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「食の安全」に関する日本経済新聞社のアンケート調査


1. 経営陣へ厳しい目
2. 問題食品「まだある」98%

2002/7/2 日本経済新聞
1. 経営陣へ厳しい目
「食の安全」に関する日本経済新聞社のアンケート調査では、食品をめぐる事件や問題が続出する原因を、消費者の4人に3人が「経営幹部の姿勢」と「企業の隠ぺい体質」にあると考えていることも分かった。消費者の経営者に対する目は厳しく、「食」をあずかる企業への注文・期待としては「経営トップの社会的、法的、道義的責任の自覚」が最多だった。
行政にも怒り
一連の問題の原因や背景(複数回答)は、「自分の会社さえ良ければと考える経営陣の姿勢」とみる人が78%で最も多かった。
「企業ぐるみでの隠ぺい体質」が75%とこれに迫る。監視官庁への怒りも強く、「行政の監督不備」(71%)が続いた。
BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)問題の経緯を踏まえてか、「生産者優先の企業体質」をあげた人は54%。「消費者のブランド信仰」も43%の回答があった。
食をあずかる企業や業者への期待を尋ねたところ、「経営トップの社会的、法的、道義的責任の自覚」が40%と、「品質管理の強化」(23%)、「品質に関する情報公開」(21%)を引き離した。「従業員からの告発」に期待する人も8%いた。
自由意見では「若い世代や子供たちのためにも安全な食品提供を真剣に考えて」「利益追求だけに陥らず、消費者重視の視点も忘れないでもらいたい」という声が目立った。
女性に不信感
調査では男性より女性、若者より中高年の方が食に対する不信が強い傾向も浮かび上がった。
二人に一人が添加物への不信、不安が「より高まった」と答え、三人に一人が「仕方ない、あきらめている」と回答したが、世代別に見ると、30、40、50代以上はそれぞれ過半数が「高まった」と回答したのに対し、20代は34%にとどまった。逆に「気にならない」は60代以上が9%だったのに対し、20代は23%を占めた。
食品の安全性に対する信頼度が「大きく揺らいだ」のは男性が41%、女性が51%と差が開いた。年代別では20代の25%を底に年代が上がるにつれて増え、60代以上は59%に達した。
安全委に期待
消費者は現行の監督官庁に厳しい視線を注ぎつつも、独立組織「食品安全委員会」(仮称)の設置や、虚偽表示の罰則強化を盛り込んだJAS(日本農林規格)法改正への期待もにじませる。
こうした動きについては10%が「安全、信頼性の確保に大いに効果がある」、56%が「多少はある」とみており、あわせて全体の2/3が肯定派。残る1/3は、ほとんどない(22%)、全くない(11%)とした。
利益追いすぎた・・・経営評論家・作家の江坂彰氏の話
現在の状況は、企業がコスト削減などで目先の利益を追いすぎ品質をおろそかにした結果だ。企業のトップは、品質管理と情報公開で信頼を得ることが長期的には利益を生むことを認識しなければならない。企業は建前だけでない、真の「消費者本位」を考えるべきだ。
自浄作用望み薄・・・水原博子・日本消費者連盟事務局長の話
消費者の不安が顕著に表れ、当然の、そして健全な反応だ。「企業に期待することは」との質問に1割近くの人が「内部告発」と答えたのは、企業の自浄作用は期待できないということ。問題の背景としてブランド信仰を挙げる声も多く、消費者自身の反省もうかがえる。
2. 問題食品「まだある」98%
35%が購入先絞る
虚偽表示や無認可添加物使用が相次いで発覚する中、消費者の98%が「表面化していない事例がまだある」と食への不信感を強めていることが1日、日本経済新聞社の調査で分かった。6割が商品の表示を毎日確認するようになり、3人に1人が購入先を絞り込むようになったと回答。スーパーから産地直送などにシフトした人もおり、消費行動に大きな影響が出ている。
不祥事を受けて6月下旬、百貨店と食品業界は共同で表示チェックマニュアルづくりに乗り出したが、信頼回復への道は険しそうだ。
調査は首都圏、中部圏、京阪神を対象に6月中旬、日経リサーチ大阪支社の協力を得て電話で実施。計600人から回答を得た。
「以前に比べ食の安全性に対する信頼度はどう変化したが」との問いには「大きく揺らいだ」が46%、「やや揺らいだ」が38%、合わせて84%が不信感を示した。
虚偽表示や無認可添加物の使用は73%が「表面化した事例以外にもまだ多数ある」とみており、「多数ある」を含めると98%がこれで終わりとは思っていない。「もうほとんどない」は1%だった。
商品に対する選別意識は強まった。一連の不祥事が明らかになって以降、「毎日の食品・食材購入に際して何を注意するようになったか」(複数回答)との問いには、「店頭で食品表示をしっかり確認するようになった」(62%)が最も多かった。
次いで、「信頼できると判断した購入先に限るようになった」(35%)、「大規模店舗を避け、生協の産地直送や生産農家との直接取引を選ぶ(考える)ようになった」(27%)と、慎重な姿勢が浮かび上がる。
問題を起こした企業への信頼回復への道は険しい。その商品については22%が「一切購入をやめる」と答え、51%は「安全性の回復を十分確認してから購入する」と回答。合わせて7割以上が購入を控えている。

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