農薬情報>展着剤



特長
種類名 展着剤
有効成分 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル・・・24.0%
性状 無色透明液体
毒性 普通物
安全性 製品安全データシート丸和バイオケミカル(株)へのリンク)
有効年限 5年
包装 500ml×20 5L×4

ドライバーは、花王株式会社が開発した植物原料由来の新しい高濡れ性展着剤(アジュバント)です。農薬散布時に薬液をはじいてしまうようなワックスの強い作物に対し、特に効果を発揮するよう設計され、散布した薬液をより確実に作物表面へ付着、拡展させます。

アジュバントと一般展着剤との違い

機 能
一般展着剤 ぬれ 付着


アジュバント ぬれ 付着 浸透 被膜 細胞膜撹乱・・・
スプレー・アジュバント
アジュバント(adjuvant)とは農薬の効果を増強する物質(機能性展着剤)のことです。
単なる濡れ性を高める一般的な展着剤(spreader)とは大きく性能が異なります。
農薬科学用語辞典には「広義には補助剤を意味する語であるが、一般には有効成分が本来持っている作用を改良する目的で用いられる物質をいう。有効成分の浸透移行性促進、溶出抑制、植物に対する薬害軽減、濡れ性の改良、薬剤飛散の抑制、混用性の改善などを目的に用いられる。」と記載されています。
アプローチBIスカッシュ、サーファクタントWK、サーファクタント30、はアジュバントに分類されます。
  • ドライバーは高い濡れ性を持つ展着剤に求められる性能を、さまざまな点で改善しています。高い濡れ性を利用し平面に濡れ広がる能力だけでなく、隙間に入り込んでいく能力、散布した薬剤の乾きが早いこと、適用作物への安全性が高いことなども特長として挙げられます。
  • すぐれた濡れ性
    葉の表面のワックスの強いキャベツに対し、ドライバーを添加することによりムラなく広がっていきます。
     濡れ広がりの様子の動画
  • すき間への濡れ広がり
    ドライバーを添加することにより、作物の隙間にも素早く濡れ広がっていきます。
  • 乾きの早さ
    ドライバーを添加した薬液は素早く濡れ広がるため。散布した薬液の乾きが早まります。
  • 汚れの軽減
    薬液が乾いた後に斑点状に跡が残る汚れが問題となる場面で、農薬散布による汚れを軽減します。

ドライバーの製品ページへ
(製造・販売元 丸和バイオケミカル(株)へのリンク)

動画で見る「ドライバーのすぐれた濡れ性」
有用昆虫への影響
供試虫 試験方法 判定
セイヨウミツバチ 直接噴霧
クロマルハナバチ 直接噴霧
チリカブリダニ 直接噴霧
ミヤコカブリダニ 直接噴霧
スワルスキーカブリダニ 直接噴霧
オンシツツヤコバチ マミーの浸漬処理
タイリクヒメハナカメムシ 虫体浸漬処理
【判定基準】
◎:死亡率0〜30% △:80〜99%
○:30〜80% X:99〜100%
(1000倍使用)
※日本生物防除協議会の評価基準(室内試験)を参照
(2019株式会社エスコ)
適用作物及び使用方法
作物名 適用病害虫/雑草 希釈倍数・使用量 使用方法 適用農薬名
穀類 設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺虫剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺菌剤
野菜類 設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺菌剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺虫剤
果樹類 設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺菌剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺虫剤
花き類・観葉植物 設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺菌剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺虫剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 オキサジクロメホン、クロリムロンエチル等の除草剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺菌剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺虫剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺虫剤
設定なし 2〜10mL/散布液10L(1000〜5000倍) 添加 殺菌剤

ドライバーの技術資料 (丸和バイオケミカル(株)へのリンク)
ドライバーのチラシ (丸和バイオケミカル(株)へのリンク)

