ヤマハ産業用オートパイロットマルチローター |
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農業用無人ヘリコプターの特徴 |
1.小型軽量で小回りが利く。 |
2.低空飛行(3〜5m)ができるため薬剤の飛散など周辺への影響が少ない。 |
3.水稲では、1機1日当り3〜4人の作業員で10〜30fの散布作業が可能である。 |
農業における無人ヘリコプターの利用は、効率的かつ経済的な省力技術として1991年に実用化され、約6000fの事業規模で本格的にスタートし、十数年が経過した。その間、無人ヘリ製造会社や販売会社などの地道な営業活動により、年々その事業面積は拡大してきている。
2003年度における無人ヘリの利用は全国で56万2800fとなり、北海道で72788f、山形県で48289f、秋田県で46841fと東京都、神奈川県、大阪府、沖縄県を除く43道府県で実施されている。分野別には水稲病害虫防除で474260f、畑作物病害虫防除では麦類・小麦類で38964f、だいず・あずきで45576f、アスパラガスで1f、れんこんで39f、山芋で23f、果樹病害虫防除では、かんきつ・みかんで30f、松くい虫防除で2820fなどとなっている。
これら事業に用いられた無人ヘリは、神奈川、大阪、沖縄を除く44都道府県に1891機があり、そのオペレーターは全国47都道府県で9574人が登録され事業に従事している。機体の所有は、農協、共済・農業公社、防除組合、そのほか防除業者(企業など)地方自治体、農業(個人)の事業者であり、これまでの農業とは緑の薄かった他業種からの進出もみられる。機種では新機種のより安定した飛行性、操作性を有する
RMAX TypeUGおよびAYH-3が今後メーンとなって導入され、普及していくと思われる。
このように無人ヘリが広く利用されてきた理由の一つに防除器具としての利便性があり、高齢化した労働力の補完や快適作業の追及をはかりつつ、経営規模の拡大や生産コストの低減が可能であるとの評価から、若い後継者を中心に無人ヘリを取り入れた農業経営を行う例がみられる。
無人ヘリによる農薬散布は、ある程度の地域のまとまりが必要だが、転作による他作物や特殊な栽培ほ場の混在、住宅の農村部への進出など利用を困難にする要因も出てきており、特に有機栽培などのほ場が存在する地区などでは、当該生産者の理解と協力が得られるよう事前の十分説明と所要の対策をとること、広域に散布するところから周辺への影響を極力少なくするため、農薬の正しい使用法を徹底することが必要である。また、2003年3月に施行された改正農薬取締法ならびに農林水産省・環境省により、新たに使用者段階での適正な使用を義務付けられたことを受け、無人ヘリ機体製造メーカー、農薬メーカーなどの協力により「無人ヘリコプター用農薬」のサイトを作成した。このサイトでは、作物別・対象病害虫別農薬検索、農薬解説だけでなく、機体などの最新情報、安全対策などの情報を提供している。 |
「産業用 無人航空機用 農薬」・・・(社)農林水産航空協会提供 |
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適応作物 |
現在無人ヘリコプターが利用できる適応作物は下記15作物で病害虫防除、除草、播種などの作業が行われている。 |
水稲、麦類(小麦含む)、だいず、あずき、だいこん、れんこん、たまねぎ、 |
しょうが、キャベツ、くり、かんきつ(みかん)、さとうきび、アスパラガス、 |
やまのいも、まつ(生立木)、ばれいしょ、日本芝、かんしょ、てんさい |
とうもろこし |
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利用にあたっての注意点 |
- 有人ヘリコプターの導入が困難な地域又は補完防除体制が確立できない地域については、無人ヘリコプターの利用を検討し、その際は、安全運航及び農薬の適切な取扱いに十分留意するよう努める。
- 無人ヘリコプターを利用する場合においても、飛来する農薬が原因となって有機農産物に関する認証が受けられなくなる等の防除対象以外の農作物への被害が生じないよう必要な措置の徹底に努める。
- 無人ヘリコプターの適正利用による安全性の確保、機体及びオペレーターの有効利用によるコスト低減等を推進するため、県レベルでの協議会の設置等の組織整備に努める。
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作業実績(無人ヘリコプターの利用状況) |
