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農薬お安く、国が種まき

読売新聞 平成28年8月29日
 農林水産省は海外と比較して高いとされる農薬や肥料など農業用生産資材の価格を引き下げるため、農薬・肥料業界に対し、事業再編を促す方針だ。企業同士の合併・統合や買収、一部事業の統合に踏み切った農薬・肥料メーカーに対して、税制上の優遇措置を講じる案などが検討されている。農家に安い資材を統合することで、国内農業の競争力を高める狙いがある。
日本のコメ農家の生産コストは韓国に比べて高い
日本 韓国
肥料費 9500円 4424円
農薬費 7555円 2498円
農機具費 2万7530円 5102円
労働費等含めた生産費合計 13万4041円 7万2567円
農水省調べ。2013年、10eあたり。1ウォン=0.1円で換算

事業再編へ、優遇税制検討
価格、韓国の3倍
 政府がこの秋にまとめる環太平洋経済連携協定(TPP)対策第2弾に具体策を盛り込む。事業再編を促す手法については新法を作るか、既存の産業競争力強化法を活用するかなどを検討しており、今後詰める。
 大規模農家などが加盟する日本農業法人協会の調査によると、農業用資材の国内価格は、日本と似たような農業環境の韓国と比べて農薬が3倍程度、肥料は2倍程度と高い。
 肥料については、種類が約2万あり、韓国(約5700種類)の3倍以上に上ることが、コスト高につながっている。日本では「土壌や気候が異なる」として地域ごとに推奨される肥料が異なるためだが、肥料メーカーにとっては多品種・少量生産が必要になり、コストを押し上げる。
流通合理化でコスト減・・・農家底上げTPP対策
 また、農薬は特許が切れた後、同じ有効成分で作られる「ジェネリック農薬」の普及が進んでいないことが主な理由だ。
 加えて、肥料、農薬とも卸売業者や農協などメーカーと農家の間に入る業者が多く、それぞれが手数料をとっていることも、価格を押し上げている。
 TPPが発効すれば、農家は安い輸入農産品との競争にさらされるため、体質の強化が急務となっている。農水省は、税制上の優遇などを通じて生産工場や流通の合理化を促せば資材価格が下がり、農家のコスト競争力が高まるとみている。
 農薬についてはジェネリック農薬の登録を増やすため、安全性を確保した上で規制緩和に取り組む方針だ。
 一方、農機はクボタなど大手4社の出荷額が8割のシェア(市場占有率)を占める寡占状態となっている。国内メーカーのトラクターは韓国メーカーより3〜6割ほど高い。農水省は競争を活発にすれば価格が下がる可能性があるとみて、新規参入を促す措置を検討する。
 また、農家がインターネットなどで資材価格の違いを簡単に把握できるようにするなど、価格透明性を高める取り組みもTPP対策に盛り込む方針だ。

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