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コメが普通の商品になる

--- 政策転換、先物上場に道 ---
日本経済新聞・・・2002/07/23
コメがようやく普通の商品になる日が近づいてきたようだ。食糧庁がコメの生産・流通の大枠を決めている食糧法の抜本改革に乗り出した。
コメ政策のあり方を検討している食糧庁の「生産調整研究会」(座長・生源寺真一 東大教授)は6月末に中間報告をまとめた。年内には食糧庁が基本政策をまとめ、次期通常国会に食糧法改正案を提出、2004年産から適用という段取りになる。注目されるのは、全農が需給調整をする計画流通米制度の廃止を打ち出していることだ。
現在のコメ流通は計画流通米(自主流通米と政策米)と自由商品の計画外流通米との日本立て。流通ルートが長い計画流通米は「一俵(60キロ)あたり1500〜2000円」コストが高いとされる。当然比重は年々低下し、昨年産米では生産量の半分以下に落ち込んでいる。いわば計画流通米制度の破たんの追認とはいえ、大きな変革を意味している。
例えばコメの価格形成が大変わりする可能性がある。自主流通米の価格は、自主流通米価格形成センターでの入札価格を指標とするのが現在の仕組みだ。計画流通制度の廃止となると、同センターの存在理由がまず失われることになる。
同センターは売り・買い双方における全農の影響力が大きく、コメ余りでも価格はそれほど下がらない。コスト高、そして需給に応じた価格の弾力性に乏しいことが、計画流通米の問題点だった。それがコメ全体の価格を人為的に下支えしていたことも言える。
価格によって需給が調整されるのが市場メカニズムの原点だが、コメの場合はそのメカニズムが作動しない仕組みになっていたといえる。だからこそコメ余りと農家への減反の強制、ひいては農政への不満という悪循環が続いてきた。コメが普通の商品ではなかったとは、そういう意味である。
一方の計画外流通米。農家からの縁故米、産地からの直販、コメ卸が自由に産地と取引した結果などの集合で価格が形成されていく。すべてのコメが、計画外流通米になるとどうなるのか。当初は「一物百価の混乱状態が出現するかもしれない」(大手コメ卸)が、重要なのは、その結果需給を反映した指標市場の必要性が認識されることだ。その指標市場は現物取引のみが対象でいいのか。先物取引も必要によるのではないだろうか。
今年秋のコメがいくらなのか示している市場は今存在しない。もしそうした市場があれば、生産者や流通業者にとって価格の重要な目安となるし、リスクヘッジの手段として活用することもできる。研究会中間報告では先物取引について「現状では導入すべきではないが、将来の導入の可能性について排除すべきではない」としている。コメが普通の商品になるというのは、先物上場へ向かって扉を開くということなのである。
参考:「農政情報」→「コメ王国新潟、構造改革に挑む・・・減反選択制を提起