農業と環境>使用済み農業資材の適正処理

クロルピクリン剤の空き缶処理

クロルピクリンの空き缶を処理することなく搬出すると、思わぬ事故を起こす原因となることがあります。缶の残液、残臭処理をきちんと行って下さい。
  • 缶の中のクロルピクリンはできる限り使い切って下さい。
  • 缶の側壁面にわずかに残った液は下記の手順で処理し、空き缶は完全に臭気を抜いて下さい。
手順
  1. 残液処理
    1. 周囲に影響を及ぼさない場所に小さな窪みを作り、缶の口栓をはずし、窪みの中に収まるよう缶をひっくり返し倒立させます。
    2. 缶が倒れないよう、土寄せをして下さい。この時、缶の中の残液が出やすくなるよう、傾かないように立てて下さい
      (1〜2日で缶の残液はなくなります。)
  2. 残臭処理
    1. そのまま、缶を倒立させておくと、中の臭気は徐々に抜けていきます。
      (ほぼ1ヶ月で、臭気は抜けます。)
    2. 1ヵ月後、缶を再度ひっくり返し上向きにし、臭いを確認します。臭いが残っていればそのまま1週間靜置し、完全に臭いがなくなるのを待ちます。
※短期間で確実に臭気を抜く方法
  1. 口栓を開け、缶の底面に3、4ヶ所、孔を開けます。
  2. 周囲に影響のない場所に、缶を横倒しにし、風通しが良くなるようにします。缶が風で転がらないように、2〜3缶を図のようにロープ等で束ねます。
    (およそ3日で臭いは抜けます。)
  1. 回収
    臭いが完全に抜けたことを確認して、圃場から回収します。
クロルピクリン液剤の正しい取り扱い方
  • シートで必ず被覆して下さい。
    ガス拡散を防ぐための土壌注入後の『水封』は、平成7年度農薬登録事項から削除されました。使用に当たってはシートによる被覆が義務付けられています。
    防除効果を高めます。
    シートをした場合、クロルピクリンガスは地表面付近でも効果を発揮するのに対し、シートがないと地表面付近のガスが抜け、効果不足を起こします。
    環境に対する安全性を高めます。
    無被覆に比べ、被覆した場合、ガス濃度は低くなります。
  • 地温によりくん蒸期間が異なります。
    平均地温 くん蒸期間(うち被覆期間)
    25〜30℃ 約10日(5〜7日間)
    15〜25℃ 10〜15日(7〜10日間)
    10〜15℃ 15〜20日(10〜14日)
    7〜10℃ 20〜30日(14〜20日間)
  • ポリタンクに移した薬液は使い切りましょう。
    缶からポリタンクに移した薬液は缶に戻さないようにして下さい。クロルピクリン液が水分を吸い、その水分が缶を腐食させてしまします。
  • 消毒機は灯油で洗浄しましょう。
    使用した機器をそのまま放置すると腐食が起こります。消毒器の缶に灯油を通し、洗浄を行って下さい。
  • 空き缶の臭気は完全にとります。
    空き缶に臭気が残っていると、空き缶処理の際に事故となる可能性があります。缶の臭気は完全に抜いて下さい。
クロルピクリン工業会