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農薬業界再編の「うねり」

耕地面積の大幅な縮小や農家による防除意欲の低下といった現象が農薬業界全体に大きな影を落としている。国内の市場は冷え切り、この四年間に四百億円相当の需要損失を被った格好だ。そのため、工場の稼働率も低下し、一部では事業解散という思い切った決断も避けられない状況だ。一方、外資メーカーは強力な原体開発力を後ろ盾に相次いで流通に参入。また、欧米を中心としたM&Aの動きはいぜん活発で、ヘキストとローヌ・プーランの提携発表は象徴的な出来事として記憶に新しい。こうした企業の大型化が必然的に日本に持ち込まれるなど、国内農薬業界の再編は大手外資に先導されているかのような印章さえある。
過当競争の様相
市場規模が小さくなるにつれ、企業間あるいは製品間の競争は激化を極め、各社とも自社品目の差別化に躍起となっている。中でも、いまだに多くの流通在庫を抱えていると見られる水稲用一発除草剤市場での競合は顕著で、過当とも言うべき商品乱立の様相を呈している。こうしたなk、価格の後退や開発コストの上昇はメーカーの利益を圧迫し、売上高に占める経常利益の比率が1%前後という企業も少なくない。
グループ化で対抗
厳しい環境にさらされながらも今後の事業を有利に展開して行くため、外資を取巻く新たな提携の模索が水面下で進行しているのは明らかで、こうした勢力拡大を意識して、ある大手国内原体メーカーは一部の日本企業をグループ化して市場占有力で対抗しようと名乗りをあげている。一方、製造業界でも合理化が進みつつある。国内の大手商社と農薬メーカー数社が出資して運営されてきた「東部化成」(神奈川県綾瀬市)が今年6月末の解散を決めた。同社は、住友商事と住友化学を筆頭に、日本農薬、八洲化学工業、中外製薬が出資母体として名を連ねる製剤専門会社。この解散決定は、メーカー製造部門の今後における投資戦略のあり方にも少からず影響を及ぼすものと見られる。このほかでは、事業効率の低下に伴う、英ゼネカと帝人の合弁会社「帝人アグロケミカル」(工場・広島県三原市)の9月解散スケジュールも昨年の段階で発表ずみ。
流通でも撤退、合併
流通場面では、一部の卸売業者で事業エリアを拡大するといった前向きな動きもあるが、おおむね効率化の方向が確認できる。廃業、高収益部門の販売事業に専念するための撤退、競争力強化を目的とした自主的な合併やメーカー主導型の合併など、展開も様々だ。
グリーンジャパン