農薬情報>殺虫剤>性フェロモン剤


特長
種類名 リトルア剤
有効成分 (Z,E)-9,11-テトラデカジエニル=アセタート・・・69.7%
(Z)-9,12-テトラデカジエニル=アセタート・・・7.3%
性状 淡黄色澄明可乳化油状液体(ポリエチレン細管に封入)
毒性 普通物
安全性 製品安全データシート信越化学工業(株)へのリンク)
有効年限 1.5年
包装 50m巻×12、(20cm×100 体)×40 袋
  1. ハスモンヨトウ防除に新しく開発されたフェロモン剤「ヨトウコン-H」は、これまでの殺虫剤とは全く異なった交尾阻害という特徴を持つ新時代の防除剤です。
  2. 交尾を阻害して次世代の密度増加を抑制!
  3. 高い安全性
  4. 天敵に安全
  5. 長い有効期間
  6. 優れた作業性

ヨトウコン−Hの製品ページへ
(製造・販売元 サンケイ化学(株)へのリンク)

適用内容
作物名 適用病害虫 使用量 使用方法 使用時期 適用場所 使用目的 適用地帯
設定なし ハスモンヨトウ 20〜200m/10a
(20pチューブの場合100〜1000本)
露地(作物上に支柱等を用いて固定する) 成虫発生初期から終期まで ハスモンヨトウ加害作物栽培地帯 交尾阻害 設定なし
施設(施設内上部に固定する、又は枝等に巻き付ける)

ヨトウコン−Hのちらし (信越化学工業(株)へのリンク)
ヨトウコン−Hの技術情報 (サンケイ化学(株)へのリンク)

使用方法
  • 使用量
    1. 露地の場合
      (10アールあたり20cm チューブ100 〜1000本)対象作物の圃場面積が10ha以上の場合は、10アールあたり100本とし圃場全体に処理して下さい。10ha未満の場合は、使用量の範囲で、とくに周辺部に多めに設置して下さい。
    2. 施設の場合
      (10アールあたり50m巻チューブ20 〜200m、または20cmチューブ100 〜1000本)ハウスの間口約10mにつき1本の割合で、50m巻チューブをハウスの端から端まで張り渡して下さい。また、20cmチューブをハウス内の周辺部分は多めに、中央部分は少なめにし、設置間隔は均等に設置して下さい。
  • 使用方法および取り付け位置
    1. 露地の場合
      支柱や棚、ネットなどがある圃場では、そこにチューブを取付けて下さい。取付ける場所がない圃場では支柱を立て、そこにチューブを取付けて下さい。取付の際、作物の生育や栽培管理作業の支障とならない高さに取付けて下さい。
    2. 施設の場合
      ハウス内のパイプや鉄線などを利用し、施設上部にチューブを取付けて下さい。露地の場合と同様に、支柱を立てて設置することも可能です。
上手な使い方
  • 施設内の上部、なるべく天井に近い部分に処理して下さい。
  • 内部にカーテンを付ける場合には、カーテンの内側に処理して下さい。
  • ハウスの間口10m につき、1 本の割合でハウスの端から端まで張り渡すと、100m/10a 処理になります。(間 口5m に一本で200m/10a 処理)
  • ハスモンヨトウ成虫の密度が少ない時から設置すると効果的です。
  • 処理時にハスモンヨトウの密度が高い場合には、適当な殺虫剤を併用して下さい。
  • 野外でハスモンヨトウ成虫が発生する時期に処理する場合、交尾済みの雌成虫の侵入を防ぐために、開口部に防虫網等を設置して下さい。
  • 有効期間は3 〜 5 ヶ月です。(ハウス内の気温で左右されます。)
  • 裾換気の場合、有効成分が換気部分から流れ出てしまいます。下部で換気するハウスでは使用できません。
使用量の目安
  • 処理する時期により、ヨトウコンーH の処理量を調整してください。
  • 下表は目安です。ハスモンヨトウの発生量・気温等により適宜調整して下さい。
時期 ハウス外でのハスモンヨトウ発生状況 処理量/10a その他
春〜夏 発生が始まる。密度は徐々に増加する。 150〜 200m 防虫網を併用
ハウスへの飛び込みが見られる。
夏〜秋 7〜9月に発生がピークに達する。 200m 防虫網を併用
ハウスへの飛び込みは多い。
秋〜冬 発生が徐々に収まる。11 月以降はハウスへの飛び込みは少ないか、なくなる。 100 〜 150m 防虫網を併用(初期)
冬〜春 野外での発生はない。 100m
ハウスへの飛び込みは見られない。
試験成績
大葉(施設)のハスモンヨトウに対する効果
大阪農林技術センター 1992
  • 試験場所:大阪府摂津市現地ハウス
  • 供試作物:しそ(大葉)1991年9月6日定植
  • 処理月日:1991/11/16、1992/2/25(2回処理)
  • 処理薬量:200m/10ax2回
ぶどう(ハウス栽培)のハスモンヨトウに対する効果
岡山農試 1996

  • 試験場所:岡山県岡山市古都宿現地ハウス
  • 供試作物:ぶどう(デラウェア)6〜7年生、12月初旬加温、4月収穫
  • 処理月日:1996/2/5
  • 処理薬量:200m/10a
使用上の注意
効果・薬害などの注意
  • 本剤はハスモンヨトウ雄成虫の交尾行動を連続的に阻害して雌雄の交尾率を低下させ、次世代の幼虫の密度を抑えることを目的としています。
  • 本剤の使用にあたっては、10アールあたり20〜200m(20cmチューブの場合100〜1000本)ですが、立地条件や風向、傾斜等により効果が振れる場合があるので、諸条件から判断して、必要な場合は使用量の範囲で、特に周辺部に多めに設置することをおすすめします。
  • 本剤は、通常1回の使用で4ヶ月程度の効果が期待できますが、気温の高い施設ではそれより早く効果が低下することがあります。また、ハスモンヨトウの発生期間がそれより長い場合は2回目の使用をすることをおすすまします。
  • 本剤は発生密度の高い場合には効果が低下することがあるので、他の薬剤と併用してください。
  • 施設で使用する場合、既交尾のハスモンヨトウ雌成虫には効果がないので、施設開放部に寒冷紗等を張り、これらが施設外より飛来しないように努めてください。
  • 下部で換気をおこなっている施設では使用しないでください。
  • 設置の際、面積に応じてポリエチレンチューブを切断する場合は、必ず20cm 間隔でヒートシールされている部分 を切断してください。
  • 本剤は、外装のアルミ箔袋を開封したまま放置すると、有効成分が揮散するので、必ず使用直前に開封して使用し、冷暗所(5℃以下)において保管してください。
  • 本剤の使用にあたっては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、とくに初めて使用する場合には病害虫防除所等の指導を受けることをあすすめします。
安全使用・保管上の注意
  • 本剤は皮膚に対して弱い刺激性があるので、皮膚に付着しないよう注意してください。
  • 付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落としてください。
  • 使用の際は手袋を着用してください。
  • 危険物第四類第三石油類に属するので火気には十分注意してください。
  • 火気をさけ、直射日光が当らない低温な場所に密封をして保管してください。
製造: 信越化学工業(株)
販売: サンケイ化学(株)