TOPICS>2002年9月

生分解性つる巻きネット開発

--- すいか栽培に、作業性、強度も十分 ---
石川県農業総合研究センター砂丘地農業試験場(宇ノ気町)は、同県工業試験場と連携し、今春に開発した生分解性プラスチック製のつる巻きネットの性能テストを進めていたが、14日までに、強度や作業性について問題がないことを確認した。ネットはスイカなどのつるを固定するためのもので、収穫後はつると一緒に堆肥化ができ、環境に優しい農業の推進や、農家の作業軽減につながるとして、普及を目指す。
すいか栽培ではつるの固定に、ポリエチレン製のつる巻きネットが使われている。しかし、収穫後は、絡みついたつるとネットを分離して処分することが求められ、農家は対応に苦慮している。
同県工試では、環境問題に対処する技術として、十年前から全国に先駆けて生分解性プラスチックに着目し、これまでにも同県水産総合センターと共同で生分解性繊維を使ったカニかごなどの開発をしてきた。
今回のつる巻きネットも、砂丘地農試の提案をもとに、工試が中興化成工業(東京)と共同で開発し、名古屋セロン(名古屋)の設備を使って製品化した。
つる巻きネットは、直径2ミリのチューブで作ったネットを、形状安定させるため短冊状のテープでとめており、幅は1.15メートル、長さは200メートル。
工試繊維部の山本孝主任研究員は「ポリ乳酸など数種類の生分解性プラスチックの中から、要求される強度や分解速度などに合ったものを選定して成形した。栽培中は変化せず、収穫後につると一緒に巻き取って土に埋めると、半年から1年ぐらいで分解することを設計上のポイントとした」としている。
10アールのすいか畑で、生分解性マルチと組み合わせて性能テストを行った砂丘地農試砂丘野菜科では「圃場に敷く時に、引っ張ってもちぎれることはなく、また分解が早くて実に付着することを心配したが、着色管理ですいかをころがしても、くっつくことはなかった」と話す。
一部、かぼちゃでも同様の試験を実施したが強度は十分で、作業性に問題はなかったという。
同県農業総合研究センターでは、生分解性プラスチック資材実用化研究会で現地実証試験と分解性の評価テストを継続し、県内農家への普及を図っていく。