農業と環境>臭化メチル削減計画

代替薬剤・その他の代替技術の開発状況

代替薬剤の開発状況
臭化メチルのセンチュウ防除効果を代替できる薬剤の開発はかなり進展しているが、土壌病害(糸状菌、細菌、ウイルス)防除効果を代替できる新規のくん蒸剤などの開発は難行しており、特に土壌伝染性ウイルスの代替薬剤は現在のところ有効なものが開発されていない。
現在、国の補助事業で、臭化メチル代替薬剤の開発を促進するため、既存化学物質の代替の可能性の確認および製剤化を中心に検討を行っているところである。
その他の代替技術の開発状況
現在、国の試験研究機関などにおいて、熱水消毒技術、代替薬剤の効果的使用法、組合せ効果の検討、大気中への放出抑制技術の開発などが実施されてきている。
また、平成9年度から開始している国の補助事業「臭化メチル代替技術緊急確立事業」の活用などを行いながら、都道府県でも代替技術の確立・実証が行われており、いちご萎黄病、ショウガ根茎腐敗病の代替薬剤による防除、トマト土壌病害虫の湛水太陽熱処理などの対応が執られている。その他各都道府県で問題となっている病害虫に対して各都道府県試験研究機関で代替剤、太陽熱処理、抵抗性品種、  微生物、台木の選択、有機質土壌などの組み合わせによる効果の検討などが進められている。
臭化メチル代替技術緊急確立事業による主な取組の概要
作物名 病害虫 代替技術
トマト 青枯病
萎ちょう病
センチュウ等
湛水太陽熱処理と代替農薬組合せ
対抗植物、  微生物の組合せ
代替農薬の施用時期、処理法の改善
いちご 萎黄病
萎ちょう病
センチュウ等
隔離育苗、代替農薬の組合せ
代替農薬の施用時期、処理法の改善
太陽熱処理と代替農薬組合せ
メロン 黒点根腐病
えそ斑点病
つる割病
センチュウ
蒸気消毒
代替農薬処理法改善、台木選定など
代替農薬の施用時期、処理法の改善
きゅうり つる割病
センチュウ
代替農薬の施用時期、処理法の改善
しょうが 根茎腐敗病
代替農薬の施用時期、処理法の改善
代替農薬、熱水消毒の組合せ
きく 萎ちょう病
センチュウ
代替農薬
目前に迫ってきたこの厳しい削減に対処するために、水省植物防疫課主催により、平成12年1月26日〜28日、2月3日〜4日にかけて、臭化メチル使用量の多い花卉類、スイカ、メロン、トマト、いちごに関しての代替技術検討会が開催された。
参考臭化メチル代替技術の作物別検討