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病状または害虫 |
発生や多発の条件 |
防除農薬および上手な使い方 |
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根こぶ病 |
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根こぶ病 |
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定植1ヵ月頃から、日中に葉が萎れるようになり、やがて生育が停滞し、外葉は淡黄色又は紫赤色となり、更に進むと枯死する。 |
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このような株を引き抜くと、根に大小さまざまなコブが出来ている。 |
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アブラナ科作物の連作(輪作不十分) |
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低湿地や排水不良圃場 |
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酸性土壌(酸度矯正不十分) |
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被害株の抜き取り遅れや、処分遅れ |
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委託育苗による病原菌の持ち込み |
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など |
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ランマンフロアブル |
「ランマン」はあぶらな科野菜の根こぶ病の他、べと病・疫病に特異的に優れた効果を示す殺菌剤です。
使用直前に容器をよく振ってください。
根こぶ病を対象とする場合は、500倍液をセル成型育苗トレイ(30x60cm)当り、2L灌注してください。
灌注に当っては、薬液が土壌中に十分染み込むようていねいに処理してください。
根こぶ病の発生が激しい圃場では、「フロンサイド粉剤」や「フロンサイドSC」などの定植前土壌処理剤と、組み合わせて使用してください。 |
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フロンサイドSCフロアブル |
使用直前に容器をよく振ってください。
根こぶ病を対象とする場合は、所定量の薬液を均一に散布し、土壌とよく混和してください。
降雨直後の処理は、混和ムラの原因になるので避けてください。
多量に使用すると、初期生育が抑制される場合があるので、使用薬量を守ってください。
セル成型育苗する地域では、「ランマンフロアブル」の定植前日〜当日処理と組み合わせて使用すると、より安定した効果が得られます。
かぶれやすい人は、取り扱いに十分注意してください。 |
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フロンサイド粉剤 |
希釈することなく使用できるので、散布が手軽です。
使用に当っては、砕土をよく行った後、所定量の薬剤を均一に散布し、土壌と十分混和してください。(植付前処理)
降雨直後の処理は、混和ムラの原因となりますので避けてください。
セル成型育苗する地域では、「ランマンフロアブル」の定植前日〜当日処理と組み合わせて使用すると、より安定した効果が得られます。
かぶれやすい人は、取り扱いに十分注意してください。 |
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アオムシ |
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アオムシ |
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若令幼虫は、葉裏から加害するが、成熟するに従い葉表から加害する。 |
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成熟幼虫は緑色で、非常に短い黄白色の毛で覆われており、虫糞は緑色で大きく、加害部の葉上や葉柄にたまる。 |
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発生適温は15℃〜250℃である |
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高温で風の少ない日は、成虫の活動が活発で、産卵量も多くなる |
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早春が高温であると発生が早くなる |
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付近に放任畑がある場合 |
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など |
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ガゼット粒剤 |
ガゼットMCフロアブル |
テルスター水和剤 |
コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、アブラムシ類の発生初期に、散布してください。
散布液量は、対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせて調節してください。
低濃度でもミツバチ、マルハナバチに影響がありますので、散布場所近くに巣箱がある場合は、移動させるなどして、直接、巣箱への飛散やドリフトがないよう十分注意してください。 |
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アタブロン乳剤 |
トアロー水和剤CT |
トアローフロアブルCT |
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コナガ |
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コナガ |
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ふ化直後の幼虫は葉肉内に潜入し、1令期を過ごし、2令期以降は、脱出して葉裏に寄生、表皮を残して食害するため、食痕は不規則な白斑状になる。幼虫に触れると、葉上で跳ねる。 |
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成虫は、背面にダイヤ型の模様があるのが特徴(特にオスは明瞭)。 |
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発生適温は15℃〜25℃である |
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極端な高温では発生が抑えられるが、やや乾燥条件では発生量が多くなる |
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周辺に、アブラナ科野菜が周年栽培されている場合 |
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など |
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ガゼット粒剤 |
ガゼットMCフロアブル |
テルスター水和剤 |
アタブロン乳剤 |
トアロー水和剤CT |
トアローフロアブルCT |
コナガ、アオムシなど鱗翅目害虫の幼虫に有効です。
使用直前に容器をよく振ってください。
散布液調製後は放置せず、出来るだけ速やかに散布してください。
展着剤を加用してください。
若令幼虫期に、時期を失しないように散布してください。
遅効性で虫はすぐには死にませんが、食害は散布後すぐに止まります。
アルカリ性の強い薬剤と混用は避けてください。 |
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ヨトウムシ |
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ヨトウムシ |
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若令幼虫は緑色で、日中も葉上にいるが、3令幼虫になると体色は灰褐色となり、日中はキャベツ株内や、土中に潜り夜間に加害する。また、若令幼虫は集団食害する。 |
