン メロンえそ斑点病(MNSV) 94,500
すいか スイカ緑斑モザイク病(CGMMV) 74,100
ピーマン ピーマンモザイク病(PMMoV) 71,400
きゅうり キュウリ緑斑モザイク病(KGMMV) 39,400
クリシギゾウムシ 4,600
合計 284,000
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