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加工品も輸入禁止

国産新品種海外で無許可栽培

日経・・・2004/05/05
 農水省は日本産の新品種の農作物を許可なく海外で栽培して加工食品として日本に逆輸入されることを防ぐ制度づくりに乗り出す。高品質の国産いちごなどの種苗を海外に持ち出して「海賊版」を生産する事態が増え、収穫物だけでなく加工品として入ってくる恐れが強まっているためだ。種苗法の改正などで農作物の知的財産権の保護を強化し、安価な加工食品が国内農業を圧迫するのを防ぐ。
日本国内の自治体や農家などが開発した新品種は植物版の特許といえる「種苗法」で登録すれば、独占的に栽培・販売ができる。これまで権利の対象は種子や苗、それからできる野菜などの収穫物に限られ、加工品は除外されていた。
 しかし、最近はいんげんの「雪手亡(ゆきてぼう)」やいちごの「とちおとめ」など地方自治体が権利を持つ新品種が海外で無許可で栽培され、安い価格で輸入されるケースが出始めている。こうした農作物がジャムなど加工食品として輸入されると禁輸できないため、農水省は種苗法の改正案を来年の通常国会に提出し、加工食品を保護の対象に加える。
 法改正にあわせて同省は輸入食品に対する水際の取り締まりも強化する。港などで陸揚げされた加工食品の一部を抜き取り、DNA(デオキシリボ核酸)検査で国産の新品種が混じっていないかどうかを見分ける。国内で登録した品種が含まれれば、輸入差し止めの措置と販売業者に罰則を科す考えだ。
 独占的な販売などの権利を認める期間も延長する。現在は25年の樹木やぶどうの効力は30年に、そのほかの作物は現行20年を25年に延ばす。権利が長くなれば、すでに効力が切れていたいちごの「とよのか」や「女峰」、温州みかんの「上野早生」などが国内で独占的に栽培できるようになるという。
 日本の農家などが開発した農作物が許可なく海外で差倍され、国内で流通する例が目立ち始めた背景には、低コストの労働力を持つアジア諸国の農作技術が上がったことがある。
 同省は農作物の輸出にも力を入れており、権利保護を強化して農作物の国際競争力の向上につなげる。

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