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成熟幼虫は食害量が大きく、葉脈を残した状態の被害となる。 |
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ふ化初期から若令幼虫期に、降水量が少ないと幼虫の発生、加害が多くなる傾向がある |
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適度の降雨により、幼虫の生存率が高まるともいわれている |
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など |
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テルスター水和剤 |
アタブロン乳剤 |
トアロー水和剤CT |
コナガ、アオムシ、ヨトウムシなど、鱗翅目の幼虫に有効です。
少量の水でとき、その後所定量の水を加え十分かきまぜて散布液を調製してください。
散布液調製後は放置せず、出来るだけ速やかに散布してください。
展着剤を加用してください。
若令幼虫期に、時期を失しないように散布してください。
遅効性で虫はすぐには死にませんが、食害は散布後すぐに止まります。
アルカリ性の強い薬剤と混用は避けてください。 |
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ハスモンヨトウ |
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ハスモンヨトウ |
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幼虫は、褐色〜黒色で頭部のやや後方に、一対の黒紋があるのが特徴。 |
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幼虫は、葉に穴をあけ、結球内部に入り加害する。また、若令幼虫は集合して加害するが、3令幼虫からは分散して加害する。 |
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幼令期は淡緑色が多いが、中令以後は褐色から黒色のものまである。 |
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暖冬で経過した年や、春から降雨が少なく、又カラ梅雨の年に多発する |
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休眠しないので、加温ハウスでは冬期も発育と活動を続ける |
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など |
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アタブロン乳剤 |
植物内への浸透移行性がないので、茎葉部表裏にムラなく散布してください。
幼虫の脱皮を阻害して死亡させる性質を持っているため、遅効性です。害虫の発生初期に使用してください。
また、食毒性の薬剤ですので、害虫の若令期に使用すると食害を最小限に抑えることができます。
作用性の異なる他剤と、ローテーション散布を行ってください。 |
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タマナギンウワバ |
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タマナギンウワバ |
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幼虫は、外葉の裏に寄生し、食害し不整形の穴をあける。また、若令幼虫は、尺取虫状に歩く。 |
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ヨトウムシのように集団で加害することはなく、多発時でも1株当り2〜3匹である。 |
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他の株への移動が少ないので、被害株は点在する。 |
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高温、少雨年に発生が多い |
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暖地では春と秋、寒冷地や高冷地では、夏の発生が多い
(卵、幼虫は下葉の葉裏に生息するものが多いので、薬剤が葉裏まで十分かかるようにする) |
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など |
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ハイマダラノメイガ |
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ハイマダラノメイガ |
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幼虫は、全体が淡黄褐色で褐色の縦線が数本ある。 |
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幼虫は、キャベツの本葉が展開しきらない頃から、葉を糸で綴り合せて食害するので、幼苗では芯葉が食いつくされて、枯死する場合もある。 |
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梅雨の頃から雨が少なく、晴天が続いて夏が暑かった年の秋に、発生が多い
(暖地系の害虫で、関東以西に発生が多い) |
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など |
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アタブロン乳剤 |
ガゼットMCフロアブル |
本剤は、液剤散布なので省力的で、キャベツに直接散布することが可能なことから、害虫の発生に合わせて防除できます。またマイクロカプセル剤なので、長期間にわたり優れた効果を示します。
コナガ、アオムシ、ハイマダラノメイガの発生初期に、散布してください。
使用の際は、容器をよく振って均一にしてから希釈してください。
かけムラのないよう作物全体(葉の表裏)に、ていねいに十分量散布してください。
作用性の異なる他剤と、ローテーション散布を行ってください。 |
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ダイコンアブラムシ類 |
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アブラムシ類 |
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ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、モモアカアブラムシの3種が寄生する(主体はダイコンアブラムシ)。 |
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ダイコンアブラムシは、主として中位葉に集団となって寄生し、体全体が白い粉状分泌物で厚く覆われている。 |
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吸汁により、葉を黄変、萎縮させる。 |
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高温、乾燥の天候が続くとき
(春から初夏にかけての発生が多く、夏以降は比較的少ない) |
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など |
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ガゼット粒剤 |
コナガやアオムシ、アブラムシ類に有効で、育苗期や定植時、生育期処理など多彩な使い方ができます。
定植時に植穴土壌混和する場合は、植付苗の根に薬剤が直接触れると、薬害を生じるおそれがあるので、軽く土壌と混和してください。
定植後、すぐにコナガの発生が見られる場合は定植時に、定植から発生時期が離れている場合は、生育期に散布してください。
コナガの発生が長期間にわたる場合や、多発している場合は「テルスター水和剤」や「アタブロン乳剤」「トアローCT」などを散布してください。
土壌が極度に乾燥している時は、処理後潅水してください。 |
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テルスター水和剤 |
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