TOPICS>2001年4月

4月から変わる制度・仕組み

改正JAS(日本農林規格)法の本格運用

改正日本農林規格(JAS)法が4月1日から本格運用される。これにより遺伝子組み換え作物や有機農産物についての表示が義務付けられ、商品の信頼性が高まることが期待されている。一方で商品選別の目も厳しくなり、新法に対応して原料を選別するのに伴うコスト上昇を吸収する仕組みづくりも急がれている。
「4月から変わる制度・仕組み」の概要
改正JAS法のポイント
遺伝子組み換え食品  関連ページへ
4月以降、組み換え作物を原料に用いて製造した食品は「遺伝子組み換え」ないし「遺伝子組み換え不分別」と必ず表示。
組み換え表示をしない場合、だいず、とうもろこしは組み換え品の混入率5%を上限の目安とする。

有機農産物  関連ページへ
有機農産物の定義を「化学肥料と農薬を3年以上使用していないもの」に限定。
第3者機関による認証を義務付け。その旨を表示する。

コメ
産地、品種、生産年の表示義務を、登録卸業者だけでなく、農家や農協、小売業者など生産から流通まで拡大。
違反した場合、必ず業者などの名前を公表。いずれも違反者には50万円以下の罰金。


「組み換え」「有機」「銘柄」表示で高める信頼性
遺伝子組み換え食品の表示義務化
昨年は、日米で遺伝子組み換え とうもろこし「スターリンク」の混入問題が表面化。遺伝子組み換え食品に対する扱いに消費者の不信が高まった。もっとも4月以降製造分からの表示義務化に備え、国内では非組み換えへの移行が進み、組み換え表示を実際目にする機会は輸入加工食品などに限られそうだ。
これまでに国内で年間100万トンの需要がある豆腐や納豆向けの大豆では全量が、年間400万トンの需要がある食品・工業用とうもろこしでは食品向け300万トン弱が、非組み換え分別流通品へそれぞれ移行した。
非組み換え品への転換によるコスト増は食品メーカーにとって深刻。非組み換え作物は大豆で不分別品より1割強、とうもろこしで同2〜3割高く、原料コスト上昇分を製品価格に転嫁できていない。豆腐業界は「非組み換え原料に替えても(従来以上に)売れるわけではない」(木嶋弘倫・日本豆腐協会専務理事)との声も出ている。

有機農産物の表示義務化
有機農産物については農水省が1992年に指針を定めたが、強制力がないため、内容の疑わしいものも流通する結果となった。そのため4月からは第三者機関による認証を義務付けたのが最大のポイントだ。
認証作業は農水省に登録した認証機関が行う。書類審査のうえ検査員が農地や工場を実地検査。専門家で構成する判定委員会の審査にパスすれば「有機」の表示ができる。ただ有機認証の要件を満たすには、こまめな草取りなど生産コストがかさむため「価格は一般農産物に比べ2〜3割高」(ジャスコ)。消費者の低価格志向に合わせ、むしろ「認証基準が緩く価格も手ごろな特別栽培農産物の扱いに重点をおく」(ダイエー)スーパーも多い。
割安な輸入有機品への期待も大きいが有機栽培の方法は国ごとに違う。これを調整する認証基準の政府間協議は難航。
このため「リスクの大きい海外農産物の認証は極力避けたい」(日本オーガニック農産物協会)という認証機関も多い。

コメ表示規制強化
コメは産地、品種、産年の表示義務が卸業者には以前からあったが、不当表示も横行していた。今後はコメ流通にかかわるすべての物が正しい表示を順守しなければならない。そのため、人気の高いブランド米は卸しの買いが殺到して卸段階で大幅に値上がりするケースも起きている。
その象徴は最高級銘柄の新潟・魚沼産コシヒカリ。27日の自主流通米価格形成センターの昨年産米の第9回入札会は落札価格が60`35889円と、直近2回の入札会でざっと12000円高くなった。小売価格も「一時は5`3500円だったが、近く4000弱まで引き上げざるを得ない」(イトーヨーカ堂)。他方、消費者の選別の目が厳しくなるため「産地間の生き残り競争が厳しくなる」(東京都内の卸業者)と見られている。