きゅうりの病害虫防除


病状または害虫 発生や多発の条件 防除農薬および上手な使い方
べと病
べと病
葉に発生する。
初め淡黄色の小斑点ができ、葉脈に区切られ角張った黄褐色の斑点になる。
激発すると、葉全体が黄褐色化し、乾燥すると、がさがさになり破れやすくなる。
気温が20〜25℃のとき
梅雨期など降雨が続いて多湿条件のとき
肥え切れ(特にチッソ肥料)や生育初期の果実のつけすぎ、株の生育が劣えた場合
雨滴による(土と共に)下葉へのはねあがり
施設栽培での、換気や排水不良
など
ランマンフロアブル
「ランマン」は疫病・べと病等の藻菌類病害に、特異的に優れた効果を示す殺菌剤です。
予防効果主体なので、出来るだけ発病前〜発病初期に散布してください。
使用直前に容器をよく振ってください。
散布ムラのないよう葉裏にも、ていねいに散布してください。
灰色かび病、うどん粉病などには効果がないので、同時に発生する場合は、これらに有効な剤と組み合わせて使用してください。
果面の汚れが少なく安心して使用できます。
うどんこ病
うどんこ病
葉の表面に、うどん粉をふりかけたような白い粉状のカビが生じる。
病勢が進むと病斑部は黄変する。
冷涼な気象条件や日照不足
やや乾燥気味で、昼夜の温度差が大きい場合
チッソ肥料の多投入
など
ドーシャスフロアブル
トリフミン水和剤
トリフミンは病原菌(カビ)の細胞膜中で、重要な働きをしているエルゴステロールの生合成を阻害し、効果を表す殺菌剤で、菌糸の伸長を強く阻害します。
予防効果と治療効果を併せ持っていますので、病斑の拡大、胞子形成を阻害します。
うどんこ病の発病初期から散布してください。
散布ムラのないよう葉裏にも、ていねいに散布してください。
トリフミン乳剤
トリフミンは病原菌(カビ)の細胞膜中で、重要な働きをしているエルゴステロールの生合成を阻害し、効果を表す殺菌剤で、菌糸の伸長を強く阻害します。
予防効果と治療効果を併せ持っていますので、病斑の拡大、胞子形成を阻害します。
うどんこ病の発病初期から散布してください。
散布ムラのないよう葉裏にも、ていねいに散布してください。
果面の汚れが少なく安心して使用できます。
カリグリーン
褐斑病
褐斑病
葉に円形で褐色の小斑点を生じ、その後拡大して、5〜8mmの不整形な円紋、又はモザイク状の病斑となる。
多湿状態では、病斑上に黒褐色のカビができる。
高温多湿条件
施設での換気不十分
チッソ肥料過投入
被害残渣の処理不十分
種子による伝染
など
ドーシャスフロアブル
「ドージャス」は、疫病・べと病等の藻菌類病害に特異的に優れた効果を示す「ランマン」と、幅広い病害に安定した効果を発揮する「ダコニール」を混合した新殺菌剤です。
予防効果主体なので、出来るだけ発病前〜発病初期に散布してください。
使用直前に容器をよく振ってください。
散布ムラのないよう葉裏にも、ていねいに散布してください。
耐性菌対策のため、他剤とのローテーション(輪番)使用を心掛けてください。
かぶれやすい人は、取り扱いに十分注意してください。
炭疽病
炭疽病
葉、茎、果実に発生する。
葉の場合、円形、褐色の病斑、茎や果実では楕円形、褐色のくぼんだ病斑となり、多湿時には、病斑上に紅色の粘液(分生胞子)を生じる。
降雨が多く、多湿でやや低温の条件
排水不良土壌
うり類の連作
チッソ肥料の多投入
過繁茂、古い支柱等の消毒不足
など
ドーシャスフロアブル
灰色かび病
灰色かび病
初めは、開花後のしぼんだ花弁が侵され、幼果の先端から水浸状に軟化し、表面に灰色のカビを生じる。
これに侵された果実の表面は、灰褐色粉状のカビで盛り上がる。
施設栽培に多い
被害残渣の処理不十分
やや低温・多湿で、朝夕急激に冷え込むとき
過繁茂状態のとき
など
病害の発病初期(病斑が少し見え始めたころ)に散布してください。
展着剤を必ず加用してください。
多発生条件では効果が劣る場合がありますので、散布液量の所定範囲で、多めの薬液量を散布してください。
5〜7日間隔で連続散布してください。
EBI(DMI)剤などとのローテーション散布をしてください。
ベンレート剤、アリエッティ剤、木酢、クエン酸及び、強酸性の葉面散布剤との混用はさけてください。
カリグリーン
ネコブセンチュウの被害
ネコブセンチュウの
被害根部
ネコブセンチュウ
生育が不良になり、日中の高温や乾燥で萎れ、葉は黄化して枯れ上がる。
被害株を引き抜くと根にコブ(数珠状が多い)ができている。
コブの形成で水分の吸収が阻げられるため、コブの上部から細根が分岐するのが特徴である。
連作、高温、乾燥条件
被害残渣の除去不十分
