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平成12年度 病害虫発生 予報 第5号

平成12年8月24日農林水産省農産園芸局
向こう2ヶ月の主要な病害虫の発生動向は次のように予想され、特に稲、だいず および果樹のカメムシ類の発生が多目と見込まれます。
都道府県の発生予察情報に留意し、地域ごとの防除要否を見極めて、適時適切な防除指導が必要とされます。


作物別発生状況
普通作 果樹
稲 
葉いもちの発生は、九州の一部で「やや多い」と予想されます。
本年は、梅雨入り後も好天が続いたこともあり、いもち病の発生は全体的に少なく推移しましたが、今後出穂を迎える西日本において、上位葉に葉いもちが見られるほ場では、穂いもちの発生が懸念されます。
このため、ほ場における発生動向に引き続き注意を払い、上位葉に病斑が見られるほ場では、早急に追加防除するなど迅速な対応が必要です。
高温多湿条件で発生が懸念される紋枯病の発生は、「やや多い」から「多い」と予想されます。特に、西日本の昨年多発した地域では、増殖に好適な高温多湿条件が続くと、急激に上位葉および葉鞘まで進展し、減収、品質低下の原因となります。
このため、ほ場における発生動向に十分注意し、穂ばらみ期に防除を実施したほ場であっても、発病株が多いほ場では、更に乳塾期(出穂期の7〜10日後)の追加防除を実施する必要があります。

トビイロウンカの現在までの飛来量は、全国的に少ないものの、梅雨期に飛来が確認されています。トビイロウンカは、飛来量が少なくとも、増殖に好適な高温少雨が続くと急激に増加するので、ほ場の発生動向に引き続き注意して下さい。
斑点米カメムシ類の発生は、全国的に「やや多い」から「多い」と予想されます。
斑点米カメムシ類は、水田周辺の雑草地から水田に飛来しますが、高温によりその活動が活発化し、水田内への侵入が増加します。
今後、出穂を迎える地域においては、ほ場および水田畦畔の発生動向に十分注意し、発生が懸念される場合には、その防除適期である出穂期および乳熟期(出穂の7〜10日後)の2回防除を確実に実施して下さい。
なお、出穂期および乳熟期に防除を実施した場合であっても、その後も発生が認められる場合には、追加防除を実施することが必要です。

だいず 
大豆のハスモンヨトウおよび吸実性カメムシ類の発生は、「やや多い」と予想されます。
ハスモンヨトウは、齢が進んでからは薬剤の効果が上がらないので、ほ場における発生動向に十分注意し的確に防除して下さい。
吸実性カメムシ類は、開花期後の子実伸長期〜子実肥大期に防除を実施した場合であっても、その後も発生が認められる場合には、追加防除を実施することが必要です。
果樹カメムシ類の発生は、関東以西の地域で「やや多い」から「多い」と予想されます。
果樹カメムシ類は、斑点米カメムシ類と同様に高温で活動が活発化し、果樹園への侵入が増加するとともに、収穫期まで飛来すると見込まれます。
このため、果樹園への飛来動向には十分注意し、その飛来初期に的確に防除することが必要です。なお、発生が懸念される地域で、果樹園での予防的な防除は効果が低く、天敵が減少してカイガラムシ、ハダニ類の多発につながるので避けて下さい。
かんきつ 
かんきつかいよう病の発生は、関東および九州の一部で「やや多い」と予想されます。かいよう病は、台風による風雨で果実等に傷が付いた場合には、急激に蔓延しますので、今後とも台風の接近が予想される場合には、初期防除を徹底して下さい。
ミカンハダニの発生は、一部地域で「やや多い」と予想されます。ミカンハダニの秋の発生は、果実を直接加害し商品価値を低下させるとともに、冬期の落葉を助長させ、夏季の発生より被害が大きくなります。
このため、発生が懸念される地域では、果樹園における発生動向に十分注意して下さい。
チャノキイロアザミウマの発生は、一部地域で「やや多い」と予想されます。チャノキイロアザミウマは、高温乾燥が続くと多発することがありますので、ミカンハダニと併せて発生動向に注意する必要があります。

