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外食産業浮場を探る−安全を売る

--- 農場経営や農薬検査 ---
日本経済新聞・・・2002/07/25
外食産業に絡む「食の安全問題」
2001年 9月 国内初のBSE感染牛みつかる。
2002年 1月 雪印食品(4月末で解散)の牛肉産地偽装事件が発覚。その後、食肉加工会社などによる同様の産地偽装が相次ぎ明らかに。
3月 日本マクドナルドがウイルス感染による外国産鶏肉の輸入停止を受けチキンマックナゲットの販売を一時中止。
4月 民間団体調査でファミリーレストランの使う中国産冷凍ほうれんそうから農薬検出。
5月 ミスタードーナツが販売していた肉まんに無認可添加物の混入が表面化。
6月 協和香料化学の添加物問題でファーストキッチンなどが一部商品の販売中止。
成田空港にほど近い千葉県山武町。約3fの農場では、化学肥料や農薬を使わず栽培するレタスやなすなどの野菜が収穫期を迎えている。農作業に汗を流すのは、居酒屋「和民」を展開するワタミフードサービスが4月に設立した子会社、ワタミファーム(東京・大田)の社員たちだ。
企業の農地取得には農業生産法人を設立する必要がある。このため周辺農家から農地をを借りて農作業を代行する形を取っているが、そこまでして農業に挑むのは、食材調達に真剣に取り組む姿勢を強調できるとの読みがあるためだ。
「和民」では4月からお通しが有機野菜のスティックなどに変わった。
メニューにも有機野菜使用の表示が目立つ。渡辺美紀社長は「一朝一夕に量が確保できない有機野菜で先行すれば大きな強みになる」と、安全を目玉メニューに据える考え。2年後の有機JAS(日本農林規格)認証取得も目指すこの『自社農場』はまさに、同社の安全重視の象徴となる。
国内初BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)感染牛が見つかったのは昨年9月。それ以降も産地偽装表示など食への不安をかき立てる事件が相次ぎ波紋が広がっている。
大手ファミリーレストランからは6月までに、定番の「ほうれんそうソテー」が姿を消した。中国産冷凍ほうれんそうから残留農薬が検出されたためだ。
7月には病原性大腸菌O157感染の疑いから米農務省が現地の食肉加工大手に牛ひき肉の回収を指示。各社の担当者が取り扱いの有無の確認に走り回った。
低価格競争への対応やチェーンの巨大化に伴う大量調達の必要から、輸入食材への依存度は高まっている。予期せぬ事件に巻き込まれるリスクは大きくなるばかりだ。
大戸屋やモスフードサービスなど、業界内では食材業者に安全確認の徹底や安全証明書添付を求めるケースが増えている。すかいらーくは納入業者に原料や添加物の履歴まで追跡できる態勢づくりを求める計画だ。
自らのチェック態勢を強化する動きもある。食材に使っていたほうれんそうから農薬が検出されたジョナサンでは社内に対策チームを設置。輸入冷凍野菜の農薬残留量を国内の指定検査機関で自主検査するほか、輸入単位ごとの抜き取り検査にも取り組み始めた。
コスト負担は重い。農薬の検査だけでも一検体一農薬につき2万円程度の検査料がかかる。精度を高めようと農薬の種類や検体数を増やせば数百万円の負担増となる可能性もあるが、横川竟ジョナサン社長は『やれることは徹底してやる』と再発防止に決意を示す。
BSEの外食業界への影響は数千億円規模と見られる。加えて、安全に敏感になった消費者のしっぺ返しは強烈だ。肉まんに無認可添加物を使っていたことが表面化したダスキンの「ミスタードーナツ」では、6月の既存店売上高が前年より約15%落ち込んだ。コストとの両立を図りながら、安全をいかに売るか。
外食各社は新たな課題に、懸命に解を求める。
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