汚染圃場で使用した農機具などの洗浄不十分(付着土壌の排除が必要)
排水路の不整備(汚染土の流入)
など
ネマトリンエース粒剤
植付けの、できるだけ近い時期に散布することで、より長い効果を発揮させることができます。
散布が不均一だったり、混和が不十分だと効果不足や、薬害が生じたりすることがありますので、砕土をよく行った後、必ず全面に均一に散布し、表層から20cm程度の深さまでていねいに混和してください。
クロルピクリン剤や、ダゾメット剤との組み合わせ使用により、より安定的な線虫防除と病害・雑草の同時防除が可能です。
ラグビーMC粒剤
定植前に、圃場全体に均一に散布し、表層から20cm程度の深さに土壌と十分に混和してください。
散布ムラや、混和が不十分な場合には、効果不足や初期生育の遅延等の薬害を生ずるおそれがありますので、注意してください。
クロルピクリン剤や、ダゾメット剤との組み合わせ使用により、より安定的な線虫防除と病害・雑草の同時防除が可能です。
オンシツコナジラミ
オンシツコナジラミ
幼虫が、葉から汁液を吸ってネバネバした排泄物「甘露」にすす病が発生し、葉や果実が黒く汚れる。
成虫は、約2mmで白い蝶のように見える。
施設の入口や、周辺部に偏って分布していることが多い。
基本的に施設内で繁殖する性質をもつ
苗での持込み
成虫の侵入(施設周辺の雑草除去不十分)
施設での連続的作物栽培(前作の残渣処理の不十分)
施設の側窓や天窓への寒冷紗張り不十分
など
テルスター水和剤
オンシツコナジラミやアブラムシ類の発生初期から、葉裏までていねいに散布してください。
速効的で、散布直後から強い殺虫効果を示します。
散布液量は、対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせて調節してください。
低濃度でもミツバチ、マルハナバチに影響がありますので、散布場所近くに巣箱がある場合は、移動させるなどして、直接、巣箱への飛散やドリフトがないよう十分注意してください。
ワタアブラムシ
アブラムシ類
ワタアブラムシの寄生が多い。
芯芽や葉裏に群がって寄生し、吸汁加害する。
また、排泄物にすす病が発生し、葉に黒いすすがつく。
高温、乾燥の天候が続くとき
周辺にうり類、なすなどが隣接して栽培されているとき
薬剤散布が不適正のとき(下位葉の葉裏に寄生が多いので、薬液量を十分に、ていねいに散布する)
同一薬剤、同系統薬剤の連用
など
テルスター水和剤
テルスターフロアブル
アブラムシ類の発生初期から、葉裏までていねいに散布してください。
速効的で、散布直後から強い殺虫効果を示します。
散布液量は、対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせて調節してください。
低濃度でもミツバチ、マルハナバチに影響がありますので、散布場所近くに巣箱がある場合は、移動させるなどして、直接、巣箱への飛散やドリフトがないよう十分注意してください。
果面の汚れが少なく安心して使用できます。
ガゼット粒剤
アブラムシ類に有効で、定植時に株元散布または、植穴土壌混和してください。
定植時に植穴土壌混和する場合は、植付苗の根に薬剤が直接触れると、薬害を生ずるおそれがありますので、軽く土壌と混和してください。
土壌が極度に乾燥している時は、処理後潅水してください。
過剰に施用した場合、下葉の黄変、葉縁の黄化等の薬害を生ずるので使用量を誤らないようにしてください。
ナミハダニ
ハダニ類
ナミハダニの発生が多く、下葉や新芽に多く寄生する。
主に葉裏に寄生し、吸汁加害する。始めは葉に白斑ができる(ルーペでよく見ると、葉脈のすみや葉のくぼんだところに0.5mmの小さなダニが見られる)。多発すると、葉は黄色化して下葉から落葉する。
ナミハダニの体色は淡黄〜淡黄緑色で、胴部の左右に顕著な黒紋をもっている。
高温、乾燥条件が続くとき
周辺に放任作物があるとき
周辺雑草の除去不十分
同一薬剤、同系統薬剤の連用
など
アカリタッチ乳剤
散布液調製に当っては、よくかき混ぜ、調製後はなるべく早く使用してください。
散布後薬液が乾きやすい時に、2000倍液を葉裏までていねいに散布してください(散布液が溜まるような状態では薬剤が発生することがあります)。
高温時や日射しの強い時間帯、また寒暖の差が激しい時期の散布は避けてください。
ハダニの殺卵効果がなく、また残効性が期待できないので、5〜7日間隔での連続2回散布や、他剤とのローテーション散布をしてください。
展着剤は加用しないでください。
初めて使用する場合は、薬害の有無を十分確認してから使用してください。