無人ヘリコプターによる病害虫防除などの作業は水稲を中心に、麦、だいず、野菜類、果樹などで実施されており、平成16年度の実施面積は43道府県で約663千万fであり、年々増加している。また、平成16年度末現在、機体数は2,005機、オペレーター数は10,719名となっている。 |
年度 |
99 |
2000 |
01 |
02 |
03 |
04 |
作業面積 |
279 |
349 |
398 |
452 |
563 |
663 |
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麦類 |
8.8 |
11.1 |
14.4 |
20.7 |
39.0 |
46.1 |
だいず他 |
13.2 |
24.1 |
31.8 |
41.1 |
49.6 |
50.2 |
機体数 |
1,284 |
1,420 |
1,558 |
1,681 |
1,905 |
2,005 |
オペレーター数 |
6,690 |
7,459 |
8,117 |
8,953 |
9,574 |
10,719 |
所用区分 |
事業者数 |
機体数 |
農業協同組合 |
245 |
537 |
共済組合(農業公社含む) |
58 |
151 |
防除組合 |
261 |
382 |
その他防除業者(企業など) |
234 |
475 |
地方自治体 |
44 |
69 |
農業者(個人) |
252 |
277 |
計 |
1,094 |
1,891 |
機種 |
機数 |
R-50 |
603 |
RMAX |
600 |
RMAX TypeU |
141 |
RMAX TypeUG |
58 |
YH300 |
366 |
AYH-3 |
98 |
RPH2 |
15 |
散布方法の違いによる作業料金の比較(10a当たり) |
区分 |
1日当たり
散布面積 |
作業要員数 |
1日当たり
稼動時間 |
備考 |
動噴 |
3ha |
2人 |
6時間 |
散布巾10〜15m |
有人ヘリコプター
(中型) |
230〜290ha
190〜230ha |
4〜6人
5〜7人 |
4時間 |
液剤少量散布(3〜16倍)
液剤散布(15〜75倍) |
無人ヘリコプター |
10〜20ha |
2〜3人 |
5時間 |
液剤少量散布(3〜16倍) |
(注)
動噴(動力噴霧器)については生産局生産資材課当時調べ、他の資料については植物防疫課調べ |
区分 |
1時間当たり散布面積 |
作業要員数 |
備考 |
動噴 |
0.5ha |
2人 |
散布巾10〜15m |
有人ヘリコプター
(中型) |
58〜73ha
48〜58ha |
4〜6人
5〜7人 |
液剤少量散布(3〜16倍)
液剤散布(15〜75倍) |
無人ヘリコプター |
2〜4ha |
2〜3人 |
液剤少量散布(3〜16倍) |
(注)
動噴(動力噴霧器)については生産局生産資材課当時調べ、他の資料については植物防疫課調べ |
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機体諸元(平成14/1月現在) |
機種 |
R-50 |
KG-135 |
YH300 |
KG-200 |
RMAX |
MC-275 |
RPH2 |
全長 |
3,580 |
3,820 |
3,950 |
3,825 |
3,630 |
3,785 |
5,300 |
自重 |
44 |
58 |
61、5 |
54 |
58 |
59 |
230 |
薬剤搭載量 |
10 |
10 |
24 |
11 |
24 |
20 |
60 |
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(有・無人)ヘリコプターによる散布に登録のある農薬一覧 |
無人ヘリコプター用登録農薬は20作物に対し98剤、延べ122剤(平成14年4月現在) |
作物名 |
剤数 |
作物名 |
剤数 |
作物名 |
剤数 |
水稲 |
80 |
れんこん |
2 |
かんきつ(みかん) |
7 |
麦類(小麦含む) |
4 |
たまねぎ |
4 |
さとうきび |
1 |
だいず |
10 |
しょうが |
1 |
アスパラガス |
1 |
あずき |
1 |
キャベツ |
1 |
まつ(生立木) |
1 |
だいこん |
1 |
くり |
1 |
やまのいも |
2 |
ばれいしょ |
1 |
日本芝 |
1 |
とうもろこし |
1 |
かんしょ |
1 |
てんさい |
1 |
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