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春キャベツにおけるコナガの防除体系

下記の表は、11年11月に調査したコナガの薬剤抵抗性検定の結果です。
合成ピレスロイデ系・IGR剤は、防除効果が依然として低く、BT剤では、クルスターキ系の死菌剤やピロール系(コテツ)のでもさらに効力の低下が見られています。新規登録された薬剤が多数ありますが、新剤だからと言って同一薬剤を多用するのは好ましくありません。ローテーション散布を心掛けましょう。
秋以降、フェロモントラップへの成虫飛来量は横浜地区・三浦半島地区とも平年より少なく推移しています。近年の発生量は減少傾向にありますから、発生量に応じ散布回数を加減するなど過度な散布は行わないようにしましょう。
コナガ補正死虫率(%)
系統名 有機リン 合ピレ ネライストキシン IGR BT死菌 BT生菌 ピロール マクロライド スピノシン
クルスターキー アイザワイ
地点/薬剤名 アクテリック アグロスリン パダン カスケード トアローCT エスマルク ゼンターリ コテツ アファーム スピノエース
横浜市菅田 40.0 6.7 20.0 40.8 59.2 96.3 92.6 96.3 100.0 100.0
横浜市和泉 63.3 13.3 24.3 56.6 88.9 100.0 96.7 100.0 100.0 100.0
川崎市久末 80.0 10.0 80.0 77.8 96.6 96.6 100.0 96.6 100.0 100.0
横須賀市長井 76.7 7.1 85.7 86.2 89.3 100.0 100.0 96.7 100.0 100.0
三浦市金田 96.5 7.1 75.0 85.7 96.6 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
藤沢市亀井野 56.7 6.7 50.0 66.7 88.9 96.6 96.6 96.6 100.0 100.0
海老名市杉久保 65.7 27.6 58.6 57.1 93.1 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
伊勢原市大田 70.0 10.0 56.7 10.7 69.0 75.8 93.1 96.5 100.0 100.0
泰野市大倉 76.9 6.9 48.3 44.8 86.2 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
大磯町西小磯 76.7 30.0 63.3 62.0 58.6 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

千葉県の「コナガの防除基準」

コナガは薬剤抵抗性が発達しやすいので、同一群の薬剤の連用は避け、数軍でのローテーション散布を行います。なお、既に抵抗性の発達している薬剤も認められるが、その程度は地域により差があるため、実際の使用状況から推測して薬剤を選択します。

(HM:は種前、T:定植時、IT:育苗期後半〜定植時、発:発生初期、IK:育苗期後半)
薬剤名 希釈倍数・使用量 はくさい だいこん こかぶ キャベツ カリフラワー ブロッコリー チンゲンサイ ストック
【有機リン剤、カーバメート剤】
エルサン乳剤 1000〜1500 21/3 30/2 30/2 14/4 14/2 21/2

オルトラン粒剤 3〜6kg/10a(1〜2g/株) 21/3 HM/2
21/3


発/5
オンコル粒剤5 1〜2g/株ストックは0.5g/株 T/1

IK/1


T/1
ガゼット粒剤 3〜6kg/10aストックの場合、9kg/10a(株元散布)又は18kg/10a(全面土壌混和) IT/1 H/1
45/1
IT/1
T/1
ダイアジノン乳剤40 1000


30/2 30/2 30/2

ディプテレックス乳剤 1000〜1500 7/5 14/6 21/1 7/6 14/2 14/2

トクチオン乳剤 1000〜1500


21/2



レルダン乳剤25 1000〜1500 30/2 30/2
7/4



DDVP乳剤75 1000〜1500 7/5 14/6 14/5 3/5
7/6

【BT剤】
エスマルクDF 1000〜2000 7/4 7/4
7/4
7/4

ゼンターリ顆粒水和剤 1000〜2000 7/4 7/4
7/4
7/4

チューリサイド水和剤 1000〜2000 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 発/4
デルフィン顆粒水和剤 1000
7/4


7/4

トアロー水和剤CT 1000〜2000
ストックは1000倍
7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 発/4
バシレックス水和剤
7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 発/4
【ネライストキシン系薬剤】
エビセクト水和剤 1000〜1500 7/3 14/2
7/3

7/2
パダンSG水溶剤 1500 7/3 7/3
14/4
7/4 7/2
ルーバン水和剤 1000〜1500 7/3 14/3
7/3



【ピロール系薬剤】
コテツフロアブル
7/2 14/2
7/2
7/2 7/1 発/2
【ネオニコチノイド系薬剤】
モスピラン水溶剤 1000〜2000 14/4 14/1
7/6
14/3

モスピラン粒剤 1〜2g/株キャベツは0.5g〜1g/株、ハクサイは1g/株 T/1

T/1
T/1

【スピノシン系薬剤】
スピノエース顆粒水和剤 2500〜5000 3/3 7/3
3/3



【昆虫生育阻害剤】
マッチ乳剤 3000
14/3





【マクロライド系薬剤】
アファーム乳剤 1000〜2000 7/3
7/3



発/5
【有機リン剤、カーバメート剤、ネライストキシン系薬剤】
メラード水和剤 1000〜1500


14/2