すぐれた濡れ性による効果
  • すぐれた濡れ性による効果 
    1. 作物への付着とぬれ
      水をはじきやすいねぎでは、薬液の付着が低下します。ドライバーを添加することにより、作物表面に薬液がきれいに濡れ広がります。
      A展着剤 ドライバー
    2. すき間への広がり
       ねぎの隙間へ濡れ広がる動画
    3. 乾きの早さ
      ドライバーを添加した薬液は薄く濡れ広がるため、散布した薬液の乾きが早まります。
      散布直後 5分後 10分後 20分後
      ドライバー
    4. 汚れの軽減
      薬液が乾いた後に斑点状に残る汚れが問題となる場面で、農薬散布による汚れを軽減します。
      展着剤無加用 ドライバー添加
      散布時
      散布時
      乾燥後
      乾燥後

  • 作物への安全性
    ドライバーの作物に対する安全性を確認するために、通常の使用倍率よりも高い濃度で散布した様子です。高濡れ性の展着剤で見られることのある焼けなどの症状が、通常使用量の4倍量の処理でも見られず薬害を引き起こしにくい展着剤です。
    ドライバー4倍量 B展着剤4倍量

  • 泡立ちが抑えられている
    代表的な高濡れ性展着剤で問題となる、薬液調製時の泡立ちを低く抑えています。
    10 12 32 41
    ドライバー A展着剤 B展着剤 C展着剤

  • 殺菌剤との混用効果
    シャーレ内のD殺菌剤の濃度を薄めるに従い効果が下がっていきますが、ドライバーを添加した培地では成分の取り込み量が増え、効果が見られます。
    殺菌剤濃度
    (ppm)
    殺菌剤のみ
    (展着剤無添加)
    ドライバー添加
    (1000倍)
    D展着剤添加
    (5000倍)
    2ppm
    1ppm
    0.5ppm

  • 圃場での効果(キャベツの黒腐病に対する効果
    • 試験場所:
      丸和バイオケミカル活「見開発センター
    • 試験方法:
      E殺菌剤に展着剤を添加し薬剤処理15日後に発病面積を調査し、防除価を求めた。
    • 処理日:2018年8月17日
    • 調査日:2018年8月20日
    2018 社内試験
使用上の注意事項
  • 使用量に合わせ薬液を調製し、使い切ってください。
  • 本剤を添加する適用農薬の使用方法を厳守するとともに、次のことに留意してください。
    • 適用農薬の使用上の注意事項に、薬害の生じやすい作物、気象条件などが記載されている場合には、本剤の使用をさけてください。
    • 作物の幼苗期、高温時など、一般に薬害の生じやすい条件では本剤の使用をさけてください。
  • 本剤は通常の使用において、自動車の塗装等に影響を与えることはありませんが、希釈前の原液は塗装表面の剥離などの影響を及ぼすことがあるので、薬剤調合の際には十分注意してください。
  • 散布器具や容器はよく洗浄し、洗浄廃液は直接河川や用水路に流さず、環境に影響を与えないよう適切に処理してください。
  • 空ビンは圃場等に放置せず、環境に影響を与えないよう適切に処理してください。
  • 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをおすすめします。
  • 眼に入らないように注意してください。目に入った場合は直ちに水洗し、眼科医の手当てを受けてください(刺激性)。使用後は洗眼してください。
  • 散布時は手袋、長ズボン・長袖作業衣などを着用して薬剤が皮ふに付着しないよう注意してください。皮ふについた場合は直ちに石けんでよく洗い落としてください(刺激性)
  • 空ビンは圃場などに放置せず、3回以上水洗し、適切に処理してください。洗浄水はタンクに入れてください。
  • 危険物第四類第三石油類に属するので火気には十分注意してください。
  • 火災時は、適切な保護具を着用し消火剤等で消火に努めてください。
  • 漏出時は、保護具を着用し布・砂等に吸収させ回収してください。
  • 移送取り扱いはていねいに行ってください。
  • 保管
    密栓し、火気をさけ、食品と区別して、直射日光の当たらない冷涼な所に保管してください。
  • 本剤の使用に当っては、必ずラベルをよくお読みください。また使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合には、病害虫防除所等関係機関の指導を受けていただくよう、お願い申し上げます。
販売:丸和バイオケミカル(株)