関連記事>

耕作放棄地、農家が転用

特区「市民農園」広がる

日経・・・2004/05/05
後継者不足で拡大する農作放棄地を、市民農園としてサラリーマンらに開放する動きが、認定を受けた構造改革特区で広がっている。これまで農協などに限られていた市民農園の運営を、特区の農家などが積極的に活用。泊り込みで週末農業が楽しめる「農家の民宿」プランも続々と誕生している。
週末滞在プランも
農林水産賞などによると、これまで市民農園特区の認定を受けたのは千葉県鴨川市など全国で34件。農協などに限っていた農地の貸付主体の規制を緩和。雑草が生えごみ投棄など環境問題にもなっている耕作放棄地の市民農園への転用を促す。
2003年5月に特区の認定を受けた京都府亀岡市ではすでに地元農家らが約150区画(7760u)の市民農園を開設。2003年11月開業の「余部ふれあい農園」は40区画で募集を始めたが応募が殺到、現在91区画まで広げているが、それでも数人が待機している状態だという。
4ヵ所208区画(5827u)の認定を受けた横浜市では、4月中旬から民間企業などが整備した市民農園3ヵ所194区画が利用できるようになった。
農機具の貸し出しや収穫祭などを予定しており、市民の新たな憩いの場になりそうだ。
農家の民宿開設などグリーンツーリズム(自然に親しむ滞在型余暇活動)を主眼にした特区も全国で20件。特例措置で火災報知機などの設置義務が緩和され初期投資が軽減し、香川県「さぬき農村ふれあい特区」では、広野牧場(三木町)が搾乳やチーズ作りの体験ができる滞在施設を計画するなど、各地で趣向が凝らされた「農家の民宿」構想が誕生している。
「市民農園」事業を中心に据えた全国の主な構造改革特区
申請自治体 特区の名称 特区でめざす事業内容
岩手県雫石町 元気な農業・農村いきいき特区 観光と融和した新たな農業へ転換する
福島県喜多方市 アグリ特区 雄国地区などを中心に遊休農地を活用
千葉県鴨川市 棚田農業特区 棚田オーナー制度を基に保全活動を拡大
神奈川県小田原市 都市農業成長特区 東京から80キロ圏を生かし市民農園を拡大
山梨県山梨市 農地いきいき特区 株式会社やNPOなどの農業参入や市民農園で果樹生産
兵庫県淡路町など 自然産業特区 農地の約4割に及ぶ耕作放棄地を活用
鹿児島県加世田市 砂丘地域再生振興特区 農村文化公園などで砂丘地域農業活性化
農家民宿などの整備に特区を活用する例
北海道長沼町 グリーン・ツーリスム特区 県央の都市に近い利点を活用して農家民宿などで交流を促す
富山県八尾町 越中八尾スロータウン特区 農家民宿の消防設備の簡易化などで新規産業創出
石川県 グリーン・ツーリスム促進特区 中山間地域を中心に特例を活用
香川県 さぬき農村ふれあい特区 体験型観光の推進で地域への理解促進
【構造改革特区による市民農園開設の特例】
市民農園の開設主体は地方公共団体と農業協同組合に限られていたが、2002年12月から特定農地貸付法の特例措置として「特区」の認定地域で農地所有者(農家自身)のほか、農地を所有しない市民や非営利組織(NPO)なども開設できるようになった。
過去1年以上作付けされず再利用の計画がない「耕作放棄地」が主な対象。
11万ヘクタール、農地の5%を占めており、5年前の前回調査より5万ヘクタールも拡大している。
グリーンジャパンホームへ