りんご 
斑点落葉病の発生は、東北の一部で「やや多い」と予想されます。
りんごのハダニ類の発生は、「やや多い」と予想されます。
ミカンハダニ同様、発生初期に防除が実施できるよう、果樹園における発生動向に十分注意して下さい。

野菜および花卉
「なす」のハダニ類の発生は、一部地域で「やや多い」と予想されます。
ネギアザミウマの発生は、一部地域で「やや多い」から「多い」と予想されます。
ハダニ類及びネギザミウマは、高温乾燥条件で多発しますので、ほ場の発生動向に十分注意して下さい。
「きく」のアザミウマ類の発生は、「やや多い」から「多い」と予想されます。アザミウマ類は、薬剤抵抗性が問題となっていますので、その防除にあたっては同一薬剤の連用を避けることが必要です。
ハスモンヨトウの発生は、「やや多い」から「多い」と予想されます。本虫の防除は、大豆の対策を参考にして的確に実施して下さい。
平成12年7月27日以降、各都道府県が発表している警報および注意報
警報
発表年月日 県名 作物名 病害虫名
7/27 石川 水稲 斑点米カメムシ類
7/28 富山 水稲 斑点米カメムシ類
7/28 福井 水稲 斑点米カメムシ類
8/1 兵庫 水稲 斑点米カメムシ類
8/3 新潟 水稲 斑点米カメムシ類
8/3 滋賀 水稲 斑点米カメムシ類
8/4 岩手 水稲 斑点米カメムシ類
8/8 広島 水稲 斑点米カメムシ類
注意報
7/27 福島 水稲 斑点米カメムシ類
7/27 新潟 水稲 穂いもち
7/27 奈良 水稲 穂いもち
7/27 岡山 水稲 斑点米カメムシ類
7/27 佐賀 いちご ハダニ類
7/27 佐賀 水稲 穂いもち
7/28 岩手 きゅうり 褐斑病
7/28 岩手 りんご ナミハダニ
8/1 愛知 だいず、野菜、花卉 ハスモンヨトウ
8/1 山口 水稲 斑点米カメムシ類
8/1 福岡 だいず ハスモンヨトウ
8/2 徳島 水稲 紋枯病
8/3 北海道 水稲 斑点米カメムシ類
8/3 兵庫 アブラナ科作物 ハイマダラノメイガ
8/3 大分 だいず、野菜、花卉 ハスモンヨトウ
8/3 大分 水稲 穂いもち
8/3 宮崎 水稲 いもち病
8/4 宮城 水稲 斑点米カメムシ
8/4 千葉 水稲 斑点米カメムシ
8/4 新潟 野菜類、花卉 ネキリムシ類
8/4 長野 水稲 斑点米カメムシ類
8/8 京都 豆類、野菜、花卉 ハスモンヨトウ
8/8 京都 だいず、あずき等豆類、果菜類 カメムシ類
8/10 宮城 だいず ダイズサヤタマバエ
8/10 佐賀 水稲 斑点米カメムシ類
8/10 佐賀 水稲 葉・穂いもち
8/11 鳥取 だいず カメムシ類
8/11 大阪 水稲 斑点米カメムシ類
8/11 熊本 水稲(早植え栽培) 穂いもち
8/16 奈良 かき、なし 果樹カメムシ類
8/17 茨城 畑作物、野菜 ハスモンヨトウ
8/18 青森 水稲 斑点米カメムシ類
8/18 三重 だいず、野菜、花卉 ハスモンヨトウ
連絡先: 農産園芸局植物防疫課・防除斑
酒井、阿部
TEL:直通 (3501)3964、
代表 (3502)8111、内線 4147
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