農薬情報>土壌病害虫薬剤>ラグビーMC粒剤
線虫
線虫とは? |
線虫は分類学上線形動物門に属します。線虫の種類は昆虫類に次いで多く、50万種と推定されています。土壌中や水中など地球上の至る所に生息していますが、微小なものが多くほとんど目に付きません。農作物を加害する線虫は植物寄生性線虫と呼ばれる仲間で、主に土壌中に生息し、植物に寄生して栄養をとり生活しています。
|
線虫害の特徴 |
線虫は微小な生物であるため、肉眼ではほとんど確認できません。被害は主に地下部で進行し、普段はなかなか目に触れることはありません。土壌中の密度が高い圃場では、農作物に甚大な被害を及ぼし、収量の低下や品質不良につながります。地上部における被害病状はわかりにくく、病害とよく似た「しおれ」や「立ち枯れ」が主となります。
|
線虫の被害 |
近年の施設栽培の普及や特産地化により、同一の作物が連作される機会が増えてきています。それに伴い連作障害が問題となっていますが、線虫もその要因の一つと考えられます。他の害虫に比べ、目に付きにくく防除に対する認識は低いとも考えられますが、植物寄生性線虫が加害する作物の範囲は広いため、農作物生産に大きなダメージを与えています。また、汚染苗や種芋などの伝搬により分布の拡大が進んでおり、被害拡大の原因となっています。
|
線虫防除 |
線虫の防除には速効性があり、効果も高い土壌くん蒸剤が使用されてきましたが、作業上の安全性の問題や環境への配慮から、現在はより安全性に優れた非くん蒸タイプの接触型粒剤の使用が増えてきています。
各線虫防除剤の特徴 |
. |
接触型線虫剤 |
くん蒸型線虫剤 |
作業性 |
簡便 |
被覆、ガス抜き等必要 |
残効性 |
ある |
ほとんどない |
速効性 |
ある |
優れる |
人畜に対する影響 |
ほとんど問題はない |
刺激臭等が問題 |
土壌生物への影響 |
ほとんどない |
ある |
土壌病害への効果 |
効果がない |
効果のある剤もある |
|
主な線虫の生態 |
|
ネグサレセンチュウ |
|
日本で確認されているネグサレセンチュウは約20種類で、その中で特に問題になっている種は、キタネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウ、クルミネグサレセンチュウの3種です。これらは寄主作物の範囲が広く、特に根菜類では商品価値を著しく低下させる原因となります。ネコブセンチュウのように根の中に定着することはなく、根と土壌の間を移動しながら加害します。
|
ネグサレセンチュウの生活環 |
|
|
|
主要ネグサレセンチュウの寄主作物 |
|
|
キタネグサレセンチュウ: |
|
|
レタス、だいこん、にんじん、ごぼう、ばれいしょ、ふき、みつば、きく等 |
|
ミナミネグサレセンチュウ: |
|
|
かんしょ、ばれいしょ、さといも、こんにゃく等 |
|
クルミネグサレセンチュウ: |
|
|
いちご等 |
|
|
|
ネコブセンチュウ |
|
日本で確認されているネコブセンチュウは約8種類で、その中で特に問題となっている種はサツマイモネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウです。寄生作物の範囲は広く、葉菜類、果菜類、根菜類、いも類、果樹、花卉類に及びます。根こぶ(ゴール)を形成させ、作物の養水分の吸収機能を損なわせる原因となります。
|
ネグサレセンチュウの生活環 |
|
|
|
主要ネグサレセンチュウの寄主作物 |
|
|
サツマイモネコブセンチュウ: |
|
|
なす、トマト、ピーマン、メロン、すいか、かぼちゃ、きゅうり、ほうれんそう、にんじん、ながいも、かんしょ、たばこ等 |
|
キタネグサレセンチュウ: |
|
|
らっかせい、ばれいしょ、トマト、にんじん、ごぼう、いちご、ばら等 |
|
アレナリアネコブセンチュウ: |
|
|
らっかせい、トマト、ほうれんそう、ごぼう等 |
|
ジャワネコブセンチュウ: |
|
|
だいず、ばれいしょ、やまのいも、こんにゃく等 |
|
|
|
|