ハスモンヨトウ


  • 分布
    常発地帯は沖縄から関東南部および北陸の一部までです。通常5月頃に増え始め9月から10月に発生のピークを迎えます。
  • 発生の多い年
    他の害虫もそうであるように、自然界においては、疫病(ウィルス病、糸状菌病)による密度低下が起こり、1種類の害虫が毎年大発生することは一般的には珍しいことですが、空梅雨や梅雨後に高温、乾燥が続くと秋までに病気にかかり死亡する虫が減り、大発生につながることが多くあります。またこれには、夏から秋にかけて害虫の餌となる作物や雑草が十分にあるか否かも大きく関係してきます。
  • ハスモンヨトウ成虫の活動時間
    フェロモントラップを活用する場合、成虫の活動時間帯の把握は重要です。
    交尾は日没から夜明け前に行われるが、日没後1〜2時間後が最も活発に行われ、日没後の天候(風速・気温)の状況は、フェロモントラップへの誘引数に大きく関係してきます。ハスモンヨトウは、12℃以上で活発に飛翔します。
    気温が高い時期では、日没後と夜明けに捕獲数が多く、気温の低い時期では夜明け前の捕獲数が減少します。捕獲数と天候を合わせて判断することが重要です。
  • 飛行距離
    オス成虫の一晩の飛行距離平均は、5〜6`であるが、10`以上飛行する場合も多くあります。小さな面積で高温度のフェロモン剤を使用することは、かえって広範囲の害虫を呼び寄せ被害が増大する危険性もあります。
    メス成虫の飛行距離に関する研究はほとんど進んでいません。