農薬情報>殺虫剤>グリンガードエイト

グリンガードエイトの使用方法

加圧注入


グリンガードおよびグリンガード・エイトの加圧注入法は、専用の加圧ボトルとガスボンベを用いて加圧することで薬剤を樹体内に強制的に注入する方法です。これにより、自然圧条件下では薬剤の入りづらいマツ(難注入木という)にも薬剤を注入出来ます。さらに、薬剤の注入に要する時間を短縮できますので、短期間で多数のマツに施工しなくてはならないような場合に、作業効率をアップすることが可能です。確実に、そして効率よくグリンガード及びグリンガード・エイトを大切なマツに注入したい場合、この加圧注入法をお試し下さい。
加圧注入法は専用の器具を「加圧」して使用しますので、以下に解説します手順と方法に従い、正しく、そして安全に施工して頂きますようよろしくお願いします。
なお、加圧注入法においても施工上の注意事項は自然圧注入法(樹幹注入)が基本となります。
施工前準備
  1. 加圧ボトル本体にノズルキャップをしっかりと取り付ける。
    ノズルキャップは、製品に添付されているものを使用します。一部のグリンガードは、ノズルキャップが加圧ボトルに合いませんのでご注意ください。
  2. 底ブタに専用ガスボンベをしっかりと取り付ける。
    底ブタのガス噴射用ボタン(プランジャー)が写真の通りゆるめた(OFF)状態にあることを確認した上で、底ブタに専用ガスボンベをしっかりと取り付けます。
    ※注意:
    プランジャーがOFFの状態でなく、締めた(ON)状態で専用ガスボンベを取り付けると、ボンベ内のガスが噴射し危険ですので、必ずプランジャーがOFFの状態であることを確認した上で取り付けて下さい。
施工時の注意事項
  1. 樹幹部に穴をあける。
    樹幹部に直径6.5mm、長さ10cmの木工用ドリル刃で、下方35°位の角度で深さ9cmの穴をていねいにあけて下さい。
    ※注意:
    40°以上の角度で穴をあけると、2気圧の加圧により薬液が逆流し、形成層傷害発生の原因となりますので避けて下さい。
  2. 空の加圧ボトルを打ち込む。
    底ブタをはずした空の加圧ボトルの底を強くたたき、ノズルキャップの根元(ノズル先端部から35mmの深さ)までしっかりと穴に打ち込んで下さい。
  3. 加圧ボトルに薬液を入れる。
    薬液は加圧ボトルの底部から入れて下さい。その際、最初に5cc程度入れ、ノズル先端部の気泡が抜けてくる(エアー抜き)ことを確認してから残量を入れて下さい。
    加圧ボトル1本に入れる薬量
    :薬液の注入完了までに要する時間を考慮した場合、次の量が効果的です。
    ・グリンガード(140ml)・・・・・・・3〜4アンプル(420〜560ml)
    ・グリンガード・エイト(220ml)・・2〜3アンプル(440〜660ml)
  4. ガスボンベ付き底ブタを取り付ける。
    2で用意した専用ガスボンベ付きの底ブタを、加圧ボトルの底部に取り付けます。その際、底ブタはガス漏れしないようしっかりと取り付けて下さい。
  5. ガスをボトル内に噴出させる。
    1. プランジャー(ガス噴出用ボタン)を押し、
    2. そのまま右方向に止まるところまで回すと、プランジャーが固定し(ONの状態)、ガスがボトル内に噴射されます。その後は自動的にボトルの内圧を約2気圧に保ち続けます。
  6. ガスの噴出とガス漏れや薬液の漏れがないことを確認する。
    加圧ボトル内にガスが放出され散る「シュー」という音と、底ブタからのガス漏れがないことを確認して下さい。
    底ブタからのガス漏れがないか確認する時は、写真のようにボトルの側面から底ブタの部分を観察します。ガスが底ブタから漏れている場合、気化したガスが底ブタとボトルの境目からユラユラと漏れてくるのが確認できます。同時に注入孔の周囲の樹幹部より薬液が漏出していないかどうかも確認して下さい。万一、ガス漏れや薬液の漏出が確認された場合は、直ちにプランジャーを左に回してOFFの状態にしてガスの噴射を中止するとともに、ボトル内の加圧された残存ガスを一旦放出してから打ち直して下さい。
  7. 「アルミ製日除けカバー」をかぶせる。
    ガスの噴出とガス漏れがないことを確認した後、必ず専用の「アルミ製日除けカバー」を加圧ボトルにかぶせて下さい。「アルミ製日除けカバー」を加圧ボトルにかぶせずにそのまま放置すると、日光の照射によりボトルの内圧が異常に上昇し加圧ボトルが破裂する恐れがあります。
加圧ボトルの取り外し方
  1. 注入完了後、ガスの噴射を止め、加圧ボトル内の残存ガスを放出する。
    薬液の注入が完了しましたら、プランジャーを左へ回しOFF(ゆるめた状態)にします。こうすることで専用ガスボンベからのガス噴射を止め、同時にボトル内の加圧された残存ガスを放出し、加圧ボトルを安全に幹から抜き取ることができます。
    ※注意:
    10の操作を行わずにボトルを直接樹幹から抜き取ると、ノズル先端から急激にガスが放出され、顔などに加圧ボンベが当たったり、薬の残液が身体に吹きかかり大変危険ですので、必ず順序通りに操作します。
  2. 底ブタをはずす。
    底ブタからボトル内の残存ガスが放出されたことを確認してから、底ブタを加圧ボトルからはずして下さい。
  3. 注入孔から加圧ボトルを抜き取る。
    底ブタをはずし加圧ボトル内に薬液がないことを確認した後に、注入孔から加圧ボトルを抜き取って下さい。
  4. 底ブタから専用ガスボンベを取り除く。
    専用ガスボンベは1回ごとの使い捨て用として作られていますので、使用後は底ブタから取り外して次の通りに処分して下さい。
  5. 使用済の専用ガスボンベに穴をあける。
    使用済みの専用ガスボンベ内には、まだ液化ガスが残っていますので、そのまま廃棄すると処分時にボンベ内のガスが爆発し大変危険です。
    使用済の専用ガスボンベは必ず穴をあけ、中のガスを完全い放出してから処分して下さい。
    穴をあける際は、残存ガスが気化し勢いよく噴き出しますので、顔や身体に近づけたり、人に向けて穴をあけないようにします。
  6. 資材類の手入れ。
    加圧ボトルは5回まで反復使用できます。使用済みの加圧ボトル、底ブタ、ノズルキャップは、次回使用のため、薬剤やゴミ、ホコリをきれいに洗浄して下さい。また、ボトル先端や内部底ブタなどにまつヤニが付着した時は、使用当日なら温湯で、日数が経過した時は灯油で洗浄すれば松ヤニは除去できます。