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病状または害虫 |
発生や多発の条件 |
防除農薬および上手な使い方 |
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疫病 |
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クラウン部の切断面 |
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疫病 |
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育苗期に発生。高温多湿時に、葉に黒褐色〜暗褐色で円形〜不整形の病斑を形成する。 |
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クラウン部、根、葉柄、葉を侵し特にクラウン部に発生すると急激な萎凋、立枯をおこす(クラウンを切断すると外側から内側に向かって褐している変)。 |
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夏期の気温が高く経過した場合 |
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被害残渣の処理不十分 |
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汚染圃場での作付け |
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汚染土の移動、水の移動、降雨、潅水等による「水はね」での伝染 |
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など |
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ランマンフロアブル
いちごの「疫病菌」は土壌中や被害組織の中に生存し、水媒伝染する病害です。夏期高温時は疫病菌にとって好適環境であり、クラウン部や葉に侵入し、発病させます(特にクラウン部に発生した場合、根や葉柄基部にまで侵入して発病させる)。
これらのことから「ランマン」使用に当っては、500倍液をクラウン(株の中心部)の株元へ注ぎ込むようにていねいに潅注してください。 |
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うどんこ病 |
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うどんこ病 |
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葉に、うどん粉をふりかけたような白い粉状のカビが生じる。 |
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最初は葉裏に見られることが多く、病状が進むと小葉は上向きに巻いてスプーン状となる。 |
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発病適温は20℃前後 |
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梅雨が長引き冷涼な気候が続くとき |
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比較的乾燥条件のとき |
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草勢の低下、密植、チッソ肥料過投入 |
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羅病株の放置、保菌苗の植付け |
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など |
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トリフミン水和剤
カリグリーン
カリグリーンは、有効成分の水溶液中で生じるカリウムイオンが、菌の細胞中に入り込み、イオンバランスを壊し、細胞内機能に障害を与えて効果を表す殺菌剤です。
病害の発病初期(病斑が少し見え始めたころ)に散布してください。
展着剤を必ず加用してください。
多発生条件では効果が劣る場合がありますので、散布液量の所定範囲で、多めの薬液量を散布してください。
5〜7日間隔で連続散布してください。
EBI(DMI)剤などとのローテーション散布をしてください。
ベンレート、木酢、クエン酸及び、強酸性の葉面散布剤との混用はさけてください。 |
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じゃのめ病 |
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じゃのめ病 |
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葉に多く発生。葉に紫紅色の不鮮明な小斑点を生じ、拡大すると円形〜楕円形の病斑となる。 |
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病斑の周囲は紫褐色、中央部は灰褐色の「蛇の目状」になる。 |
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重粘で多湿な圃場(排水不良) |
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露地栽培(採苗床や仮植床) |
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肥え切れ |
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など |
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トリフミン水和剤
トリフミンは病原菌(カビ)の細胞膜中で、重要な働きをしているエルゴステロールの生合成を阻害し、効果を表す殺菌剤で、菌糸の伸長を強く阻害します。
予防効果と治療効果を併せ持っていますので、病斑の拡大、胞子形成を阻害します。
うどんこ病やじゃのめ病の発病初期から散布してください。
散布ムラのないよう葉裏にも、ていねいに散布してください。 |
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クルミネグサレセンチュウ
の被害 |
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ネグサレセンチュウ |
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生育が不良となり、根に褐色で紡すい形の加害病斑が多く見られ、根が部分的に黒変し脱落する(根量が少なく貧弱になる)。 |
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高温、乾燥条件 |
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親株から古株への伝播 |
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寄生株の持ち込み |
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被害残渣の処理不十分 |
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など |
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ネマトリンエース粒剤
植付けの、できるだけ近い時期に散布することで、より長い効果を発揮させることができます。
散布が不均一だったり、混和が不十分だと効果不足や、薬害が生じたりすることがありますので、砕土をよく行った後、必ず全面に均一に散布し、表層から20cm程度の深さまでていねいに混和してください。
クロルピクリン剤や、ダゾメット剤との組み合わせ使用により、より安定的な線虫防除と病害・雑草の同時防除が可能です。 |
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ドウガネブイブイ |
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コガネムシ類(幼虫) |
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育苗床で根を食害し、下葉が赤くなったり生育不良となり萎凋し枯死株が出る場合もある。 |
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老熟幼虫は4cm程の大きさで丸まっており、頭部は褐色で体色は乳白色である。成虫も葉を食害する。 |
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未熟有機物や青刈り作物の多投入 |
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土壌乾燥による土壌灌注剤の浸透不足 |
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など |
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ガゼット粒剤
コガネムシ類(幼虫)やアブラムシ類に有効で、仮植床の植付時や本圃の定植時に使用できます。
定植時に植穴土壌混和する場合は、植付苗の根に薬剤が直接触れると、薬害を生じるおそれがあるので、軽く土壌と混和してください。
土壌が極度に乾燥している時は、処理後潅水してください。 |
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ワタアブラムシ |
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アブラムシ類 |
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1mm位の小さな虫が、新芽や葉裏に群がって吸汁し、生育不良となる。 |
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虫は緑色、黄色、黒色などいろいろある。 |
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虫の排泄する液「甘露」にすす病が発生し、葉や果実が黒く汚れる。 |
