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農水省方針、FTA交渉推進

農産物関税、コメ除き削減対象に

日経・・・2004/11/12
主な農産物の輸入関税
主な農産物
(カッコ内は関税率)
予想される検討方向
ナシ(4.8%)
リンゴ(17%)
アスパラガス(3%)
バナナ(約10%)
早期に関税撤廃・削減
鳥肉(約10%)
合板(約10%)
マグロ(3.5%)
段階的にに関税削減
コメ(490%)
砂糖(270%)
コンニャク(990%)
当面は関税削減の対象外
(注)関税率は輸出国や数量によって変動することもある
 農水省はアジアとの自由貿易協定(FTA)交渉で、コメなど一部を除く農産物の関税を幅広く撤廃・削減する方針を固めた。農業保護が交渉の障害になっているとの批判に応えるのが狙い。地理的に近いアジアからの安定的な農産物輸入は「食糧安全保障上のメリットがある」との見解も打ち出す。貿易相手国にはナシなど競争力のある農産品の輸出拡大につながる措置も求め、FTA交渉を加速したい考えだ。
 アジアとのFTA締結を重要課題と位置づける小泉純一郎首相が交渉加速へ向けた施策の検討を指示。島村農相は11月11日に6項目からなる方針をまとめて首相に報告、了承を得た。12日の同省FTA本部で正式に決定し、発表する。
 焦点の農産物関税では、農産品ごとに対応を検討してFTA交渉を進める必要があると判断。
 競争力のあるリンゴやナシなどの果物、アスパラガスなどの野菜については早期の撤廃、引き下げを進める見通し。平均的な関税率が10%前後とされる鳥肉、品質によって大幅に関税率が変動する豚肉などは5〜10年など一定の期間をかけ税率をさげる方向。輸入数量制限がある水産物は上限引き下げを検討する。
 輸入障壁として他国などから批判が強いコンニャク(関税率990%)、コメ(関税率490%)、砂糖(270%)など高関税品目については当面は例外扱いが原則。ただ、コンニャクの高関税などについて農水省には「このまま維持するのは難しい」との判断も浮上。引き下げ方向で検討することも視野に入れる。実現すれば、聖域視されてきた高関税品目の一角が崩れることになる。
 こうした方針を支える枠組みとして、「アジア食糧安保」の考え方を揚げる。日本の輸入拡大がアジア各国の農業生産などに貢献すると強調。同時に農産物輸入の四分の一を米国に依存する日本の「食糧輸入の安定化と多元化」にもつながると農水省はみている。
 国産品の輸出も促す。
 温州ミカンやリンゴ、ナシ、イチゴといった高品質の果物を「戦略産品」と位置づけ、果物の関税率が高い韓国やタイなどに関税撤廃を迫る方針。FTA締結の際には国内で育成した品種の知的財産権保護なども求め、「ニッポン・ブランド」として普及させることを狙う。
 これらの措置を踏まえ、政府はフィリピンやタイ、韓国などのFTA交渉を加速する構え。
 ただ、自民党などから国内農家保護を求める声が出る可能性もあるほか、経済界からは「まだ例外が多い」といった批判が残る恐れもある。
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