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農水省の特栽表示で新ガイドライン

「特別栽培農産物」に統一

・・・2003/04/16「全国農業新聞」
農水省は「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」の全面的な改正を行い4月下旬に通知(農林水産省指導通達)し、5月からスタートさせる予定だ。この新ガイドラインは、簡単にいうと無農薬栽培など区分ごとの名称を一括して「特別栽培農産物」へ変更するというもの。これにより「無農薬」「無化学肥料」「減農薬」「減化学肥料」の表示は、新ガイドラインではできなくなる。生産現場などへの周知期間を置き、本格施行は平成16年4月からだ。
参照:新ガイドラインの詳細→「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン

5月からスタート、移行期間は約1年
「特別栽培農産物」とは、化学合成農薬などを減らしたりして特色のある生産方法で生産した農産物だ。
生産者団体や地方自治体などが、独自に認証制度を設けて取り組んでいるが、そのほとんどは現在、農水省の「特別栽培農産物係る表示ガイドライン」に従って表示の適正化を図っている。
しかし、現行のガイドラインに対しては消費者から「『無農薬栽培』の表示は優良誤認を与える」「『減農薬栽培』の定義があいまいである」などの批判が寄せられていた。
そこで、農水省は平成13年に「特別栽培農産物表示手法検討委員会」を設け、ガイドライン表示の見直し作業に着手、議論を重ね平成14年11月に、最終とりまとめを行った。
今回の新ガイドラインは、このとりまとめに基づくもの。改正点は、【生産原則の明示】、【適用の範囲の厳格化】、【「特別栽培農産物」へ名称の一本化】、農薬など【使用資材の取扱い】、【慣行レベルの設定】、【情報提供方法の多様化】、【移行期間の設定】、---と、ほぼ全面的な改正となっている。
そして5月から平成16年3月までは、現行のガイドライン表示と新ガイドラインに基づく表示が並行して実施されるが、新ガイドラインに基づく場合は「農林水産省ガイドラインによる表示」と新たに『新』を挿入して表示することとなっている。
  • 【生産の原則】
    生産の原則として@化学合成の農薬および肥料の低減、A農業の自然循環機能を維持増進するため土作りによる生産力の発揮、B環境への負荷を低減した栽培法---の三原則を明確な理念として明示する。この結果、養液栽培などで土を用いないで生産した農産物は新ガイドラインでは表示の対象から外れる。
  • 【適用の範囲】
    新ガイドラインの適用の範囲は厳格化され、生産の原則に基づくとともに、@化学合成農薬の使用回数が、慣行的な使用回数の五割以下、A化学肥料の使用量が慣行的な使用と化学肥料の両方を五割以下に減じたものを対象とすることで一本化した。
    これにより、農薬または化学肥料を慣行使用したもの(どちらか一方だけを使用しない場合でも対象外)や五割未満の節減のものは対象から除外される。
  • 【「特別栽培農産物」への一本化】
    農薬や化学肥料の使用状況に応じて「減農薬」「減化学肥料」「無農薬」「無化学肥料」の区分ごとの名称を設けていたが、これらを「特別栽培農産物」に一本化する。ただし、農薬および化学肥料の節減割合や使用していないことを隣接して表示し、消費者の選択に資することとする。
    ラインでの「減農薬」「減化学肥料」「無農薬」「無化学肥料」は、新ガイドラインで表示できないこととなる。
  • 【使用資材の取扱い】
    使用資材のうち、性フェロモン剤など誘引剤は、節減の対象としない。ただし、使用した場合は使用したことを表示する。
    また、特定農薬(原材料が農作物、人畜、水産動植物に害を及ぼすおそれが明らかなもの)は、天敵(天敵昆虫、微生物農薬、BT剤など)と同様の扱いとし、天敵および特定農薬のみを使用している場合は「農薬・・・栽培期間中不使用」と表示できる。ただし、この場合も使用したことを表示する。
  • 【慣行レベルの設定】
    化学合成農薬と化学肥料の節減割合の基準となる慣行レベルは、客観性の向上のため地方自治体が策定または確認したものとする。
  • 【情報提供の多様化】
    農薬など資材の使用状況の情報の提供方法の多様化を図るため、容器や包装、別途ビラ添付のほかインターネットなどで情報提供ができることとする。
    なお、消費者が「誰がどのような生産を行ったか」を追跡して確認できるよう、栽培責任者の名称、住所、連絡先、農薬など資材の使用状況や、消費者からの問い合わせに対して栽培責任者が説明する「情報の提供」などは引き続き実施する。
    また、輸入品も新ガイドラインに基づく表示ができるが、この場合は輸入者の名称、住所および連絡先を表示する。
  • 【移行期間の設定】
    新ガイドラインは、適用の範囲や表示方法の変更など大幅な見直しとなっている。このため、生産者、流通業者、消費者に周知徹底するため、移行期間を一年程度置き、本格実施は平成16年4月からとする。
    農水省では「新ガイドラインは、指導通達で罰則はないが、消費者により信頼されるガイドラインとして定着を図りたい」としている。