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農水産物にも知的財産権

日経・・・2003/09/24
農産物相次ぐ海賊版、政府も規制強化
農水産物の知的財産権保護に絡む問題として浮上しているのが種などを違法に持ち出して海外などで育てる「海賊版農産物」。種苗会社や農家、自治体など新品種の開発者は、一部の種苗会社や流通業者が種や苗を無断で持ち出し、海外で栽培し輸入販売する事態への対応に追われている。
いちごの「おちおとめ」が韓国から輸入され東京などの市場に流通している。
こうした情報が市場関係者に流れたのは2001年。いちごは果実の中でも数少ない成長市場で、「とちおとめ」は栃木県農業試験場栃木分場(栃木市)が開発した主力品種だ。種苗登録している栃木県の動揺は大きかった。海外産地は安価な人件費など生産コストが低く、安値で流通すれば栃木産の市場シェアや販売価格に影響が出るとみたからだ。
海賊版の横行に対し、政府も規制強化に動いた。7月には罰則を強化した改正種苗法が施行され、種苗だけだった規制を果実など収穫物にも適用するとともに、違反業者への罰金も引上げた。これに先立ち4月には改正関税定率法が施行され、DNA(デオキシリボ核酸)鑑定などで判別し違反品の輸入を差し止めることが可能になった。
農業振興をめざす自治体も対策を取った。いちごの新品種「あまおう」の栽培に力を入れる福岡県は5月同じいちご産地の栃木県や北海道などに呼びかけて「農産物知的財産権保護ネットワーク」を発足させた。違法輸入農産物の情報を収集して共有する。いちご以外にも対象品目を広げることも検討している。
福岡県は4月に農産物知的財産権センターを設け、県単独の農産物の知的財産権保護にも乗り出した。都道府県では初の試みで、農家や農協から寄せられるナシなど果実の商標登録や花卉の品種登録の出願といった相談に応じ、調査して支援する。
種苗法による品種登録件数は2002年度が1119件。その5年前、1997年度と比べると約44%増と大幅に増えた。うち花卉などのバイオ分野が約6割を占め、登録者は種苗会社が多い。改正種苗法の施行などで「権利取得の価値は高まった」(農水省種苗課)とみられ、今後も一層の増加が見込まれる。

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