農薬情報>展着剤


特長
■有効成分
:ソルビタン脂肪酸エステル・・・70.0%
:ポリオキシエチレン樹脂酸エステル・・・5.5%
■性状:淡褐色澄明油状液体
■毒性:普通物
マウスLD50 5000mg/kg(雄・雌)
ラットLD50  5000mg/kg(雄・雌)
■有効年限:5年
■包装:500ml×20

難防除害虫の対策には、効果の高い新薬の開発が求められますが、抵抗性などの問題から、それだけでは充分とはいえません。有効な対策としては、既存の殺虫剤を上手く活用することが必要になります。
スカッシュは、既存の殺虫剤に加用することで、効果をさらに安定・向上させる機能性展着剤(スプレー・アジュバント※)として、難防除害虫の対策にお役に立ちます。
主成分であるソルビタン脂肪酸エステルは食品添加物として、日常私たちが食しているパン、アイスクリーム、バターなどの乳化剤成分として使用している身近な成分です。
このソルビタン脂肪酸エステルは水に不溶で、少量の乳化剤によりマシン油のような油滴状に乳化するようにスカッシュは設計されています。
この油滴が大きな力、すなわち「アジュバント効果」を発揮します。

アジュバントと一般展着剤との違い

機 能
一般展着剤 ぬれ 付着


アジュバント ぬれ 付着 浸透 被膜 細胞膜撹乱・・・
スプレー・アジュバント
アジュバント(adjuvant)とは農薬の効果を増強する物質(機能性展着剤)のことです。
単なる濡れ性を高める一般的な展着剤(spreader)とは大きく性能が異なります。
農薬科学用語辞典には「広義には補助剤を意味する語であるが、一般には有効成分が本来持っている作用を改良する目的で用いられる物質をいう。有効成分の浸透移行性促進、溶出抑制、植物に対する薬害軽減、濡れ性の改良、薬剤飛散の抑制、混用性の改善などを目的に用いられる。」と記載されています。
アプローチBI、スカッシュ、サーファクタントWK、サーファクタント30、はアジュバントに分類されます。
  1. すぐれた濡れ性を有する機能性展着剤です。
    優れた濡れ性で乾きも速く、果菜類の汚れ軽減が期待できます。
  2. とくに殺虫剤(ダニ剤など)への加用で、薬効を安定・向上させます。
  3. しみこむ力をつけます。
    油滴が農薬を溶かし込み、「しみこむ力」をつけ、農薬の効果を高めます。
  4. 食品添加物がベース
    主成分は私たちの身近で使用されている油溶性の食品添加物をベースに用いています。
  5. 作物残留を高めることはありません。
適用作物及び使用方法
適用農薬名 作物名 使用量 使用方法
殺虫剤・殺菌剤 野菜類、いも類、豆類(種実)、果樹類、花き類・観葉植物、てんさい 5〜10ml/散布液10L 添加
10ml/散布液10L
摘果剤(NAC剤) りんご 10ml/散布液10L
農薬散布液とスカッシュ希釈液の状態

スカッシュは、油滴の中に農薬の粒子を溶かし込むことによってパワーを発揮します。

スカッシュと他アジュバントとのしみ込み方の違い
スカッシュの模式図
農薬の粒子はあまり細かくはしない代わりにクチクラワックスを軟化し、なじみながら浸透していく。

アプローチBIの模式図
農薬の粒子を細かくしてクチクラクラックの割れ目及び気孔から農薬を浸透させる。ワックスを溶かさないので展着剤そのものの薬害がない。

サーファクタントWKの模式図
クチクラワックスを溶解して表皮細胞中へ農薬を浸透させる。

※参考:水中の農薬の粒子の大きさの比較
1μ(ミクロン) :1ミリの1000分の1
1オングストローム :1ミリの1000万分の1
たばこの煙の大きさ :数μ
噴射ノズルから出る霧の粒 :数μから10μ
除草噴口から出てくる粒の大きさ :数十μから1500μ
被膜効果
  1. スカッシュ加用によるダニの虫体に対する被膜の状況
    スカッシュを加用した方は、ダニの虫体全体が均一に覆われているが、加用しない方は、ダニの胴体上ではじかれて、水球になっている。
    スカッシュ1000倍散布 水のみ散布
  2. ダニの表層を拡大して被膜をみると・・・(電子顕微鏡写真x1500)
    スカッシュ1000倍使用で、ダニの表面に単に付いているだけでなく、気門等にミクロのレベルでピッタリと付着しています。
    スカッシュ1000倍散布 無処理
濡れ性と汚れ軽減

B水和剤にスカッシュ1000倍を加用した場合と無加用の場合の濡れ性と果面の汚れの比較。
スカッシュ1000倍 無加用
散布直後
1時間後
試験成績






かんきつ:ミカンハダニの殺虫効果
茶:カンザワハダニの殺虫効果
野菜:アブラムシ類の殺虫効果
茶:炭そ病の防除効果
野菜:ナスの灰色かび病での防除効果
りんご:摘果剤(NAC剤)への混用効果
混用性の評価
使用上の注意
効果・薬害などの注意
  • 本剤を添加する適用農薬の使用方法を厳守するとともに、次のことに留意してください。
    1. 適用農薬の使用上の注意事項に、薬害の生じやすい作物、気象条件などが記載されている場合には、本剤の使用を避けること。
    2. 作物の幼苗期、高温時など一般に薬害の生じやすい条件では、本剤の使用を避けること。
  • スルフェン酸系、ジチアノン系、キノキサリン系、トリアジン系、ストロビルリン系殺菌剤には薬害を生じる恐れがあるので本剤を添加しないでください。
  • 本剤の茶に対する残臭期間は7日間であるので、使用は摘採7日前までとしてください。
  • 散布器具や容器はよく洗浄し、洗浄廃液は直接河川や用水路に流さず、環境に影響を与えないよう適切に処理してください。
  • 空ビンは圃場などに放置せず、環境に影響を与えないよう適切に処理してください。
  • 本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意してください。眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受けてください。
  • 本剤は皮ふに対して弱い刺激性があるので皮ふに付着しないよう注意してください。付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落としてください。
  • 散布の際は農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。作業後は直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換してください。
  • かぶれやすい体質の人は取扱いには十分注意してください。
  • 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤をはじめて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。
  • 作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯してください。
  • 本剤の使用に当たっては、必ずラベルをよくお読みください。また使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合には、病害虫防除所等関係機関の指導を受けていただくよう、お願い申し上げます。
安全使用・保管上の注意
  • 本剤は低温(10℃以下)で放置された場合、一部白濁沈殿を生じる場合がありますので、使用の際にはあらかじめ透明液体にもどしてから(10℃以上においておくか、温湯を用いて溶かす)使用してください。なお、一部白濁沈殿が生じた場合でも本剤の品質には問題はありません。
販売:丸和バイオケミカル(株)
製造:花王(株)