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住友化学が農業参入

日経 平成21年9月15日
全国で農場展開
 住友化学は農業事業に参入する。5年間で全国30〜40ヵ所に農場を展開し、果物や野菜を百貨店など大手小売いに直接販売する。2015年度に50億円の売上高を目指す。住友化学は農薬・肥料の国内最大手で、農産物の生産・販売まで一貫して手がけ、相乗効果を狙う。農業の規制緩和が進む中、流通大手などに続き、製造業にも新規参入の動きが本格化してきた。
製造業に進出の動き、規制緩和が後押し
 全国10ヵ所に農業事業子会社を設立して直営農場を経営するほか、20〜30ヵ所の農場に生産を委託する。農産物は自社ブランドで販売する。三菱化学などが屋内で野菜を水耕栽培する「野菜工場」を手がけたり、食品メーカーが原料の野菜などを栽培したりする例はあるが、全国規模で農地を確保して異業種参入するのは大手製造業で初めてとなる。
 第一弾として長野県中野市に高級イチゴを生産する子会社「住化ファーム長野」を設立した。出資比率は住友化学が30%で、同社の農業資材子会社の日本エコアグロ(東京・中央)が70%。同市内の耕作放棄地1fを賃借してハウス栽培し、12月から出荷を始める。同農場で年間約1億円の売上高を目指す。
 大分県などの地方自治体とも連携し、全国10ヵ所で直営農場を運営する計画だ。農場への生産委託も進め、日本エコアグロの商標でトマトやピーマン、レタスなど各地域の特産農産物を販売する。耕作放棄地の活用や自治体との連携による地元の雇用創出などを通じ、地域の農家や農協と良好な関係を保てるようにする。
 農産物の生産には住友化学製の農薬や肥料、農業資材を使う。栽培計画や生産コストをインターネット上で管理する独自開発の情報システムを使い、小売店に農薬の種類や使用量を開示する。
 企業の農業参入を巡っては、イオンが3年間で全国十数ヶ所の農場を運営する計画を打ち出している。セブン&アイ・ホールディングスも2年以内に全国10ヵ所に農業生産法人を展開する。
【農業の規制緩和】
93年 農業生産法人へ企業(有限会社など)の出資が可能に
00年 農業生産法人へ株式会社の出資が可能に
03年 特区でのみ農地のリース方式で企業の参入が可能に
05年 特区方式が全国に拡大。市町村が認める地域で企業参入が可能に
09年
(予)
農地リースの地域制限を原則撤廃。期間も延長。生産法人への出資制限も引き上げ
■国は1990年代以降、段階的に農業の規制を緩和し、企業が参入しやすくしてきた。現在、企業の農業参入には農地を取得できる「農業生産法人」を設立する手法と、農地を借りて一般企業として参入する手法の2種類がある。農地を借りる手法を採る企業が多い。
■改正農地法が年内に施行される見通しで、リースの地域制限が原則撤廃。農地の賃借が自由になることで企業の参入が加速すると見られる。賃借期間も20年から50年に延長する。農地そのものを取得できる「農業生産法人」への出資上限も10%以下から50%未満に引き上げる。

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