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10年度農水予算、概算要求2兆7518億

日本農業新聞 平成21年10月16日
省庁要求額過去最大に
 各省庁による2010年度予算の概算要求再提出が15日、締め切りを迎えた。要求額は09年度一般会計当初予算(88兆5480億円)を大幅に上回る90兆円台前半に達し、過去最大になる見通しだ。独自色を出すため、民主党がマニフェスト(政権公約)で揚げた施策7兆1000億円を優先的に上積みしたものの、既存予算の削減は進まなかった。予算編成作業は例年より1ヶ月半遅れて本格化する。
米所得補償は3447億円
 農水省は15日、2010年度農林水産予算の概算要求を財務省に再提出した。総額は2兆4071億円で、これとは別枠で、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)に揚げた農業者戸別所得補償制度の米のモデル事業費として、3447億円を計上した。別枠を加えた総額は2兆7518億円で、09年度当初予算に比べ7.5%増、8月に提出した見通し前の概算要求に比べ6.7%減になった。
 米の所得補償モデル事業は、11年度の本格導入を前に全国規模で行うもの。主食用の生産数量目標に沿って生産する集落営農も含めた販売農家に対し、直接支払いをする。標準的な生産に要する費用(過去数年分の平均)と販売価格との差額を全国一律単価として交付する仕組み。交付金のうち、一部は定額で交付する。補てん基準価格は11月中旬に決める予定。標準的な生産に要する費用は、家族労働費の8割と経営費で算定する。
 米の転作作物への助成は、産地確立交付金などを組み替えて新設する水田利活用自給力向上事業(2171億円)で行う。小麦や大豆、米粉・飼料用米などを生産する販売農家に対し、主食用米並みの所得を確保できる水準を支払う考え。従来の助成金体系を大幅に簡素化し、全国統一単価の設定など分かりやすい仕組みにする。
 助成単価は小麦や大豆、飼料作物が10e3万5000円、米粉、飼料、バイオ燃料などの新規需要米が同8万円、ソバやナタネ、加工用米が同2万円、その他の作物が同1万円を想定している。小麦や大豆などは従来の産地作り交付金に比べると、地域によっては厳しい単価設定になる。その他の作物は地域で単価を設定することも可能にする。二毛作助成(10e1万5000円)も行う。
 自給力向上事業は、米の生産数量目標に沿って生産したかどうかにかかわらず、すべての生産者を助成対象にする方針。米の所得補償モデル事業を生産調整メリット対策として機能させる考えだ。農家の自主性や自由度を高める仕組みにすることで、生産調整推進と自給率向上の両立を目指す。
 米の所得補償モデル事業と自給力向上事業を合わせた農政転換予算の要求額は5618億円。民主党は農政転換の基本指針とする農山漁村6次産業化ビジョンで、所得補償導入による農業経営安定化と自給率向上を柱に位置付けており、具現する第一弾として、米の先行実施と自給力向上事業を盛り込んだ。
 【参照】:「概算要求95兆381億円

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