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アメリカの遺伝子組換え賛否両論

昨年8月、米北東部メーン州オロノにあるメーン大学の実験畑である作られていた遺伝子組換えトウモロコシ約千株が、何ものかにごっそり刈り取られる事件が起きた。「抵抗の種」を名乗るグループが環境への影響を懸念する犯行声明を出し、警察が捜査したが、犯人はわかっていない。 実験をしていたマイケル・ベイダ同大教授(分子生物学)は「私たちは、除草剤に強いとされるモンサント系の組み換えトウモロコシが、実際にどれほど除草剤に抵抗力があるか、何b離れた株まで受粉するか等を調べ、結果を地元の農家に知らせるために植えていた。刈り取るとはひどい」と語った。 一方同州で有機農業を営む傍ら、遺伝子反対を叫んでいる環境保護活動家ナンシー・オーデンさんは「トウモロコシの刈り取りは_正しい」と反論、人体への毒性や環境汚染などを理由に全面禁止すべきだと主張する。 「組み換え植物を植えれば花粉が広範囲に飛び、予期できない影響を環境に与える。遺伝子組み換えは多国籍企業に利益をもたらす以外、何のためにもならない」と指摘。
「核と同じだ。取り返しがつかなくなるまで、何か起きるかわからないのだから」と、遺伝子組み換えが食料問題の解決に役立つとの"神話"を全面的に否定した。 米国の食卓には、遺伝子組み替え食料が日常的に登場する時代になった。病害虫に強いトウモロコシや だいず、ジャガイモ、除草剤に強い穀物や腐りにくいトマト・・・。多くが市場に出回っているほか、ビタミンAや鉄分を多量に含んだ米など、第三世界の食料・栄養事情改善に役立ちそうな研究も進んでいる "遺伝子組み換え先進国"の米国では、1980年代からの基礎研究を経て、94年からこれまでに米食品医薬品局(FDA)が販売を許可し商品化された組み換え作物は約40種類に上っており、国内で生産されるトウモロコシの30%、だいずの55%を占めている(業界団体推定)。 しかし、安全性をめぐる推進派と反対派の議論は平行線のままで、国民の間にコンセンサスはできていない。 21世紀はバイオテクノロジー(生物工学)が人類の食料や薬品などを生み出す時代とも言われる。遺伝子組み換え食料が、米国の食料生産を大きく飛躍させるのか、環境保護運動の高揚で限定的な役割にとどまるのか、米国民にとって重要な選択の時を迎えた。
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世界の飢餓人口の大半を占める。内戦で大量に難民・避難民が出て、構造的な飢餓と食料危機が続く。
農業保護政策で食料過剰だが、世界貿易機関(WTO)への加盟により減産を迫られ、人口増で食料輸入国となる恐れも。
遺伝子組み換えの研究と普及が進む。国内でも賛否両論あり。拒否反応を示し規制を強める欧州、日本と対立。
グリーンジャパン