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有用生物およびワイン発酵菌に対する影響


  1. マルハナバチに対して安全です。安全日数は、0日です。
    1. 直接散布試験
      実用の8倍量処理まで死亡個体やノックダウン個体は全く認められなかった。
      (20個体/区、3反復、125〜4,000倍希釈液で評価)
    2. ハウス内導入試験
      マルハナバチの生育に対し、影響は全く認められなかった。
      試験区 働き蜂の減少率 卵への影響 中・老齢幼虫への影響
      繭化率 羽化率 繭化率 羽化率
      ランマン処理区 8.8% 90.0% 90.0% 96.3% 96.3%
      無処理区 7.5% 90.0% 90.0% 95.0% 92.5%
      試験方法: 施設栽培のトマトにランマン1000倍液を散布し、散布後マルハナバチの巣箱を導入して調査した。
    3. ハウス内導入試験
      マルハナバチ働き蜂の訪花回数、トマトの着果数については、無処理区と差はなかった。
      試験区 処理約量*
      (ml/10a)
      3回処理後訪花回数 3回処理後
      着果房数
      果実数/花数
      (%)
      果実重
      (g/20株)
      1日後 8日後
      ランマン 80 20 7 284 71 23650
      160 18 9 394 67 23000
      無処理 - 14 6 255 68 21050
      試験方法: マルハナバチ導入中のトマト栽培ハウス内で、ランマンを茎葉散布処理し、マルハナバチの影響を調査した。(*処理薬量:2000倍希釈液、200g/10a水量の散布で100ml/10aに相当)
  2. ミツバチに対して安全です。
    接触毒性および経口毒性試験において、有効成分シアゾファミドは、ミツバチに対する急性毒性も示さず、最大投与群まで死亡及び他の中毒症状も観察されなかった。
    ミツバチ接触毒性 LD50値:>100.0μg/ミツバチ
    ミツバチ経口毒性 LD50値:>151.7μg/ミツバチ
  3. 天敵類に対し安全です。
    ランマンフロアブルは、数種の天敵類に対し、影響がなかった。
    1. 室内基礎試験(OECDガイドライン試験法)
      供試種 評価区分 薬量*ml/10a 影響
      Aphidius rhopalosiphi(アブラムシ類寄生蜂の一種) 急性毒性 209 なし
      Typholdromus pyri(カブリダニの一種) 繁殖性 209 なし
      Chrysoperla carnea(カゲロウの一種の幼虫) 急性毒性 209 なし
      Aleochara bilineata(ハネカクシの一種) 繁殖性 209 なし
      *薬量は、2000倍、200L/10aで100ml/10aに相当
    2. 圃場試験(圃場処理葉接触及び宿主処理による影響)
      1. オンシツツヤコバチ(Encarcia formosa)
        供試区 死虫率(%) 羽化率(%)
        1日後 5日後 16日後
        ランマン(80ml/10a)* 0 6 95.9
        水散布処理 0 4 96.7
        方法: 飼育箱中にランマン処理葉を設置し、オンシツツヤコバチ成虫を放飼して、死虫率を調査した。また、ツヤコバチが寄生したコナジラミ幼虫の寄生葉を同様に処理し、その後のツヤコバチ羽化率を調査した。
        結果: ランマンは、オンシツツヤコバチに対する、殺虫効果はなく、また、本寄生蜂の羽化にも影響はなかった。
        *ランマン2000倍、160L/10a散布で、80ml/10aに相当
      2. Macrolophus caliginosus(コナジラミ類の捕食性カメムシ)
        供試区 死虫率(%)
        1日後 5日後
        ランマン(80ml/10a)* 0 4〜8
        水散布処理 0 4〜8
        方法: 飼育箱中にランマン処理葉を設置し、M.caliginosus幼虫を放飼して、死虫率を調査した。
        結果: ランマンは、コナジラミ類の捕食天敵であるM.caliginosusに対し、殺虫効果はなかった。
  4. ワイン発酵に対する影響
    1. ブドウ果汁でのSaccharomyces cerevisiaeに対する抗菌性試験
      供試区 ランマン320ml/10a* 無処理区
      影響 - -
      方法: ランマンを散布したブドウ果実から果汁を作成、この果汁に寒天を添加、Saccharomyces cerevisiaeを植菌し、生育状況を観察した。
      考察: ランマン320ml/10aを処理した果実から得られた果汁内で、Saccharomyces cerevisiaeは正常に生育した。ランマンは実用使用量で、本菌の生育に影響を及ぼさないことが確認された。
      *ランマンフロアブル2000倍、200L/10a散布で100ml/10aに相当
    2. 発酵試験(Saccharomyces cerevisiae添加によるワインの発酵試験)
      方法: ランマンを散布したブドウ果実から作成した果汁を用いて発酵試験を行った。発酵はSaccharomyces cerevisiaeを添加して行い、その後炭酸ガスを脱気し、溶液の比重を測定した。(比重1以下で発酵終了とみなされる)
      考察: ランマンフロアブル(320ml/10a処理)は、Saccharomyces cerevisiaeを添加してのワイン発酵試験において、無処理区と同様の結果となった。従ってランマンフロアブルの実用濃度(2000倍、200g/10a処理:100ml/10a)の散布では、ワイン発酵に影響はないと考えられた。