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寄生苗の持ち込みや、周辺雑草の除去不十分 |
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高温乾燥気象が続くとき |
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薬剤散布が不適正なとき(下位葉の葉裏に寄生が多いので、液剤散布の時は、薬液量を十分に、ていねいに散布する) |
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同一薬剤、同系統薬剤の連用 |
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など |
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ガゼット粒剤 |
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ハスモンヨトウ |
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ハスモンヨトウ |
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虫が集団で葉を食害し孔をあける。虫が大きくなると分散し葉や蕾を食害する。体色は緑、灰色、黒褐色とさまざまである。 |
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頭の直ぐ後に1対の小さな黒斑点があり、ヨトウムシと区別が可能である。 |
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高温、乾燥年 |
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周辺雑草の除去不十分 |
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休眠しないので、加温ハウスでは冬期も発育と活動を続ける |
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など |
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アタブロン乳剤
植物体内への浸透移行性がないので、茎葉部表裏にムラなく散布してください。
幼虫の脱皮を阻害して死亡させる性質をもっているため、通常死亡するまでに7〜10日以上を要しますので、害虫の発生初期(幼虫期)に使用してください。
食毒性の薬剤ですので、害虫の若齢期に使用すると食害を最小限に抑えることができます。
アザミウマ類の蛹、成虫には効果がないので、発生初期の幼虫主体の時に散布してください。
作用性の異なる他剤と、ローテーション散布を行ってください。 |
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ミカンキイロアザミウマ |
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ミカンキイロアザミウマ |
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果実の種子の周囲が黄化又は褐変し、激しいと果実が褐変し、光沢のない果実となる。葉では葉脈間が吸汁され黒色斑点となる。 |
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初期発生は、ハウスの開口部に多い。本種による果実被害は、マルチに接した果面に出やすく、種子周囲の窪みが黄化又は褐変することが特徴。 |
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圃場周辺の花き類や雑草の花が発生源 |
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被害株の持ち込み、成虫の飛来防止不十分(寒冷紗張りを行っていないとき) |
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周辺の雑草除去不十分 |
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など |
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アタブロン乳剤 |
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オオタバコガ |
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オオタバコガ |
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若令幼虫は、新芽や葉・花を加害し、中令から老令幼虫になると、果実の内部や茎へ移動して加害する。 |
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幼虫は緑色だが、老熟幼虫になると淡黄、黄緑、褐色とさまざまだが、ヨトウムシと比べると体が扁平で刺毛が多い。 |
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高温、乾燥条件 |
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卵や若令幼虫が付着した、茎葉の不十分な処理 |
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など |
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トアローーフロアブルCT
オオタバコガ(鱗翅目害虫)の幼虫に有効です。
使用直前に容器をよく振ってください。
散布液調製後は放置せず、出来るだけ速やかに散布してください。
展着剤を加用してください。
若令幼虫期に、時期を失しないように散布してください。
遅効性で虫はすぐには死にませんが、食害は散布後すぐに止まります。
アルカリ性の強い薬剤と混用は避けてください。 |
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ヨトウムシ |
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ヨトウムシ |
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若令幼虫は、緑色で日中は葉上にいるが、3令幼虫になると、体色は灰褐色となり株内や土中に潜り夜間に加害する。若令幼虫は集団加害する。 |
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ふ化初期から若令幼虫期に、降水量が少ないと幼虫の発生、加害が多くなる傾向がある |
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適当の降雨により、幼虫の生存率が高まるともいわれている |
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など |
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トアロー水和剤CT
ヨトウムシ(鱗翅目)の幼虫に有効です。
少量の水にとき、その後所定量の水を加え十分かきまぜて散布液を調製してください。
散布液調製後は放置せず、出来るだけ速やかに散布してください。
展着剤を加用してください。
若令幼虫期に、時期を失しないように散布してください。
遅効性で虫はすぐには死にませんが、食害は散布後すぐに止まります。
アルカリ性の強い薬剤と混用は避けてください。 |
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ナミハダニ |
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ハダニ類 |
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ナミハダニとカンザワハダニの2種の寄生が多い。
■ナミハダニ・・・ |
体色が淡黄〜淡黄緑色で背面の両側に黒紋がある。 |
■カンザワハダニ・・・ |
体色が暗赤色である。 |
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主に葉裏に寄生し、吸汁加害し、かすり上の食害痕ができる。 |
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苗による持ち込み |
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高温、乾燥条件が続くとき |
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周辺に放任作物があるとき |
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周辺雑草の除去不十分 |
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同一薬剤、同系統薬剤の連用 |
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など |
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アカリタッチ乳剤
2000倍液で、葉裏までていねいに散布してください。
散布液調製に当っては、十分攪拌し調製後は直ちに散布し、使い切ってください。
散布液が直接害虫にかからないと効果がないので、ハダニ類にムラなくかかるよう、葉の表裏にていねいに十分散布してください。
散布液が溜まるような状態では、油浸状・茶褐色の薬害が発生することがありますので、薬液の乾きやすい時に、登録の範囲内の少ない散布液量で散布してください。
高温時や日射しの強い時間帯、また寒暖の差が激しい時期の散布は避けてください。
ハダニの卵には効果がなく、また残効性が期待できないので、5〜7日間隔での連続2回散布や、他剤とのローテーション散布をしてください。
展着剤は加用しないでください。
初めて使用する場合は、薬害の有無を十分確認してから使用してください。 |
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